最終ラウンド 特攻
『ラウンド3、ファイト』
『フィールドは変わらず、審判は員中田選手に2ポイント渡しました。これにより、片岡主審が1-0、副審2人が2-0で中田選手を有利としました』
『中田選手はこのラウンドは攻めなくても4点差がありますからまず勝てるでしょう』
『守備のうまい中田選手をどのように打ち崩せば豊本選手はいいですかね?』
『確実に守勢に回っていますから、攻撃が来ないと読んでの攻め込みしかないでしょう』
『試合ですが、宍戸さんの予測通り豊本選手が、どんどん技を撃っていますが、中田選手に当たりません!』
『気体化している中田選手への有効打がいまいちありませんね。昨年中田選手に豊本選手が破れた時もこの戦法に倒れましたから』
『なるほど、しかし菊地さん、昨年破れているのでしたら豊本選手は何かしら対策はあるのでは?』
『空間氷結がそれだったと思うんですよ。あれ以外にあるならチャンスはあるはずです。無いならこのままでは?』
『空間氷結を防がれたのは厳しいですよね。空間氷結を使えば、中田選手に攻撃を当てやすくなりますが、使えばすぐさま煙幕砲口によって防がれるでしょう』
『輝細刃雪も当たりません! 完全に中田選手を見失いました!』
『あれだけ攻撃範囲の大きい技すら当たらないとは……。中田選手の守備も確実に成長しましたね』
『残り1分です! 中田選手の姿が見えはじめました! 豊本選手が空間氷結を使いました!』
『一か八かですね』
『直ぐ様中田選手が煙幕砲口で攻めます! 回避しきれず両手両足を拘束されました! これは決まってしまうのか?』
『中田選手が煙幕砲口を巨大にして放とうとしています。中田選手の珍しいKO 勝ちが見れるかもですね』
『煙幕砲口が放たれました! 直撃です! 決まったか?』
『まだ倒れてませんね……、完璧に見えましたが』
『平原さん、なんか寒くないですか?』
『そう言われると……、おっと! 中田選手の頭上に真っ白な大きい氷ができています! そのまま落下します! 煙幕砲口の振りが大きすぎて回避しきれず左足に命中しました! ダウンです!』
『固体炭酸です。空気中の二酸化炭素を固めて武器にする技ですね』
『なんとか立ち上がります。しかし、左足は酷い火傷だ!』
『火属性に属する中田選手ですが火傷に耐性はあっても凍傷には耐性がないようですね』
『ここで試合終了です。今大会初の判定です』
『宍戸さん、最後の豊本選手はいかがでしたか』
『固体炭酸は普通に使っても簡単にかわされたでしょう。しかし、空間氷結による固さの向上、煙が充満したことによって二酸化炭素が多かったことによる大きさの向上、そして何より、大技の反動で守備がうまい中田選手に一瞬隙ができたことがこの結果でしょう。みごとです』
『ありがとうございます。菊地さんはいかがでしたか』
『最後の豊本選手の特攻がすばらしい。固体炭酸により、わずかながら煙幕砲口の威力が下がり耐えられたこと、そして拘束されて明らかに有利になれば、さしもの中田選手でも止めをさしに来るであろうと読んだのでしょう。それでも直撃を避けた中田選手は流石でしたが』
『ありがとうございます。では判定です。2票入れば勝利になります』
『ジャッジ片岡、2-1。……赤豊本明治』
『まず片岡主審は豊本選手です』
『ジャッジ村田、2-2ドロー』
『村田副審はドローです』
『ジャッジアンダーソン』
『さて、差はついたのか!』
『…………2-2ドロー』
『アンダーソン副審もドローです! ルールにより延長ラウンドとなります!』




