第1ラウンド かみ合いすぎる
『さて試合が始まりました、豊本選手が豪雪地帯、中田選手が煙幕地帯で試合が開始します。煙と大雪で視界が非常に見ずらくなっています』
『この2人の試合も見慣れましたね。すべて1回戦で当たっていて1勝1敗ですか』
『2人とも十分優勝できる実力はあるんですよ。勝ったほうは井上選手や松本選手に健闘してますから。1回戦でお互いに熱戦を繰り広げて消耗してしまいますから、共にベスト4なんですよ』
『今回は勝ったほうが井上選手でも松本選手でもないほうと当たりますね。しかし、実績がないとはいえ山本選手はほぼ消耗なしで若森選手に勝ってますからできれば消耗したくないですね』
『さっそく豊本選手が攻め込みます。右手を光らせ煙に向かって攻撃します。宍戸さん、あれは低温奪取ですか』
『それっぽいですね。しかしあれは水属性では一般的は水を冷たくして攻撃力をあげる技ですから、氷技を使う豊本選手にはあまり効果がないと思われますが』
『平原さん、私知ってますよ』
『菊池さん、あれは低音奪取ではないと?』
『あれは1ヶ月前にアメリカでマックス=ベルが開発した低音奪取を氷属性にアレンジした温度奪取です。周りの温度を急激に下げて、氷属性の威力をあげる技です』
『あれですか、私も聞いていましたが宍戸さん、いきなり学生が使えるものですか?』
『氷属性自体が珍しいですからね。使用そのものはあまり万人に合わせる必要はないですから修練を積めばできることはできるでしょう。しかし彼はすばらしいですね』
『豊本選手の温度奪取がヒット! 煙がどんどん下がって煙に隠れていた中田選手の姿が見えてくるぞ!』
『完璧です。ほとんど最新に近い技を使いこなせている。しかも、煙の温度が下がると煙が重くなって下がっていくという知識も持ち合わせている。彼は安定してますね』
『煙が明らかに中田選手の身長より低くなりましたが、姿が見えませんね。宍戸さん、こうなると2つのパターンが考えられます』
『低くなったことにより下のほうが濃くなった煙にしゃがむなどして隠れているか、何かしらの技で隠れているかですね。中田選手は自らを気体にもできますから』
『中田選手が回避しながらのカウンターを得意としていますし、逆に豊本選手はそういった防御を無視した強引な攻めを得意としてますから毎試合かみ合うんですよね』
『豊本選手が空間氷結を使いましたね。これにより気体はすべて固体化します』
『中田選手姿を現しました! どうやら隠れていただけでした!』
『中田選手危なかったですね。仮に気体化していたら強制的に固体化されて決着でしたよ』
『決め技である空間氷結をいきなり見せるくらいですから、速攻で攻めにきましたね。それを中田選手が読んでいたのではないでしょうか。空間氷結は昨年も見せていましたから』
『ラウンド1終了です。特に大きな動きはありませんでしたが、豊本選手のほうが少し攻めに入ったと思われます』




