ラウンド2 水面と空中
『ここで改めて、KO決着にならない場合の確認をさせていただきます。3人の審判は1ラウンドごとに2点を好きに振り分けることができます。同じくらいなら、1点ずつ分ける場合、どちらかに2点つける場合、僅かに差がある場合はどちらかに1点をつけて残りは破棄できます。このポイントが判定に使われます』
『ラウンド2ファイト』
『ラウンド2開始です。ジャッジは誰も差をつけずに1-1でした』
『大きな決定打はありませんでしたからね』
『おっと、フィールド魔法が前回と違います。松本選手は変わりませんが、岡田選手が超低気圧ですね。お二人はこのフィールド変更をどう見ます?』
『なかなか面白い技ですね。テクニシャンの岡田選手らしい嫌らしい技です』
『風属性以外の行動力を落とす技ですか。一般的には低気圧が発生中すると交感神経の働きが悪くなるので体調を崩しますからね』
『しかし、岡田選手が使ったのはフィールド全体に障壁を作る一般的なフィールド魔法ではなく、全体に効果を及ぼすフィールド魔法ですから、松本選手の魔法が相殺されずにフィールドが全て水浸しになりました。これはかえって不利になるのでは?』
『フィールド全体が水浸しになったことでフィールドのどこからでも松本選手が攻撃は出来るようになりました。もちろんこれを岡田選手は知っているはずでしょうし対策はあるのでしょう』
『松本選手が早速仕掛けています! 水柱がフィールド全体を襲い続けます。うまくかわし続けていますが、まったく予想がつかない場所から水柱がおき続けます! これは回避しきれないか?』
『あれだけ回避できるとすごいですね。動体視力がいいんでしょう。魔法以外のスペックの高さはやはり一流には必要があるんでしょう』
『あーっと、しかしついに水柱がヒットしました。岡田選手うまく防御をしてダメージはないようですが大きく持ち上げられました』
『岡田選手が意図的に受けたように見えましたね。回避しきれないと見て受けるほうを選びましたか』
『下の水面すべてが針状になりました! 水性剣山の発動です。これを食らったらさすがに耐えられないぞ!』
『問題ないと思います。岡田選手は空中浮遊を会得しています』
『空中に浮き続けていますね。なるほど、これなら地上のフィールドの状態は関係しませんからフィールド魔法にこだわる必要がありませんね』
『水面の針が光り始めています。あれはなんでしょう?』
無数にある水の針のうち1本が真澄に向かって発射される。
『針が発射され続けます! この回避は難しい! 宍戸さん、いかがですか?』
『針に追尾性能がないのがせめてもの救いですね。ただ数が多すぎて裁ききれるかが厳しいですね』
『ここで、各陣営からのコメントが入りました。まずは松本選手からです。攻撃力で圧倒して相手が何かする暇もなく攻め込んでいけば必ず勝てる。がんがん押せ!とのことです。菊池さんいかがですか?』
『テクニックを発揮される前に押せというのは悪い考えではないと思います。ただ、しのがれた場合に不安を感じますね』
『なるほど、それでは岡田選手サイドのコメントです。相手の攻撃は強いがかわせないわけではない。うまくいなして一瞬の隙をつけ! とのことです。宍戸さん』
『まさに今がお互いの望んだ状況というわけですね。ここからしのぎきるのか押し切れるのかが分かれ目になります』
『なるほど、今はかなりうまく回避していますが、空中浮遊とは思えない回避制度ですね』
『もしかしたら何ですけど、あれは空中移動かもしれないです』
『菊池さん! あれを学生が会得できていると!?』
『あくまで仮想です。動きを見る限り完全ではないとは思いますが』
『残り30秒! 勝負にでました! 残った針をすべて発射しました。とても回避はできないぞ!』
『岡田選手移動をしました! 松本選手の真上だけは針が飛んでいません!』
『そして大型竜巻を発動させました! すべての水とともに松本選手を巻き上げました!』
受身を取りきれず哲史は地面に直撃する。
『ダウン! ダウン! ダウンです! 2ラウンド終了目前のダウンです! そこまでダメージは無いようですぐに立ち上がりましたが、アンダーソン副審が白旗をあげました!』
カーン!
『第2ラウンド終了! 岡田選手がダウンを1個とりました!』




