明治先輩のお姉さんですか?
「こういうパーティも悪くはないけど、身内だけでも祝いたいからこの後時間ある?」
秋大自身、よく知らない人がたくさん集まるパーティーよりも、気を使わなくてもよい何人かで飲み食いする方が好きだったのでこの提案をした。
「ええの。断る理由がなぃんじゃ」
「せっかぐだかきや行ってあげます。断らのも悪りじゃし(折角だから行ってあげます。断るのも悪いですし)」
「オッケー。他の人にも声をかけとくよ」
「今日は明治先輩と沙理さんはどうされたんか」
明治と沙理はいつも秋大の近くにいるイメージがある。実際には常にいるわけではないだろうが、麻美は気になった。
「沙理は生徒会室で仕事中。この時期は大会前だからあまり戦うことがないから、今のうちに仕事を減らそうとしてたら、パーティーに出るより仕事する方が良いって言うから俺がここに来たんだ」
「明治様は旦那様、つまり明治様のお父様のお手伝いをされております。旦那様の経営されている喫茶店が人手が足りないためです。私が呼ばれたのですが面倒くさいので明治様に任せて逃げてきました」
「沙理さんは分かりますたぁーが、明治先輩はそれでいいんだが? 海泉さんがおこきやれたりしねんじゃか?(沙理さんは分かりましたが、明治先輩はそれでいいんですか? 海泉さんが怒られたりしないんですか?)」
「私は大丈夫です。怒られ慣れております」
それは大丈夫ではない。
「ちょうどいいから明治の父さんがやってる喫茶店に行ってみる? メイド喫茶だけど」
「行ってみたいです!」
「わんつか興味あるのすうきゃ(ちょっと興味ありますね)」
メイド喫茶といえば多分嫌がると思い、冗談で言ったのだかまさかの乗り気で驚いていた。
「じ、じゃあまた後で集合ね」
因みに聡美は、新人戦の組み合わせ抽選会に行っています。誰か聞けばいいのだが、1年生で、生徒会でもなく、それほど秋大の近くにいるわけでもない半端な立ち位置なので2人には気にされなかった。
この企画にも呼ばれていない。生徒会じゃないので。
その日の夕方、仕事が一段落ついた沙理もつれて5人で喫茶店に向かった。
「いらっしゃいませ、ご主人様とお嬢様方と同業者様」
5人を出迎えたのは明治にそっくりのメイドだった。髪がかなり明治より短いので明治でないことは分かったが。
「どうもお久しぶりです。お元気でしたか?」
「秋くん。今日はお願い致します。沙理ちゃんもゆっくりしてってね。海泉さんは後でお話ね。後ろの2人は初めてかな」
「どうも、山根麻美と申するんじゃけぇの」
「初まなぐまして、伊達紗英ど申します」
「どうも」
「秋大さん。この人は明治先輩のお姉さんか?」
「やっぱそう見える? 蓮さん、自己紹介してもらえますか」
「初めまして、豊本蓮37才です。明治君の父親でーす」
初見の2人は固まってしまった。




