メイドさんがいる
クラス分けが一段落つき、生徒会の仕事が減ると時間が増えて、各自やりたいことをやる。
沙理は忙しいのですぐに帰宅。
明治は3年生なので、座学や実践の自習。
そうなると、少し余裕のある秋大が本来なら1人で仕事をするのだが、1年生の聡美はさらに暇なため、結局生徒会室に顔を出しにきては作業の手伝いをしている。
「角田先輩」
「なんだい?」
「今って、兼田先輩も豊本先輩もいないですよね」
「2人とも忙しいからな」
「なのに、何故ここには人が3人いるのでしょうか?」
3人しかいない生徒会に聡美が来て、今2人いないので生徒会室には2人しかいないはずである。
しかし今、生徒会室には人が3人いる。
しかも作業をするわけでもなく、生徒会室の端にたって動かない。
「あ、この人は何の関係もないから気にしなくていいよ」
「関係ないのは見れば分かるわ」
聡美がその本来いない3人目が関係ないのを見れば分かったのは見た目がメイド服であるからだ。
「何でここにメイドさんがいるのかが聞きたいのよ」
「そりゃめいじのメイドさんだからいても別にいいだろう」
「豊本先輩のメイド? 豊本先輩の家ってお金持ちなんですか?」
「あいつのうちはすごいぞ。めいじのおじいさんがかなりやり手で、第2種魔法使いが使う杖や魔道書の、大量生産に成功させた世界で初めての人だぞ」
「え、じゃあ豊本先輩のお祖父様って、あの豊本グリモステッキ株式会社の、社長なんですか?」
豊本グリモステッキ株式会社とは、第2種魔法使い専用の杖や魔道書を生産する会社である。
クオリティや生産力で完全に他を圧倒し、シェアは世界一である。
特に中国やインドでは独占状態である。人口トップの2国を独占しているのだからそれは強い。
「それなら、豊本先輩にメイドさんがいてもおかしくはないですね」
納得したようすで、また作業を続ける。
「いやいやいや。だとしてもやっぱりメイドさんがここにいるのはおかしいです。百歩譲って角田先輩のメイドさんがいるならまだ分かります。でも、豊本先輩のメイドさんがここにいてどうするんですか! 豊本先輩の側に射ないとダメじゃないですか!」
すると、ずっと目を閉じて黙っていたメイドさんが目を開けて聡美を見ていた。
明らかに学生ではない大人びた容姿だが、まだ若さを十分感じさせる。
肩までギリギリ届くショートヘアーの黒髪は、きちんと切り揃えられて清潔感がある。
そして、またもや聡美よりも素晴らしいスタイルだった。




