説得
闇魔法が流出し、東京のほとんどが昼にも関わらず、真っ暗になってしまった。
警察が大勢出勤していたが、あまりにも魔力が強すぎて、魔法の流出元である彼女の近くにまで行けたのはほんのわずかであった。
『魔法使いのお嬢さん! すぐに魔法の流出を止めて投降しなさい』
「……私もできればそうしたかった。でもどうしようもなかった……」
魔法をきちんと分析すれば、発生源は分かる。
しかし、その魔法が使用者自身の意志で使われているかどうかまでは分からないのである。
彼女は自分を止められるのか、止められたとして自分はこの後どうなるのかと言う2つの不安に押し潰されそうになっていた。
『高橋先輩! ここは言葉での説得をしてみます』
『新人、行ってみるか!』
行き詰まった状況が続いた中、2人の警官が立ち上がった。1人はいかにもベテランだが、1人はかなり若い。
警官の魔法使いは数が少ないため、完全な実力主義であり、若い警官も多い。
『こんなことをしたらお母さんが悲しむとは思わないのか?』
「……お母さんは私を残していなくなったわ……」
『お父さんが悲しむだろう』
「……お父さんはお母さんと離婚してからいなくなったわ」
『兄弟は?』
「……一人っ子よ……」
『友達は?』
「……そんなのはいないわ……」
『先輩……、俺には無理です』
『諦めるな! 他にも何かあるだろう! 新人なのにここに呼ばれているくらいなんだから、高い能力がないのか?』
『自分は、第1種雷属性Bランクです。雷の力を利用して時間を操ることができます』
『じゃあ事件が起こる前に戻ればいいんじゃないか!』
『ですがまだ試用段階で30秒が限界なんです』
『それじゃ意味がないだろう。他に何かないのか?』
『自分は、第1種雷属性Bランクです。雷の力を利用して時間を操ることができます』
『じゃあ事件が起こる前に戻ればいいんじゃないか!』
『ですがまだ試用段階で30秒が限界なんです』
『それじゃ意味がないだろう。他に何かないのか?』
『自分は、第1種雷属性Bランクです。雷の力を利用して時間を操ることができます』
『じゃあ事件が起こる前に戻ればいいんじゃないか!』
『ですがまだ試用段階で30秒が限界なんです』
『それじゃ意味がないだろう。他に何かないのか?』
『自分は、『お前時間戻してるだろう! 何か同じようなことをいってるような気がするぞ!』』
『さすがですね。これは気づかない人は本当に気づかないんですよ』
『誉めなくていい、何かないのか!』
『もうこれしかないです』
『使えねーな。ここはベテランの力を見せてやるよ』
(……楽しそうね……)
こんな時にコントしている2人は余裕か。
因みにベテランの力は意味がなく、しかも面白くもないので、
「割 愛」




