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魔法の才能  作者: 35
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覚醒(ぼうはつ)

「…で、私と秋大の出会いなんだけど……」

「急に現れるから話変わってませんか?」

「……1年前くらいになるかしら……」

「回想入るんですか?」


現在圧倒的な実力を持つ兼田沙理。 

レアな魔法である闇属性は対処や処置が非常に他と異なる。

闇属性の魔法使いはきちんと自制できるまでは、周りの幸福を吸いとって魔力にしてしまう。


本来、第1種魔法使いは魔法が覚醒したらすぐに国の魔法機関に1日保護されて不正に利用しないように規制される。

この機関で規制されると、魔法免許を持たない限り魔法は使えなくなる。

とはいっても使えなくなるわけではなく、魔法を使った際に誰がいつどこで魔法を使ったかが分かるようになるというものである。

魔法は全く同じ魔法でも人によってわずかに効果が異なり全く同じ人は存在しないため、不正な魔法の使用が行われればすぐに分かるようになっている。

逆にいえば、この機関の保護を受けなければ魔法を不正に利用しても誰か特定出来ないということである。

魔法の覚醒は子供の時に起こるため、親に施設への申告義務があるが、悪用するために隠す場合もある。

それでも、その道のプロが見れば分かるが、光魔法と闇魔法は本当に分からないのである。


「……闇魔法は周りの幸福を吸いとってしまうの。それはつまり周りを不幸にするということ。しかも私はかなり高いレベルで目覚めてしまったの。それに私の周りには魔法に詳しい人がいなかった……」


彼女の過去は不幸であった。

とても仲の良い夫婦の一人娘として育った彼女は幼少期は幸せであった。

しかしある日、父親の会社は倒産してリストラ。それを皮切りに、優しかった父親は暴力的になり、それが原因で離婚。


沙理は母親に引き取られたが、母は再婚相手すら見つからず、仕事もまともに見つからない。

父親は沙理と離れたとたんに再就職に再婚と成功。

それを知った母親は彼女を施設に預けて失踪。彼女のそばにいると不幸になると感じてしまったのだ。


施設ですら、彼女は嫌われた。

彼女を引き受けた施設は、次々不幸に見舞われた。

ある施設は、彼女を引き受けたすぐ後に施設が全焼。

またある施設は、彼女以外が施設内で事故に遭い損害賠償の対応で経営出来なくなり潰れてしまう。

3つ目ともなれば、彼女を受け入れる施設すらなくなる。

この時点で彼女は15才。施設の保護すらなくなった彼女はこのまま生きられないはずであった。

しかしそこは闇魔法使い。周りの幸福を吸いとって魔力にする力は底知れなかった。


機関の保護を受けずにひたすら蓄積された魔力。

その闇魔法は遂に暴発してしまったのである。

後にニュースにもなった、『東京大暗黒事件』である。


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