そのころの東魔法学校1 腐食の魔法
「どうも、皆様お久しぶりです、今回のお話は時系列的にスタジアムが襲われたころでしょうか?」
「何言ってるのかな?」
海泉は違う視点で物事を見ているので、ついに同時刻に何が起こっているのかすらわかってしまっている。
それは分かっちゃいけないだろう。
『俺の武器が!』
『せっかく買った道具なのに!』
「おや、何か外が騒がしいですね?」
「何かな~、お祭りかな~」
ちょうど生徒たちの帰宅時間ぐらいになり、生徒会業務もひと段落着いたので海泉と蓮も帰宅しようとする。
すると生徒会室の外から騒がしい音が聞こえた。
帰宅時間で道具ではしゃいで壊して程度かと思ったが、それにしてはちょっと声が緊迫していたし、1人や2人ではなく、大人数で聞こえてきたので、ただ事ではないと思った。
いつも笑顔の蓮がちょっとだけ一瞬真顔になったのに、海泉も驚いていた。
2人が外に出ると、何人かの生徒が何かを抱えて嘆いていた。
「いったい何があったのです?」
「わかりません、なんか急に道具が溶け始めて……」
海泉が1人の生徒が話しかけると動揺しながら答える。
急にメイドに話しかけられたせいで余計動揺しているかもしれない。
彼が抱えていた何か良く分からないものは彼の道具であった。
ほかの生徒にも話しかけるが、皆同じようになっていた。
「海泉さん! 蓮さん! ご無事か!?」
「みんののけんど具が変さなてあべんじゃ。なんが知りませんだな?(みんなの道具が変になっていくんです。何か知りませんか?)」
麻美と紗枝の2人が生徒会室に走ってくる。
「麻美様、紗枝様! お2人の道具はご無事なのですか?」
2人は自分の道具を抱えて走ってきていたが、彼女らの道具はきちんと元の形を保っている。
「海泉ちゃん、私たちの道具も特に異変はないよね」
「あ、はい、問題ないです」
蓮に言われて海泉も自分の指輪を見るが、まったく異変はない。
「これは……、腐食じゃないですか! 誰こんなの流したの?」
「何かそりゃぁ?」
蓮がめずらしく声をあげたのにびっくりして麻美が質問する。
「腐食は第2種魔法使いの犯罪者に対抗するために作られた最近型の魔法です。これを受けた道具は腐って壊れます」
「何でそしたらごどさのらんだが?(何でそんなことになるんですか?)」
「腐食を使うと大量生産品に使われるほとんどの道具の部品が壊されます。少し癖のある道具でも、誰でも使える道具である大量生産品には、ある程度オーソドックスな部品が使われますからほとんど壊されます」
「私たちの武器は秋大様のオーダーメイド品ですから、腐食の対象になる部品が使われていないのですね」
「そのとおりだね。良くも悪くも君たちくせのある能力してるからね」




