レインの狙い
「秋ちゃんお疲れじゃない!」
「……、さすがだわ。でも魔力を使いすぎよ……」
明治と沙理の2人が秋大をねぎらう。
「あんまり出るなよ。危ないから」
「大丈夫でしょ。もう警察が見つけちゃってるよ。消滅希望の効果でスタジアムを覆ってた壁も無くなっちゃってるし、警察が偶然その上を飛んでたからすぐに来るじゃない」
「……、どうやら井上や松本が異変を察してスタジアムの外に早めに出て対応を頼んでいたみたいね。やっぱりあの2人はすごいわ……」
「なんですかいったい。やっぱり会長と明治先輩と付き合ってるからただの第3種魔法使いではないと思ってましたけど。何ですかこの強すぎる技は?」
聡美はようやく正気に戻り、あきれたような顔で秋大に近づく。
「すごいですね。プロの第3種魔法使いでも第2種魔法をここまで使える人はいませんよ。でもありがとうございます。若ちゃん!」
真澄は少し引きながらお礼を言う。聡美と異なり面識がそこまでないため、感謝よりも少し恐怖が出てしまったようだ。
お礼を言った後、グラウンドに向かう。
「あ、そうだった、まーくんも大丈夫かな?」
明治、勝を忘れる。秋大の活躍の説明をしすぎて忘れる。気の毒な勝。
「ククク、仕方ない。まさかここまで徹底しても完璧に対策されるとは……、櫻井さんはやはり完璧だな」
高ノ宮は倒れたまま動けないが、口を開く。
「どういうこと? これだけ大暴れして負けたのに負け惜しみは良くないわよ」
「わー、対して活躍してないくせに偉そうじゃない」
「なんでそうなるんですか! 緊張感のある空気が無くなると隙あらば私の悪口を言うんですから!」
いつもの感じになって、突っ込みつつもちょっと笑顔になっていたりもする。どMか。
「ククク」
「あ、すいません、無視して」
「桜井さんと言うのは俺の上司でレインの仲でもトップに位置する人だ。あの人は邪魔をするとしたら、東魔法学校の人間であると予想していた。今回は東魔法学校の生徒はほとんどが、このスタジアムに来ているという情報がありましたからね。だが、裏を返せば、東魔法学校は今手薄ということになる。だから、普段潰しにくい魔法学校の1つを潰すように動いているはずです。第2種魔法使いを落とす専用の道具を持ってです」
「え! 大変じゃないですか! 角田先輩」
慌てて秋大を見ると、どこかに電話していた。
「電話してる場合じゃないでしょう!」
「うん、うん、お疲れ様です海泉さん。蓮さんにもお礼言っといてください」
「海泉さんに電話? 海泉さんは今確か学校に? 無事なんですか?」
「高ノ宮さん」
聡美が話しかけるのをいったん流して高ノ宮に話しかける。
「あなたのご自慢の桜井さんは、うちのOBが捕まえてくれたそうです」
「な……、なんだと!」
体力のない中叫んだため、そのまま気絶してしまった。
「い、いったい何があったんです! 海泉さんってそんなに強かったんですか?」
「何言ってるの、昨年の第2種魔法使いの学生のトップで、第1種魔法使いにも互角の人なんだよ、そう見えないくらいだらけてるけど」




