秋大の過去
「その道具をどうして角田先輩が持っているんですか?」
聡美が明治に尋ねる。
「秋ちゃんの家は、代々第1種魔法使いや第2種魔法使いを多く生み出している家じゃない」
「やっぱりそうなんですか。そうかもしれないと思ったんですが」
本来第1種魔法使いは完全な先天的なもので、両親が第1種魔法使いであっても子供はそうはならない。
角田家は、そのために多くの家族や親戚を持つようにして、第1種魔法使いの可能性を高くしていた。
第2種魔法使いの能力は、後天的なものなので、それを生かしきるための整備などが整っているため、普通の家よりも第2種魔法使いに関しては、かなり有利になる。
しかし、第3種魔法使いについては輩出しない。
どうしても道具を作るだけの作業は軽視され、優秀な第2種魔法使いがそろう角田家については、オーダーメイドで道具を作らなくても、確実に自分にあった道具を見つけられる。
万が一必要でも、それはプロに作ってもらえばよいのである。
第3種魔法使いはやや日陰者のイメージが強く、角田家はそれを許さなかった。
「だから、秋ちゃんは、第1種も第2種としても魔法の才能が無いことが分かってからは、他の兄弟姉妹と同じ扱いは受けなかったじゃない」
「ひどい話ですね。子供なのに」
聡美も苦労はしていたが、家族には愛されていたし、友人の協力もあった。今も明治含め、ともに戦えるライバルもたくさんいる。
彼らがいなければ彼女は今の自分が無かったと良く分かっている。
それが分かっているからこそ彼女はとても強いのだ。
「でも秋ちゃんは1人でずっと研究だけはしてたんだ。お金を家からもらえないから、専門の勉強は図書館に行ったり、自分の足で調べたり、実験してみたりしてた。そんな秋ちゃんに僕が中学生の時に仲良くなれて、おじいさんが目をつけて研究をできる設備を貸し出したんじゃない」
「2人は中学生からの付き合いなんですね」
「うんそうだよ。僕がちょっとからかわれていたときに助けてくれたのがきっかけ。それもあって、同じ学校に通うための協力もしてもらったんだ。秋ちゃんは頭はよかったから、援助なしで受かってんだ。でもその前からずっと秋ちゃんはとんでもないものを作り出してたじゃない」




