真っ白な予定
最後立ち尽くしただけの採用試験が終わり、もはや形だけの挨拶をかわし帰路についてから1週間。郵便ポストには来るの早すぎじゃねえかという採用通知・・・開けずに捨てようとも思ったが開けてみるとそこには“補欠合格”の文字が!!!
正直、喜べなかった・・・補欠だという事もあったが、連動を必要とする実戦の可能性を試験で示されたからだ。魔法は苦手なんだ。どうせ電話対応ぐらいの部署と高をくくってたらこれだ。だが、仮にでも掴んだ職は無職としては手放せなかった。補欠なのに舞い上がりすぎだと後になったら笑われるだろうなと思いながら俺は久々に自分の魔法と向き合ってみることにした。
『不協和音』学生時代、俺が使う魔法には異名に見せかけた悪口で呼ばれていた。単体だと何の特徴もない平均的な魔法だったが、連動においては最悪だった。連動した相手の魔法を打ち消すという協力する意味を失くすものであったのだ。1人じゃ何もできないくせに他者と手を取り合うこともできないのだ。俺はいつだって集団の前には無力であったし、魔法の実習では二人組組みたがる奴いないし、この魔法のせいで集団に入れなかった。連動魔法なんて普通に生きていくには考えなくてもいい、だが試験を思い返すと頭を抱えた。
俺は魔法が苦手なんだ・・・誰かと一緒にする魔法が本当に・・・
連動の魔法なんて誰が考えたんだ・・・人生の半分以上つき合わされてる悩みと共に夜を迎えた。。。一応、他の求人も探し出した