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第80話 エルフの里に侵入

エルフの村に入り込むことに成功。


「ケインさん。そいつら人間でしょう?何故入れているのですか?」


しかし門番的な人に捕まった。


「うちの娘の恩人でな。軽くもてなすことにした」


「・・・・・・」


門番的な人が、警戒心を露わに睨みつけてくる。


「・・・良いでしょう。だが人間。妙な真似をしたら・・・分かってるな?」


分かりましぇぇぇぇぇん!!と言いたいが、言ったら駄目だと思うので言わない。


村の中には、沢山のエルフが居た。が、何故か俺を見ると小さく悲鳴を上げて建物内に慌てて入っていった。


俺達、ではなく俺、である。俺が一体何をしたというのか。システィアもエルフじゃないんですけど。どうして俺だけそんなエイリアンみたいな扱いをされなければならないのか凄く不思議。


「母さん、キリナが帰って来たぞ!」


キリナの家についたようで、キリナのお父さん、ケインと言うらしい、が家の中に呼びかけた。


「本当!?キリナが帰って来たの!?」


家の中から綺麗なおねーさんが出て来た。母親らしいが、流石エルフ、若々しい。というか美人ですね。全然キリナとタイプが違うんですけど。アホっぽい見た目のキリナと儚げなお母さん似てないんですけど。父親の血か・・・


「お母さん!ただいま帰りました!」


「ああキリナ、よく無事で・・・ってきゃああああああ!!?な、何で人間が!?」


なんか俺を見るなり叫びだしたんだけど。泣いて良いかな?


「あ、あなた・・・」


「大丈夫だ母さん。この二人はキリナを助けてくれたらしい。警戒を解いて良いわけじゃないけど、ひとまず安心して良い」


「でも私、怖いわ・・・」


「大丈夫、僕が守るから・・・」


いきなり寸劇始まったんだけど。なんだか見ててイラっと来ました。


「キリナ。お前の両親は、いつもこんななの?」


「はい?こんなってどういう事ですか?」


「ああ、分かったら気にしなくて良いよ」


こんなに大きい娘がいるのにイチャイチャしているのか・・・。夫婦仲が良いのは素晴らしい事だと思うけど、ちょっと痛々しいですね。美男美女だからギリ許せるけど、これで俺の親みたいな見た目だったら見てられないよ。


・・・そういえば、いきなり息子が居なくなって両親はどう思っているんだろうか・・・。元々あまり関わりが無かったから、俺が居なくなってもそんなに気にしてないか・・・


「師匠!家に入ってください!お茶を用意しますから!」


「ご両親は良いの?」


なんかまだイチャついてるけど。


「大丈夫ですよ!お父さん達、ああなったら暫くあのままなので!何を言っても上の空なんですよー」


「そうか・・・」


自分達の世界にのめり込んでるのか。好きにすれば良いと思うけどね。


「じゃあお邪魔します」


「お邪魔します」


「はい!」


システィアと一緒にキリナの家に入る。キリナの両親は言われた通り放っておく。


「エルフの家ってこんな感じなのか・・・」


木製の家具が多い。


それ以外の感想?別に無いですけど・・・


「やっぱり自分の家は落ち着きますね!師匠!」


「そだね」


俺の家ではないから俺は落ち着かないけどね。


「師匠、システィアさん!椅子に座ってください!お茶を持ってきます!」


「ああ、ありがとう」


大丈夫か?キリナちゃんとお茶を用意出来るのか?心配しかしない。


「システィア。取り敢えずエルフの侵入出来たわけだけどさ」


「侵入って言い方やめなさい」


「やっぱり怖がられてるよな俺達」


「アキラだけじゃなかった?」


「そんな事ない」


あれだから、俺の方が背が高いから目立ってたんだよきっと。決して俺だけが怖がられるわけじゃない。はず。


「ししょー。コップって何処にあるんでしたっけ?」


キリナが声をかけてきた。


「俺が知るわけないよね」


「うーん・・・何処にあるんでしょうか・・・」


自分の家の道具の位置を把握してないのか・・・。流石キリナだぜ!


「お母さーん!コップって何処にあるんでしょうか!」


「あ、そこの棚よ」


「えっ」


気付けばすぐ隣にキリナの母親が立っていた。いつの間に!?


「あ、ありました!」


「キリナ大丈夫?ちゃんとお茶を淹れられる?」


「大丈夫です!お母さんがやってるの、いつも見てましたから!」


「火傷しないようにな?何かあったら、すぐお父さんに言うんだぞ?」


「はい!」


気付けばキリナの父親もキリナのすぐ隣に立っていた。この両親、瞬間移動でも出来るのだろうか・・・。家に入ってきたの全く気づかなかったんだけど。


というかキリナ。見て淹れば出来るようになると思ったら大間違いだからな。


「さて、アキラさんにシスティアさん?詳しく話を聞かせてもらえないかしら。どうしてこの里の場所が分かったのか」


「そうだな、聞かせてもらおう」


キリナの両親が目の前の席に座り、微妙に険しい目で質問してくる。


「キリナに案内されたとは思わないんですか?」


「あの子が里の場所を分かるとは思えないからな・・・」


「そうですか・・・」


流石ご両親。キリナの事をよく分かっている。


「それで、どうやってこの里に来たんだ?」


「スキルの力です」


「スキル?」


「はい」


「何のスキルなんだ?」


「それはちょっと言えないです」


逃走本能のことは言えない。秘密主義だからね。


「まあ、そのスキルのことはどうでもいい。問題は、人間がこの里の場所を知ったということだ」


「と、仰ると?」


「お前達二人以外の人間は、この里のことを知っているのか?」


「さあ?多分知らないんじゃないですか?」


「お前達は教えてないんだな?」


「はい」


「そうか・・・」


キリナの父親がほっとしたような表情になる。


「では、今ここで誓え。他の誰にも、この里の場所は教えない、と」


「誓います」


即答する。


「・・・やけにあっさり誓うんだな」


「俺はこの里の人達に、不利益を被らせるつもりは無いので」


俺はエルフに好かれたいのだ。下手な真似をして嫌われたくない。


「そっちの女は?」


「私も誓います」


システィアも即答する。ここで誓ってくれなかったらどうしようかと思ったけど、システィアだから問題無かった。


「そうか・・・なら、俺達も安心出来る。だが、この里の者は人間に良い感情を持っていない。他の者とは、出来る限り関わらないようにしろ」


「分かりました」


がっつり関わるつもりですけどね。言われたこと守るつもりありませんけどね。


「ししょー。これ、どうすれば良いんですか?」


キリナから声がかかった。


「これって何?」


「何だか変なのができたんですけど・・・」


「何してんのキリナ!?」


見てみると、謎の物質を錬成していた。どうやって作ったんだあれ。


「お茶を淹れてたら、こんなのができちゃって・・・」


「化学者でもそんなの簡単には作れなさそうなんだけど」


何でお茶を淹れたら謎の物質を作れるんだよ。見るからに身体に悪そうなんだけど。


「師匠、試しに食べてみます?」


「お前は俺を殺す気か」


何でそんなのを人に食べさせようと思ったのか。実はキリナって俺のこと嫌いなんだろうか。


「全くキリナ、またそんなの作ったのか。それ食べたら死ぬから、捨ててきなさい」


「マジで死ぬのあれ!?」


キリナの父親が恐ろしいことを言っている。マジでどうやって作ったんだあれ・・・


「分かりました、捨ててきますね!」


「気をつけるんだぞ?寄り道しないようにな?」


「分かってますよ!心配しないでください!」


キリナは謎の物質を持って、家の外に出て行った。


「キリナが失敗したし、母さん、お茶を淹れてくれないか?」


「ええ」


キリナの母親がお茶を淹れに行った。


「暫く待っててくれ。すぐにお茶が入る」


「はい」


少なくとも、このご両親は割と好印象を俺に持ってるみたいだな・・・。愛娘を助けたんだから当然か。


が、ここで気付いた。


「・・・あん?」


遠くから、声が聞こえる。


「おいキリナ、お前帰ってきたんだな。もう死んだと思ってたぜ」


「帰って来なければよかったのにな!お前の父上の為にも!」


「何でもお前、人間に助けられたんだって?恥ずかしくないのかよ!」


・・・・・・。


「ちょっと行ってくる」


「え、アキラ?」


何だか不穏そうな様子だ。一応、見に行こう。


声のする場所へ、急いで向かった。

英語のタイトルの方がかっこいいと思ってたんですけど、何だか最近日本語の方がいいんじゃないかと思えてきました。もしかしたら、またタイトル変えるかもしれません。

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