第8話 メイドさんとの特訓
全開説明し忘れていた各天職の能力値の差について説明します
「甘い!」
「がはっ!」
ステータスの説明を受けた後、俺は王宮の裏庭でシスティアから剣の特訓を受けていた。
「ちくしょう・・・」
「ふーん。動きは悪くないわね。フェイントにも引っかからないし、教えたことはすぐモノにし、弱音を吐かず、向上意欲も高い。本当に非戦闘職なのが残念ね」
手も足も出ないとは・・・。
「でも剣の使い方がなってない。まあ初心者みたいだし、当然よね。寧ろ初心者にしてはおかしいくらいだし」
褒められているが、全然嬉しくない。だってこの人、よそ見しながら悠々と相手するんだもの・・・。
「身体動かねえ・・・」
「あ、『ヒール』」
身体の痛みが消え、動かせるようになる。
「治癒魔法使えるのか」
「初歩的なのだけだけどね」
それでも凄いと思う。魔法を一つ覚えるのも大変らしいし。
「ていうか、なんでいきなり打ち合いなんだよ。他の奴らは素振りから始めてるぞ?」
他の連中は修練場で素振りから始めてるのに、俺はなぜかいきなり打ち合いである。魔法職の奴らは魔法の勉強をしてるが。
「そうしようかと思ったけど、アキラには必要なさそうだったからね」
「それは喜ぶことなのか?」
「ええ。喜んで小躍りしていいわよ」
誰がそんなことするか。
「そういえば聞き忘れてたけど、魔法職と戦士職で能力値はどう違うんだ?」
「戦士職はMPとINTとDEX以外が高く、魔法職はその逆ね」
大体予想通りだな。
「魔法剣士と非戦闘職は?」
「大体平均的ね。魔法剣士はレベルの割にはステータスが軒並み高いけど」
魔法剣士優遇され過ぎじゃね?
「そうか・・・よし、じゃあ帰るか!」
意気揚々と部屋に向かう。だが、
「待ちなさい。どこに行くつもり?まだ訓練は終わってないわよ」
システィアに捕まった。
「え、まだやんの?」
痛いのはもう嫌なんだが。
「当たり前でしょう?それにこの訓練は、痛みに慣れたり精神的に鍛える訳でもあるのだから。非戦闘職が残念なのを知って落ち込んでるんだから、それに耐えるためにも精神的に強くなるのよ」
「でも最初だし、もうちょっとゆっくりやりたいなーって」
「人の三倍以上努力しなくちゃいけないんだから、そんな甘いこと言ってらんないわよ。さあ、再開するわよ」
システィアが真顔になって来た。超怖い。
「・・・ふ、痛い目みたくないなら、やめておいた方がいいぜ?お嬢ちゃん?・・・あ、ごめんなさい嘘です。え、何剣振りかぶってんのシスティア。うわああああああああ!?」
その後、しばかれる、悪い点を指摘される、治療、またしばかれるというのを日が完全に暮れるまで繰り返した。多分あれだな、システィアはSだ。
多分次からアキラのチート化が始まります