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第73話 正直システィア汚い

「あ、やっと来たわねアキラ。全く、今まで何してたのよ。もうパーレンダーティは全滅したわよ?」


キリナと共に都市の外にいるシスティアの元へ向かうと、出会って早々そう言われた。


「聞きましたかキリナさん。命懸けで戦ってきた人に向かってこの言葉ですよ?どう思います?」


「酷いですよーシスティアさん。師匠頑張ったんですから!」


「え?何の話?命懸けってどういう事?」


システィアがキョトンとしている。


「色々あって死闘を繰り広げてきた。以上説明終わり」


が、まともに説明する気は無い。だって、面倒だから。


「説明する気無いでしょう?」


「よく分かったな凄いね!」


システィアが何だこいつ・・・と言わんばかりの目で俺を見てくる。昔こんなふざけた態度を取ったら訓練で酷いくらいしごかれたものだが、『範囲誘導』を得た今では攻撃は当たらないと分かっているため、何もしてこない。ちょっと寂しいかなって思います。


「まあ俺の事はどうでも良いんだよ。それよりシスティア、それは良いの?」


「それって何よ」


「いや・・・その格好のことなんだけど・・・」


システィア、恐らくパーレンダーティのモノ何だろうが、服は勿論顔にも返り血やよく分からないどろどろしたものが大量に付着している。髪にも結構な量が付いていて、折角の綺麗な銀髪が酷いことになっている。


「ああ・・・そのうち洗うから良いのよ」


「そうか・・・」


俺だったら一分一秒でも早く全力で洗い流すけど・・・。まあ本人がそれで良いなら、俺は何も言うまい。


「じゃあ次の話。あれ、誰が処理すんの?」


「あれって何よ」


「パーレンダーティの死体の数々」


当然の事ながら、戦場であった都市の外にはパーレンダーティの死体が山の様に転がっている。何だか人も何人か転がっている様な気もするが、見なかったことにしておこう。


「物凄い悪臭がするんだけど。昔の俺なら気絶してる気がする」


生き物の死体って物凄く臭いんだよね。ただ死んでるんじゃ無くて、血とか臓物とかブチまけてるからな。それはもう酷い惨状である。何人か吐いてるし。


それにしても・・・何故か最近、あまり臭いに対して敏感じゃ無くなってきたんだよな・・・。俺のDEXはやっぱり嗅覚も鋭くなるので、昔の俺はちょっと血の匂いを嗅いだだけで吐きそうになったり実際に吐いたりしていたのだが、ある時から何故かあまり臭いを感じなくなってきて、今ではどんな臭いでも基本ノーダメージとなっている。何でだろ、凄く不思議。


「ああ・・・そのうち誰かが片付けるんじゃないかしら」


「自分が一番ぶっ殺しておきながらその適当さ、流石っすシスティアさん。俺も見習いたいです」


パーレンダーティは五千体くらい居たって話だが、バトルジャンキーのシスティアは三百体くらいは殺してると思う。こちらの人員が六千人くらい居る中でそれだけ殺したら、まず間違いなく殺戮数MVPである。それなのにこの図太さ、さっすがシスティア!


「ちょっとアキラ、何で戦っているところを見ていないのにそう決めつけるのよ」


「じゃあシスティア何体殺した?」


「さあ・・・?千体くらいじゃないかしら」


余裕で俺の予想の上をいった。マジパないっすシスティアさん。まあシスティアの火力の高さはよく知っているので、今更驚いたりはしない。


「やべぇよあの人・・・」


・・・ん?何やらこちらを指さして何か言っている奴がいるな。ちょっと耳を澄まそう。


「ほんとにやべぇよあの人。一人で半分くらい殺してたぜ?本部からシスティアさんの噂は聞いてたけど、マジでバケモンじゃねぇか・・・」


・・・・・・・・・。


「どうしたのよアキラ。いきなり真顔になって」


「いや、何でもない」


・・・うん。これはシスティアさんすげぇぇぇぇ!!ってなるところなんだ。決してドン引きするところじゃないんだ。そう思っておこう・・・


「じゃあこれからどうする?俺はキリナを連れて宿に戻るつもりだけど、システィアは?」


「私もそうするわ。やっぱり、この格好のままだとあまり良い気はしないから・・・」


返り血塗れですからね。一緒にいる俺としても、臭いし汚いし見た目的にもよろしく無いのでさっさと洗って欲しい。


「あ、じゃあシスティア。俺が魔法で水ぶっかけてやろうか。今ここで出来るぞ?」


「遠慮しておくわ。そんな事されたら馬鹿にされる気がするから」


「システィア俺を何だと思ってんの?」


何で水かけたら馬鹿にするんだよ。そんなに俺が酷い奴だと思っているのか。


「何かあればすぐ馬鹿にしてきてデリカシーの欠片も無い人」


「えー・・・」


システィア、俺の事そんなふうに思っていたのか・・・。まあ俺の普段の行いが悪いんですけどね。


「じゃあさっさと宿に戻るか。キリナも行くぞー・・・ってキリナお前、何見てるんだ?」


何故かキリナは、真面目な顔をしてパーレンダーティの死体を見ていた。そして口を開いた。


「師匠。あれ、食べれるんじゃないでしょうか」


「キリナそれ本気で言ってる?」


パーレンダーティは、見た目が非常に気持ち悪い。どのくらい気持ち悪いのかというと、もしお茶の間に放映したら間違いなくクレームの嵐が巻き起こるだろうと確信出来るくらいには気持ち悪い。恐らく吐いている人の内の何人かは、その見た目の気持ち悪さによって吐いているに違いない。俺も臭いではなく見た目で気分悪くなったし。


そして誰がどう考えたってそうだが食用ではない。誰かが味見だけでもしたなんて話すら聞いたことが無い。


「私はいつだって本気ですよー?食べ物を無駄にしちゃいけないじゃないですか!」


「俺はアレを食べ物だと認めたくない。行くぞキリナ」


「えー・・・折角食べられそうなのに・・・」


やべぇよやべぇよ。エルフの食生活マジでやべぇよ。俺、エルフと仲良く出来るか心配になってきた。流石にパーレンダーティを嬉々として食べる様な人とは、仲良く出来る気がしない。


「キリナ、パーレンダーティには毒があるのよ?」


「じゃあ駄目ですね!」


意見撤回すんの早っ!

ちなみに何で水瀬君の嗅覚が変になっているのかというと、ただ単に強烈な臭いを嗅ぎすぎたせいで感覚が麻痺したからです。

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