第7話 メイドさんの講義2
思ったより早く書けました
「じゃあステータスについて説明するわね」
システィアが帰ってくると、講義が始まった。
「まずステータスを開いてみて」
「分かった。ステータスオープン」
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水瀬明 (みなせあきら) 16歳
罠師 レベル1
HP5
MP3
攻 2
防 3
魔攻2
魔防3
速5
精度10
スキル
罠作製 罠設置高速化
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・・・うん。なんと言うか微妙だ。
「開いたわね。とりあえず、アキラの天職は何?」
知らなかったのか・・・。答えたくないなぁ。
「言わなきゃダメ?」
「駄目に決まってるでしょう?」
ですよねー。
「・・・罠師」
「罠師?随分珍しい天職ね」
珍獣を見るような目で見てくる。照れるぜ。
「罠師か・・・アキラが嫌われている理由がよく分かったわ」
嫌われている理由はそれ以外にもあるけどな。
「そんなに駄目なの罠師って?」
ここまで言われると流石に傷つくんだけど。
「罠師というか非戦闘職が駄目ね」
そんな感じのこと騎士団長の野郎もいってたな・・・
「なんで駄目なんだ?」
「戦いに向いてないからよ」
それは言われなくても分かる。『非』戦闘職だからな。
「なんで向いてないんだ?」
罠師って、名前だけ聞けばそこそこ戦えそうなんだけど。
「理由は二つあるわ。一つ目は、戦闘用のスキルを使えないからよ」
スキルか。一応俺も使えるみたいなんだけどな,
「ちなみにスキルとは?」
「基本任意で発動する、実際であればあり得ない技のことよ」
なるほどねぇ。予想通りですわ。
「俺も『罠作製』とか使えるけど、戦闘用のとなにが違うんだ?」
「全然違うわよ。『罠作製』はただ罠を作るだけだけど戦闘用のは、一時的に運動能力を爆発的に高めたり、とんでもない威力で剣を振るったり出来るわ」
何それ憧れるんだけど。
「一つ目の理由はよく分かった。二つ目は?」
これ以上デメリットがあるとか泣けてくる。俺だって格好良いスキル使ってみたいです。
「戦闘職に比べレベルアップにとんでもなく経験値が必要なことね」
「どれくらい違うんだ?」
「個人差はあるけど、同じ魔物を倒しても戦闘職の3倍は必要ね」
何それ絶望するんだけど。あんまりだと思う。
「そうか・・・。非戦闘職と戦闘職で同じレベルの場合、能力値に差はあるのか?」
倍近くあるとか言われたらどうしよう。
「魔法職か戦士職かで各種能力値に差はあるけど、平均的には差は無いわ」
そうか・・・。なら、
「他の奴らの3倍以上頑張ればいいんだが・・・それは事実上不可能だよな」
騎士団長が他の奴らを煽ったせいでモチベーションが上がってるからなぁ。
「まあでも安心しなさい。戦い方は私が教えてあげるから」
「システィアが?」
メイドで大丈夫か?こんな身体細いのに?
「忘れたの?これでも騎士官学校で最強だったのよ?」
あー、完全に忘れてた。
「なら、少しは安心だな。そうだ、スキルって増えるのか?」
正直この2つだけじゃどうしようもないんだが。
「スキルはレベルが規定値に上がると増えるわ。でも人によっては、特殊なスキルを覚えたりする。これはユニークスキルと言われているわ」
「じゃあ俺も戦闘用のスキル覚えたりするのかな?」
「覚えるかもしれないけど、可能性はかなり低いわよ?数千人に一人しか覚えない上に、当たり外れもあるしね」
そうか・・・。でも、少し希望が湧いてきた。
「あ、そうだ。システィアの天職ってなんなんだ?」
「魔法剣士。戦闘職の中でもトップクラスの天職ね」
「何それズルい」
世の中不公平だなと思いました。
次は明日でしょうか