第66話 俺の日常
何とか宣言通り今日投稿できました。滅茶苦茶疲れましたけど。
「うわぁ!デートですかね!」
何故かキリナは楽しそうにしている。
「・・・そんなわけないだろ。あのシスティアが、そうそう恋人なんて作るかよ」
そうだ、あのシスティアが恋人なんて作るはずないんだ。だって、システィアだぞ?あの、愛想が悪くて、容赦がなくて、意外と警戒心が高いシスティアだぞ?
俺にだって、一応最初から仲良くしてくれてはいたけど、本当に心を開いてくれたと感じるまでには三ヶ月位かかったシスティアだぞ?この都市に来てからまだ一週間、恋人どころか友人だって作れるかどうか怪しい。
いやでも、システィア可愛いし・・・優しいし、気がきくし、普通に考えたらモテるよな・・・。普段は凛とした立ち振る舞いだけど結構初心だし、ちょっと口説かれたら割と心を動かされるのかもしれない・・・
・・・本当にデートなのか?だったらどうすれば良いんだ?応援すれば良いのか?割り込んでいけば良いのか?でもそれでシスティアが怒ったら?・・・くそっ、どうするのが正解なんだ?分からない・・・
「ーーーーー師匠!聞いてますか?」
いきなり、耳元から大声が聞こえてきた。
「あっ・・・。悪いキリナ、何だ?」
「何だじゃないですよ!無視するなんてひどいです!」
いや、無視したのではなく聞こえていなかっただけなんだが・・・。俺が、この五感が極めて鋭い俺がすぐ隣で呼ばれていたのに気づかなかったのか?・・・まあ、それは良いとして。
「それで、何だキリナ」
「デートの邪魔したら悪いですから、猫ちゃんの別荘に行きましょう!」
「いや、まだデートって決まったわけではないだろ」
そうだ、まだデートと決まったわけではない、もしかしたら、今現在進行形でナンパされてるだけかもしれない。
「あいつらの会話が聞きたいから、近づいて聞いてくる」
「近付いたら、気づかれちゃいますよ?」
あの二人の周りには、身を隠せるような場所は無い。
「問題無い。俺には『隠蔽』があるし、ある程度近づければ俺の聴力なら聞こえる」
スキル『隠蔽』。指定された物、人を認識させづらくするスキルだ。動いていると効果は薄くなるが、俺の高いレベルなら近付いてもそうそう気づかれないはずだ。
・・・まあ、システィアなら『隠蔽』を破って気づくかもしれないが、俺は今システィアの後方にいるから気づかれにくいはずだし大丈夫だ。イケメンはこちらを向いているが、レベルが低そうだから問題無い。何より、俺の馬鹿みたいに高いDEXによって磨かれた聴力なら、離れていても聞き取れるため、あまり近づかないから俺を認識するのは困難だろう。
「じゃあちょっと行ってくるから、キリナはここから動くなよ」
「分かりました!」
『隠蔽』を発動し、システィアの近くへ向かう。・・・よし、ここなら聞き取れる。・・・どんな会話をしているんだ?もしこれで、恋人同士のような会話をしていたら・・・。俺は一体、どうすれば・・・
「ーーーーーどうしてですかシスティアさん!僕では駄目なんですか!」
「・・・ごめんなさい。貴方とは付き合えないわ」
そして、そんな会話が聞こえてきた。
・・・ん?これは、この会話の一つ前にイケメンが告白して、システィアがそれを振ったということか?つまり、二人は恋人同士ではない?
・・・はは。ははははは!やっぱりな!システィアに恋人が出来るなんてあり得ないと最初から分かっていたさ!動揺する必要なんて微塵も無かった!やっぱりシスティアはシスティアだ!
「どうして・・・」
「悪いけど、私は貴方のことをよく知らないし、そもそも貴方のことは好きじゃない。だから、付き合えないわ」
くはははは!マジザマァ!お前如きじゃシスティアには釣り合わねぇんだよ!
「これから好きになっていけば良いじゃないですか!」
「・・・悪いけど、それは無理よ。私には、一緒に居てあげなくちゃいけない人がいるから」
え、誰?もしかして俺だったりする?だとしたら嬉しいんだけど。
「口は悪いし、暴力的だし、人をすぐからかうし、行動が突発的で意味不明だし、発想がおかしいし、かなり強引なところがあるけど・・・」
・・・うん。俺っぽいけど・・・。なんか悲しくなってきた・・・。俺、そんな風に思われてたんだ・・・
「・・・いや!はっきり言ってその人クズじゃないですか!システィアさんが一緒にいる必要ありませんよ!寧ろ、すぐに別れたほうが良いです!」
クズって、クズって言われた・・・
「だけど」
そこでシスティアは、一度言葉を切ってから、
「優しくて、一緒に居てすごく楽しい・・・。そんな人がいるから・・・」
そう、言った。
「・・・そうですか、分かりました。システィアさん、今まで迷惑をかけて、申し訳ありませんでした」
そう言って、イケメンは去っていった。
「・・・はぁ」
システィアはため息をついた後振り返り、こっちに歩いてきてーーー
「あっ、やばっ」
「・・・アキラ?」
俺の存在に気づいた。
「ようシスティア!元気?」
「な、何でアキラがここに・・・」
物凄く動揺していらっしゃる。見てて愉快だが、今はそれを悠長に楽しんでる場合じゃない。
「いやーそのですねー?キリナと一緒に歩いていたら、偶然にもシスティアさんが居ましてねー?ここで様子伺ってました!」
「・・・聞いてたの?さっきの会話」
「残念ながら、よく聞こえませんでしたねー」
取り敢えず嘘をついておく。聞かれたくない会話だったと思うし。
「嘘をつくのはやめなさい」
「すみません聞いてました」
俺がそう言うと、システィアは顔を赤く染め上げ、顔を覆った。というかシスティア恐っ!今の気迫かなり恐いんだけど!
「〜〜〜っ!何で聞いちゃうのよ・・・」
システィアさん涙目。あらやだ可愛らしい。
「まあシスティア、気にすんなよ。世の中辛いことばっかりさ」
「元凶には言われたくないわね・・・」
えー。元凶って酷くない?
「まあ、聞かれたものは仕方ないわね・・・」
「そうだめげるな!それでこそシスティアだ!」
折角励ましたのに、何故か白い目で見られた。解せぬ。
「ところで、キリナは?」
システィアが何かに気づいたように声を上げた。
「ん?そこに居るけど?」
キリナが待機していた場所を指差すが・・・
「あれ?居ない」
何故かキリナはそこに居なかった。これはまさか・・・
「アキラ!今すぐ『索敵』で探しなさい!」
言われた通りに『索敵』を使ってキリナを探す。あ、居た。居たけど、5キロ近く離れた所に。つまり、俺の『索敵』の範囲の限界付近に。そして今、俺の『索敵』範囲内から外れた。
「何でそんなとこにいんだよぉぉぉぉぉ!?待ってろって言っただろうがぁぁぁぁぁ!!」
キリナのいる方向に向かって全力疾走。何度目だこれ。
「ちゃんと見てなきゃ駄目じゃない!」
システィアも走って追いかけてきた。
「ごめん!システィアの会話聞いてたら、キリナに意識いってなかった!」
「気をつけなさい!」
「ホントごめん!」
システィアと共に全力疾走。その回数、かなり多いです。騒がしくて慌ただしいが、結構楽しい。
ただ、非常に疲れるのが玉に瑕なんだよね。だけどそれも含めて、俺の楽しい日常なのであった。
何となく最終回っぽい気がしないでもありませんが、全然余裕でまだまだ続きます。
次話はモブ達の話です。桐生さんがひたすらイラついてモブがひたすらビビりまくります。
あとどうでもいいんですけど、「風邪」って、風に邪悪の邪とか使われてる漢字中二っぽくないですか?




