第63話 俺ってめんどくさい奴じゃね?
超久しぶりの更新。何でこんなに時間がかかったんですかね。大した量じゃないのに・・・・
「やっべどうしよう。予想以上に美味しくない」
「ちゃんと全部食べなさい。残すのは駄目よ?」
えっとですねー?今飲食店来て飯食ってます。
「何の肉だよこれ・・・滅茶苦茶噛み切るの大変なんだけど」
「考えたら駄目よ。多分毒ではないと思うから」
「そういう問題?」
俺が食べてるのは、米的な何かの上に何らかの肉をよく分かんない衣で揚げたのとレタスの様な野菜を乗せたのです。要はカツ丼みたいな感じ。何の肉かは知らんけど。
え?焼肉?残念ながら焼肉を食べれる店は無かった。仕方ないのでその辺にあった飲食店で食ってる。
「この野菜も不味いし・・・何の野菜だよこれ異様に硬いんだけど。ゴリッ、とかガリッ、とかバキャッとかって音がするんだけど」
「考えたら駄目よ。食べても死なないとは思うから」
「決してそういう問題じゃないと思うのは俺だけなのだろうか」
適当に店を選んだんだが・・・失敗した。物凄くご飯が美味しく無いです。何であんな大物感がある料理人が作った飯が不味いんだよ・・・。見た目だけなら一流のシェフなのに・・・
っておいシェフ。何だそのイイ笑顔とサムズアップは。全然美味しくないからなこのメシ。修行し直せ。
「それにしても、よくそんな薄味なのに食べられるわね・・・」
「前にも言ったけど、俺にはこれがちょうど良いんだよ。システィアが食べてるのを俺が食べたら、確実に吐くな」
俺は滅茶苦茶薄味の料理を食べている。システィア曰く、もはや味が感じられない、という程までの薄味料理を食べている。
それでも俺は、味をばっちり感じて食べることが出来る。何故なら、レベルを上げまくったからだ。
え、意味分かんない?だろうね。説明すると、まず俺レベル上げまくったじゃん?アホみたいなセコイやり方で。今ステータスはこんな感じ。
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水瀬明 (みなせあきら) 17歳
創造罠師 Lv47
HP3019
MP2783
STR2569
VIT2697
INT2341
MDEF2632
AGI3211
DEX7328
スキル
罠作製 罠設置高速化 罠回収高速化 鑑定
罠合成 逃げ足 索敵 隠蔽 遠距離設置
逃走本能 幻影 誘導 並立思考 範囲誘導 罠即時設置
罠即時回収 罠創造 戦線離脱
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んー、レベル上がってないか・・・。まあ、このくらいまで上がってくるとちょっとやそっとじゃレベル上がらないんだよね。ま、それは置いといて・・・
見てみれば分かるけど、DEXだけ異常に高いだろ?DEXは、つまり器用さ、感覚の鋭さを表してるんだけど・・・。感覚っていうのは五感のこと。その中には味覚も入る訳で・・・
DEXが高いということは、味覚も鋭くなる。よって、薄い味でも明確に感じる。
おかげで他の人と一緒のご飯を食べれなくなったZE!普通のジュースも水で5倍くらいに薄めないと飲めないZE!今もこのカツ丼みたいなやつにはソースをかけるんだけど、水で薄めてからかけたZE!
どうしよう、凄く不便・・・
まあ慣れましたけどね。にんげんのてきおうのうりょくってすごいなあと思いましたまる。
「師匠!このご飯、凄く美味しいです!」
吐き気と戦っている俺と微妙に涙目になっているシスティアに対し、何故か美味しそうに食べてるキリナ。
「キリナ、よくそんなの食えるな。滅茶苦茶不味そうなのに」
「いえ、美味しいですよ?」
マジで?テレビに映したら放送事故って言われそうなくらいには酷い見た目なのに?・・・ふむ。
「システィア、一口食ってみてくれ」
「嫌よ」
拒否された。
「何で?もしかしたら、美味しいかもしれないじゃん?」
「だったら自分で食べなさい」
「嫌だよ俺まだ死にたくない!」
「私だって死にたくないわよ!」
チッ、大人しく食べればいいのに・・・。よし。
「じゃあシスティア。食べないと今度からシスティアの荷物は自分で持ってもらいます」
システィアの荷物、着替えとか日用品とかは、全部俺の『アイテムボックス』の中に全部入れている。手に持つには大変な量であり、システィアが重いから入れてというから、仕方なく入れてやっているのだ。
「くっ、卑怯ね・・・!」
「ふはははは!何とでも言うがいい!」
何となく悪役気分。やってることかなりしょぼいけど。
「仕方ないわね・・・。キリナ、少し貰っていい?」
「良いですよー」
システィアは観念したのか、大人しくキリナから一口分だけ貰い、それを口の中に入れーーーーー
「っ!?」
舌に触れさせた直後に勢い良く飲み込んだ。
「おぇっ・・・・・」
物凄い表情になっており、せっかくの美人が台無しである。相当不味かったんだなアレ。吐くのではなく飲み込んだ辺り、食べ物を大切にする精神が伝わってきて好感が持てます。
「システィア、感想は?」
「アキラ、許さないから・・・」
味の感想を聞いたら、何故か怨嗟の声を返された。解せぬ。
「キリナ、よくこんなの食べれるわね・・・」
「美味しいですから!沢山食べれますよ!」
割と不味いものでも黙って食べるシスティアが、ここまでの反応を見せる料理を美味いと感じる・・・。味覚ぶっ壊れてるのかな?いや、キリナってエルフだし、もしかしたら味に対する感覚が俺たちとは違うのかもしれない。
「この不味い料理が、今では美味しく感じるわね・・・」
システィアは、自分が頼んだ料理を複雑そうな顔をしながらもパクパクと食べている。さっきまで涙目で不味そうに食べてたのに。どんだけまずかったんだよキリナの料理は。
その後、量だけは無駄にあるクソ料理を黙々と食べ続ける。
「・・・よし、ようやく食べ終えられた」
このクソ不味い料理を何とか食べきった。水って偉大。飲み込む時便利だね。
「学生時代に無理やり食べさせられたゴブリンの肝臓も、今なら美味しく食べれそうね・・・」
システィアが疲れた顔をして呟いた。
前にも聞いたことあるけど、システィアってかなりヤバイ人生送ってる気がする。ゴブリンって食用じゃないだろ。何でそんなの食べさせられてんの?まあ、想像つくけど・・・
うん、やっぱり俺の野望というか目的は、果たした方が良いな。
「よし、軽く休憩したらやるぞ」
と言っても今はどうしようもないし、やれることをやろう。
「やるって何をよ」
システィア何言ってんの?食事前に話したこと忘れちゃったの?
「そんなの決まってるだろ。ごみ掃除だよ」




