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第61話 ストレスで禿げそう

Fateの新作とか色々発表されましたね!EXTELLAにEXTRAのアニメにヘブンズフィールの映画!凄く楽しみですね!








あれ?月姫リメイクは?

拝啓 父さん、義母さん、縁へ。


いきなり行方不明になってごめんなさい。俺は今、異世界にいます。魔王を倒してくれと言われて、日々訓練に明け暮れています。


出来れば元の世界に帰りたいんだけど、方法が全く分からないのでどうしようもないです。ミルフィさんに聞いても分かんないっていうし、お手上げです。多分、もう会うことはないんじゃないかと思います。


父さん。姉さんに続いて、俺まで突然行方不明になってごめんなさい。


義母さん。たった3年くらいだったけど、一緒に家族として過ごせて楽しかったです。


縁。折角仲良くなれたのに、もうお別れになってしまって本当にごめん。お義兄ちゃんは縁の幸せを願っています。


俺はこれから死にに行きます。恐らく、助かることはないでしょう。でも、俺は幸せでした。優しい家族が居て、アホだけどかっこいい友人が居て。とても楽しかったです。


最後に、俺をこれまで育ててくれて、ありがとうございました。病気に負けず、長生きしてください。


佐藤拓郎より。














あ、そういえば縁。お前アキラに好意持ってたっぽいけど、諦めてください。桐生さんが強敵過ぎます。勝ち目無いです。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


と、いう遺書を書こうかなと不意に思った。


何故そんなことを思ったのかというとですね・・・。さっきまで俺、訓練してたんですけど・・・


訓練してる時にですね。桐生さんが来てですね?『訓練が終わったら私の部屋に来て』って言ってきたんですよ。


あ、何?可愛い女の子にお呼ばれして嬉しがるとでも思った?ウフフな展開を期待するとでも思った?


そんなことあるわけないだろ!恐怖しか覚えなかったわ!


最近の桐生さんヤバすぎますからね?昔は呼びかけたら『あ?んだよ』って感じで反応してくれたのに、最近では『は?死ねよ』って感じで見てくるんですよ。泣きたくなりました。


でも俺以外に対してだと、呼ばれても聞こえてないんじゃないかと思うくらい無反応だし、視界に入っても全く焦点当ててないし、それに比べたら反応されるだけマシなのかもしれない。


それにしても、一体俺に何の用なんだろうか。『新しい毒の開発に、人間の血が必要だからちょうだい?10リットルくらい』って言われても驚きませんよ?全力で逃げ出すけどな!


「うわぁ・・・着いてしまった」


出来る限りゆっくりのんびり遠回り謎のポエムを考えたりしながら歩いてきたのに、遂に桐生さんの部屋の前に着いてしまった。どうしよう、凄く逃げたいです。


俺まだ17歳だし・・・彼女だってできたことないし・・・アキラと仲良くやってる所為で友達滅茶苦茶減ったし・・・死ぬには早すぎると思うんですよね・・・


いや、友達が減ったことは後悔してないんですけどね?


どうしようかな・・・本当に逃げようかな・・・。よしシミュレート!


俺逃げる

つかの間の平穏を得る

呼び出し無視された桐生さんがキレる

俺再び逃げる

あっさり捕まる

何らかの実験の為のモルモットに


・・・あ、逃げちゃだめだ。


えええ・・・生存ルートが用意されてないんですけど・・・。何だこの糞ゲーは。一つくらいはハッピーエンドを用意してくれよ・・・


いや待て。別に俺、殺されるって決まったわけじゃなくね?ただ部屋にお呼ばれしただけだし。


あはははは。そうだよ、ただ単に部屋に呼ばれただけじゃん。いくら桐生さんとはいえ、いきなり殺してくるはずないじゃないか。俺、一応アキラの友達だし。


いやー、心配して損した。よし、普通に部屋に入るか!


「桐生さん?佐藤拓郎です。入って良いですか?」


普通にノックして、部屋の中にいるであろう桐生さんに呼びかける。


「入って」


部屋の中から声がかかる。


言われた通り、素直にドアを開け、部屋の中に入る。そして待っていたのは、


まるで地獄のような光景でしたっ♪


「ギャアァァァァァァァァァ!?」


すぐさまドアを開け部屋を出ようとする。が、


「開かない!?何で!?」


ドアが開かない。閉じ込められた!?


「・・・言っておくけど、空間を遮断してるから開かないから」


背後から声がかかる。


「桐生、さん・・・」


振り向くとそこに居たのは、相変わらず無表情の桐生さんだった。


どうしよう、滅茶苦茶怖い。何なのこの部屋。よく分からない薬品やら死体っぽいのが沢山あるんだけど。


「・・・どうしてそんなに怖がってるの?」


桐生さんが怪訝そうに聞いてくる。


「いや、その・・・この部屋・・・」


「この部屋?・・・ああ」


桐生さんは何か分かったようで、軽く手を振った。すると、


「えっ?」


地獄のような部屋が、至って普通の、質素な部屋になった。まるで、さっきの部屋からこの部屋に瞬間移動したみたいだ。


「あの、桐生さん・・・。これは・・・?」


「ただの空間置換魔法」


いや、ただのって・・・。そんな魔法聞いたことないんですけど・・・


「元の部屋だけだと狭すぎたから、『アイテムボックス』の応用で空間を拡張して増設してるの。で、さっきのは実験室」


貴女何しちゃってるんですか。いつの間にか桐生さんの魔法のステージが半端なくステップアップしてるんですけど。


「あと、空間を遮断してるっていうのは・・・」


「前に夜這いしてきたゴミがいたから、入ってこれないようにしてるの」


「夜這い!?大丈夫だったんですか!?」


俺が知らないうちに大変なことになってた!桐生さんに何かあったら、俺がアキラに殺されるんだけど!


「半殺しにして外に出しておいたから大丈夫」


流石桐生さん。夜這いされたところで撃退余裕ですね。


「では・・・俺は何で呼ばれたんでしょうか・・・?」


本題を聞く。さっきの部屋を見た後だと、嫌な予感しかしないが。


「水瀬君がいなくなってから、どれくらい経った?」


アキラがいなくなってから?


「一ヶ月くらいですかね」


「そう。もう31日と1時間29分16秒も会ってない」


なんで秒単位で覚えてるんですか。怖いんですけど。


「私はもう我慢できないの。水瀬君を話せないことが。水瀬君を見れないことが」


前々から思ってたけど、もうアキラが好きだってこと隠そうとしてないですよね。本人が気づいているかは知らないけど。


「夏休みとかそのくらい会えないと思いますけど・・・」


「長期休暇の時は、水瀬君の行動を予測して居そうな場所に見に行ってたから」


桐生さん。それを世間一般ではストーカーと言います。自首してください。


「それで私は決めたの。私の方から水瀬君に会いに行こうって」


「そうですか・・・」


いつかこんなことになるって分かってた。だってヤンデレ桐生さんだもの。好きな人と長く離れられるわけないですよね。


「水瀬君と一緒に居られるくらいには強くなったと思うし。多分今なら、あのドラゴンにだって勝てるかな」


「すみません。桐生さんって今何レベですか?」


つい一ヶ月くらい前は55レベくらいだった気がするけど。あのドラゴンって、アキラがいなくなる前にダンジョンで倒した奴だよな?それを倒せるって・・・


「81レベル」


上がり過ぎ。レベルってそんなに上がるものだっけ・・・。もしかしたら、聖剣の力を使った白河よりも強いんじゃないか?


・・・ヤンデレって凄い。


「佐藤君は何レベ?」


・・・なんでだろう。俺もかなりレベル上げたはずなのに、桐生さんのレベルを聞いた後だと凄く言いづらい。


「・・・66レベです」


「は?低過ぎない?」


桐生さんが思いっきり見下した目で見てくる。


「一応、異世界人の中では桐生さんの次にレベル高いと思うんですけど・・・」


「ゴミ共と比べて何が楽しいの?」


ゴミ共って・・・。桐生さん、口悪いです。


「まあ、それなりには使えそうだから良っか・・・」


使えそうって・・・俺は物ですか?


「まあそれで、私は水瀬君に会いに行こうと思うんだけど・・・。佐藤君はどうする?」


「俺、ですか?」


俺もアキラに会いに行くか?ってことだよな。うーん・・・


「今すぐには決めかねますね・・・」


「今決めて」


おおう・・・流石桐生さん。容赦無い。


どうしようかな・・・。考えていると、ミルフィさんの顔が、思い浮かぶ。


・・・よし。


「じゃあ・・・俺も行きます」


ミルフィさんのことを考えると、行きたくなくなるが・・・。それ以上に、アキラの無事を確認したいのと、いきなりいなくなったことについて文句を言いたい。


それと、桐生さん一人で行かせたら多分俺アキラに殺される。『何で雪菜一人で来させてんだよ!何かあったらどうするんだ!』とかって言ってキレられる。桐生さんなら一人でも大丈夫な気がしないでもないが。


「そう、じゃあ準備しておいて。明後日には出るから」


なんか思った以上に出るの早いんだけど。


「早過ぎませんか?」


「むしろ遅いくらい。本当は今すぐにでも出たいんだけど、佐藤君にも別れの挨拶をさせてあげたいから明後日なの。王女様と仲良いんでしょ?」


なんかミルフィさんとのことばれてるんだけど。一応、会うときは周りに誰もいないの確認してたのに。何故だ。桐生さんだからですね分かります。


「分かりました・・・明後日ですね・・・?」


「分かったら早く出ていって。水瀬君以外の人間と二人きりなんて虫酸が走るから」


この部屋に呼んだの桐生さんじゃないですか・・・酷い・・・


「じゃあ、失礼します・・・」


ドアを開けて、部屋を出ていく。今回は普通に開いた。空間を遮断するのを解除したんだろう。


「それにしても、明後日か・・・。もうちょっと別れを惜しむ時間をくれてもいいんじゃないんですかね・・・」


まあ、仕方ないか・・・。俺、桐生さんに文句言える程度胸無いし・・・


「佐藤」


「え?」


いきなり背後から声がかかった。


「・・・なんだよ白河」


呼びかけてきたのは白河だった。何の用だよ・・・


「さっきまで、桐生さんの部屋にいただろう?」


桐生さんの部屋から出てくるところを見られていたのか?


「そうだけど、それがどうかしたか?」


「いや、別に。どうせ何も無かっただろうし、問題無いよ」


じゃあ、いったい何の用だよ。


「明日、話があるから広場に来てくれないか?桐生さんも連れて」


「話?・・・まあ、良いけど」


桐生さんに自分から会いに行かなくちゃいけないのか・・・。嫌なんだけど。怖いし。


「で、要はそれだけか?俺は自分の部屋に戻りたいんだけど」


「いや。一つ、桐生さんに伝言をして欲しい」


「自分で言えよ」


「本当はそうしたいんだけどね。桐生さん、君以外だと話を聞いてくれないからさ・・・」


確かに。桐生さんは、イケメン白河に対してだってガン無視スタイルである。マジ桐生さん流石。


「で、何て伝えれば良いんだ?」


「ああ、あまり勝手な行動は控えるように。って伝えてくれ」


「は?」


勝手な行動は控えるように?別に桐生さんは変なことはしていないが・・・。いや、よく分からない実験をしてるけど、それは自分の部屋でしかやってないと思うから違うだろうし・・・。


待て。もしかして・・・


「お前、さっきの話を聞いてーーー」


「何を言っているんだ?部屋の中の話なんて、聞こえるはずないじゃないか。じゃあ、伝えておいてくれ」


白河は、そう言って去っていった。


・・・白河。俺はさっきの話とは言ったけど、別に部屋の中とは言ってないからな。微妙に墓穴掘ったからなお前。


俺、大変だなあ・・・。桐生さんの相手はしなくちゃいけないし、白河はよく分かんないし、宮野はアホだし、自分は強くならなくちゃいけない。


やることは沢山あるけど、取り敢えず・・・






ミルフィさんに会いに行こう。癒されたい。

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