第56話 ジュライジアへ
投稿スピード遅っ!あの毎日投稿できていたのは何だったのか。
「というわけでキリナを連れ帰ってきた」
ブレイカーの残党も倒したので、シャイニング・・・ではなくシャイニングとユナイテッドの合併した組織の本部に来た。
組織名どうなるんだろうね。まあどうだっていいけど。ラブラブピーチとかって名前じゃなきゃ何でもいいや。
「エルフか、珍しいな」
キリナを見た雑用係の感想がこれ。
「雑用係、お前はエルフを見たことがあったのか?」
「俺は立場上、見ることが何度かあったな。売買とかもしたしな」
そういえば雑用係って俺の前任のシャイニングのボスだったね。雑用係って呼び続けていたから忘れてた。
「えっ、何雑用係。お前奴隷解放がどうたらこうたら言ってたくせに、自分も奴隷商売してたの?その下衆っぷりに俺ドン引き」
「俺は合法な奴隷売買しかしてない!クリーンな商売をしていたんだ!」
奴隷売買って時点でクリーンも何もないと思うのは俺だけなのだろうか。
「そうか。それを聞いてフィアちゃんはどう思う?」
雑用係対策のフィアちゃん。俺の期待する発言をするって信じてる。
「お兄ちゃん、サイテー」
「フィアァァァァァァ!!?」
フィアちゃんは俺の期待通りの発言をしてくれて、それを聞いた雑用係はブロークンハート。たまにくらいは、雑用係の心を折っとかなくちゃね。
「ところでキリナ。君は何をしているんだ?」
なんか知らんけど、キリナは周りをキョロキョロと見ていた。そんなに珍しい物でもあったか?
「あのぅ、ここってどこなんですか?私、こんなにたくさんの人間を見たことがなかったんですけどー」
「何言ってんの君。ここはミールだぞ?人間が沢山いて当たり前だろ」
「ええっ!?ジュライジアじゃないんですか!?」
何言ってんのこの娘。
「逆に何でここがジュライジアだと思ったんだよ。君は奴隷商人に連れてこられたんだろう?ジュライジアに奴隷商人なんていんの?」
キリナは少し考えた後、
「・・・そういえばジュライジアに奴隷商人はいないですね!うっかりしてました!」
いや、そのくらい言われるまでもなく気付けよ。もうこの娘を『君』って呼ぶの止めよう。俺がそう人を呼ぶのは似合わないし、何よりこの娘に君ってなんか嫌だ。お前でいいやお前で。
「ミールですかー。私、ジュライジアから出たのは初めてですねー」
この台詞を聞いて、ふと思った。
「キリナ。お前はどうして奴隷商人に捕まっていたんだ?」
「えっとですねー。ヘライスの実を探して森を進んでいたら、いつの間にかよく分からない場所にいたんですよー。それで困っていたら、知らないおじさんが現れて、『道に迷ったのかい?なら、おじさんの家に来て休んでいきなさい』って言ってくれたんですよー」
「その人について行ったのか?」
「はい!」
いや、それ絶対について行っちゃいけないやつだろ。やっぱこの娘アホだわ。
「そうしたらおじさんが息を荒くしだしてですねー?ズボンを脱ぎだしたんですよー」
「えええええええ!!!?」
流石にその展開は予想外だ。大丈夫だったのか!?
「それで、どうしたんだ!?大丈夫だったのか!?」
「私も心配になって声をかけたら、『大丈夫だよ!?今からおじさんがイイコトを教えてあげるからね!?』って言ってですねー?」
「心配してるのはおじさんじゃなくてお前だ!」
マジで大丈夫だったのか!?キリナの貞操は!
「私は別に大丈夫ですよー?そこでおじさんがパンツに手をかけた時、いきなり矢が飛んできて、おじさんの頭に突き刺さったんですよー」
「えええええええ!!!?」
何それ意味不明過ぎる。どんなシチュエーションだよ。
「それでそのおじさんが死んで、また新しいおじさん達が現れて、その人達が私を保護してくれたんですよー。それで、気づいたらさっきの所にいました!」
いや、保護違うから。完全に奴隷として捕まってたから。
「キリナ。お前馬鹿だな」
「馬鹿じゃないですよー。お父さんが、『お前は馬鹿だ馬鹿だと言われているが、ちょっと天然なだけだ。気にする必要はない』って言ってくれましたもん!」
周りからも馬鹿認定されてたのかよ。あとお父さんのそれはフォローだから。励ましてるだけだから。
「そもそも、何でヘライスの実なんか探してたんだよ」
探していなければ、こんな所にはいなかっただろうに。
「お母さんがもうすぐ誕生日なので、プレゼントしようと思ったんです!お母さんには、大切にしてもらってますから!」
お母さんへのプレゼントか・・・。うん、それなら仕方ないな。親は大切にした方がいいと思うよ。
「それで、私はこのあとどうなるんですか?」
「ああ、それはな・・・。おい、システィアーーーってお前ら何してんの?」
システィアの方を振り向いてみると、何故かシスティアと雑用係が剣を向け合い睨みつけあっていた。何で?
「悪いがシスティアさん相手でもそれは聞けないな・・・!だって、俺はフィアと結婚するって決めたから!」
「兄妹で結婚は出来ないわ!何より、フィアが嫌がってるじゃない!」
OK。把握。
「必殺!ランスインパクトショット!」
別名、ただの膝蹴り。
「グハッ!?」
必殺技は、雑用係の顎にジャストミート。意識を持って行きました。
「さてシスティア。これからのことについて話そうと思うんだが」
「アレについてはスルーなのね・・・」
だってシスコンキモいじゃん。あんまり関わりたくない。
「キリナだけど、俺達でジュライジアに送り届けようと思う」
「ジュライジアに行くの?分かったわ」
いきなりの話でも受け入れてくれるシスティアさん素敵。惚れちゃう。
「ジュライジアに連れて行ってくれるんですか?ありがとうございます!」
キリナが凄く嬉しそうにしている。きちんと感謝出来る子は嫌いじゃないよ。
「あのぅ、ところでですけど、名前を聞いてもいいですか?」
ああ、そういえば、俺は名前を教えてなかったな。
「俺の名は、水瀬明だ。師匠と呼べ」
「いや、何の師匠よ・・・」
システィアがツッコミを入れてきた。良いじゃん別に。だって師匠って呼ばれてみたかったんだもの。
「分かりました!師匠と呼びます!」
あ、マジで師匠って呼ぶんだ。やったね。
「キリナも何で師匠って呼ぶのよ・・・。まあ良いわ。私の名前はシスティア。よろしくね、キリナ」
「はい!よろしくお願いします!」
システィアが凄くフレンドリーにしている。これは不味い。俺がハブられる予感。そんな事には絶対にさせない!ウザがられるくらいに絡んでやる!
「さて、もう用もないし、お別れかな。フィアちゃん、その転がっている雑用係とか言う物体のこと、よろしくな」
最後に、フィアちゃんに別れを告げる。
「えええ・・・よろしくされたくないんですけど」
フィアちゃん雑用係にホント冷たいね。雑用係だから良いか。
「システィア、キリナ。行くぞ、ジュライジアに」
「ええ」
「はい!」
颯爽と、この場所から立ち去る。
さて、ジュライジアの方角ってどっちだろう。行ったことないから分かんないや。
何故水瀬君が師匠と呼ばせたのか・・・説明するの何年後だろう・・・
タイトルですけど、取り敢えずFateみたいに英語にするって決めた。スタイリッシュにする。




