第54話 新ヒロイン登ッ上!
新ヒロイン登場!
「これで、この国は完全に私達のものになったわね」
3日後、シャイニングとユナイテッドの合併はほとんど終わり、新体制での支配が始まっていた。仕事早いね。
そして今は、ミディルアーテと話している。
「ミディルアーテ、別にお前のものじゃないからな?俺がいなくなる間をお前に任せるだけだからな?その辺ちゃんと理解してる?」
こいつ、まるでこの国を自分だけのもののように言っているが。
「分かってるわよ。でも、アキラがいない間は私のものでしょう?」
「違うからな?雑用係、エイラがお前の事を監視しているからな?おい雑用係!ちゃんとこいつを管理しとけよ?」
後ろにいる雑用係に話しかける。
「俺の、俺のシャイニングが・・・」
何故か雑用係はガチ泣きしていた。どうしたんだ?
「どうした雑用係。いきなり泣き出して」
「お前の所為だろうが!俺の組織を、こんなにして・・・」
「残念だったな、シャイニングは俺のものです。お前が負けた時点でな」
「ちくしょう・・・」
ものすごく悲しそうにしている。面倒くさい奴だな。
「何?折角妹を助けてあげたのに、それじゃ不満なの?」
「そういう事じゃねえよ。俺がシャイニングで今までどんな苦労をしてきたかーーー」
「あ、どうでも良いんで話さなくて結構です」
「えええ・・・」
かなり不満そうだが、本当に心の底からどうでも良いです。興味無いし。
「俺も、そろそろ国外に行く日が来たか・・・」
「アキラ、どこに行くつもりなのかしら?」
ミディルアーテが聞いてくる。
「特に決めてないけど、ジュライジアかソルカサスになるだろうな」
「アストラルには行かないのかしら?」
「だって宗教とか面倒臭いじゃん」
神聖国家アストラル。なんか知らんけど何とかっていう宗教が信仰されている国らしい。それも、亜人排斥派と亜人共存派の二つの派閥に分かれて争ってるらしいよ。同じ宗教なのに何でそんなに分かれるのかもの凄く謎。とにかく、そんな面倒臭い国には行きたくありません。
「それについては同感だわ。あの連中、亜人がどうこうで鬱陶しいのよ」
「俺からすれば、亜人も人間も大差無いんだけどな」
見た目もほとんど変わらないし、話す言葉も一緒なのだ。何で区別してんのか意味分かんない。
「そういう人が増えれば良いのだけれど、頭の固い人が沢山いるのよ」
「面倒臭いな」
「ええ、本当に」
亜人差別ね・・・そのうちなくなると良いな。
「じゃあ、俺は宿に戻る。明日にはこの国から出て行くつもりだから、後はよろしく」
「ええ、任せて」
明日でこの国ともおさらばか・・・。特に未練無いな。
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「あん?ブレイカーの残党?」
翌日、システィアと共に国外に出る前に、雑用係に挨拶しに行くと、
「ああ、ブレイカーの残党が、残っている奴隷を一気に売り払って、その金を持って国外逃亡しようとしているらしい」
との話を聞いた。
「お前が対処しろよ」
「そうしたいけど、これからユナイテッドの幹部との懇談会があるんだ。俺はそれに参加するから、悪いが対処出来ない」
えええ・・・
「他の奴にやらせろよ」
「変に弱いのを向かわせて死んでもらったら困るからな。ただでさえ戦争で死人が沢山出ているんだから、これ以上の死傷者は出したくないんだよ」
そういう事なら仕方ないか・・・
「分かった、俺が対処する。場所は?」
「西の外れにある倉庫だ。分かるだろ?」
知るか。
「まあ、『索敵』を使えば良いか。システィア、行くぞ」
「ええ」
俺とシスティアは、その倉庫がある所へ向かった。
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「ひぃっ!?助けてくれ!」
「だが断る」
思いっきり蹴飛ばしてやると、吹き飛んで動かなくなった。死んではいないと思うけど。
「これで全て片付いたわ。大して強いのもいなかったわね」
倉庫には、敵はそこそこいたけど雑魚ばかりだった。真っ正面から鎮圧してやった。無傷で。
「さて、奴隷達はどうする?」
倉庫の奥の部屋にいるらしいけど。
「解放して良いんじゃないかしら。いたって仕方ないでしょ?」
「そうだな。解放してやるか」
奥の部屋に繋がる扉へ近づき、開けようと思ったら鍵がかかっていたので、鍵を壊して扉を開ける。
「やあ諸君!君達はこれから自由だ!さっさとどっか行け!」
中にいた奴隷達を解放してやる。
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
奴隷達は、俺達に感謝の言葉を述べながら何処かへ走り去っていった。もうちょっとお礼とかあっても良いんじゃないかな。いや、奴隷だから仕方ないか。
「ん?まだ逃げてない奴がいるな」
『索敵』で調べたところ、更に奥の部屋に人がいた。何でそんなに奥にいるのかね。
その部屋に繋がる扉を開けようとするが、やっぱり鍵がかかっている。壊そうと思ったが、壊れなかった。丈夫だなぁ。中に誰がいるんだ?こんなに厳重に捕らえているなんて。
「システィア、開けてくれ」
「自分で開けなさいよ・・・」
そんな事言いながらも、剣で扉を切り裂いてくれるシスティアさんマジ素敵。惚れちゃう。
「やあ奴隷君!解放しに来たよ!・・・って、あれ?」
中には女の子がいた。その娘は金髪をポニーテールにしていて、胸がかなり大きかった。あまり興味が無い俺がそう思うんだから相当だな。でも、それは肝心じゃない。大事なのは、
「エルフ、か?」
その耳が長かった事だ。
登場したのに台詞がない。でも次回からあります。




