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第53話 理不尽とは、よく言われる

どうしよう、モチベ下がってきた。

「というわけでこの国を出ようと思います」


と、システィアに言ってみると、


「は?」


というコメントを頂いた。


「この国でやることは終わったので、次の国に行ってみようと思います」


「いきなりそんなこと言われても・・・」


戸惑っているシスティア。


「アキラさん、この国を出て行くんですか?」


フィアちゃんが寂しそうな顔をしている。


「うん、ちょっと他の国に用事があるからね」


「だったら、お姉ちゃんは連れて行かないでもらえますか?」


俺にシスティアを、置いて行けと?


「嫌です。俺はシスティアから離れると死んじゃう病だから」


「その割に私を置いて、フラフラと一人で何処かに行くわよね・・・」


システィアさんが何か言ってる。


「気の所為だ。とにかくシスティアを連れて行くのは決定事項です。大丈夫だフィアちゃん!君にはお兄さんがいるじゃないか!」


「ええ・・・あんなのいても困るんですけど・・・」


雑用係に辛辣なフィアちゃん。


「フィアちゃんって、ちょっと前に雑用係・・・エイラと感動の再会をしたばかりだよね?なんでそんなにエイラに厳しいの?」


「だってあの人私が奴隷になる前は、兄妹で結婚するのは当たり前だとか、兄妹で結婚すると幸せになれるとか毎日の様に言ってきたんですよ?そんな気持ち悪い人に優しく出来ますか?」


無理。


「あいつがキモいのは分かるけど、もっと労わってやれ。あんまりフィアちゃんが冷たくしていると、あいつ自殺しそうだし。死なれたら困るから、適当に雑用でもやらせておいてくれ」


「仕方ないですね・・・」


嫌そうにしているフィアちゃん。雑用係が少し不憫に思えてきた。あんなにフィアちゃんを助ける為に頑張ってたのに・・・。まあ良いか、雑用係だし。


「ただ今戻りました」


いきなりアイデートが現れた。


「アイデートちゃん、どこに行ってたの?」


「少し買い物に。あとちゃん付け止めてもらえません?私は貴方より年上なんですよ?」


え、マジで?


「俺29歳なんだけど」


「えっ、そうなんですか?貴方の方が年上ですね」


あっさり騙されるアイデートちゃん。


「アイデート、アキラはまだ17歳よ」


システィアがばらしやがった。


「・・・なんで嘘をついたんですか?」


「意地でもちゃん付けを続けたいから」


「もう好きにしてください・・・」


アイデートは諦めた。俺の粘り勝ち。やったね!


「さてアイデート、俺はもうすぐこの国を出るから、フィアちゃんの護衛よろしく」


「貴方、この国を出て行くんですか!」


滅茶苦茶嬉しそうにしている。俺そんなに嫌われる様なことしたっけ?


「ああ、俺の抜けた分をお前に任せたい。頑張って」


「何故私が貴方の為に働かなくてはならないんですか?私は元々、貴方の敵なんですよ?」


アイデートちゃんが反抗してきた。


「だってよフィアちゃん。アイデートちゃんは、フィアちゃんを守るのが嫌なんだってよ。多分フィアちゃんのことが嫌いなんだ」


「アイデートさん、そうだったんですか・・・?」


フィアちゃんが悲しそうにしている。


「別にそういうわけでは・・・。貴方!何故そんなことを言うんですか!」


キレるアイデートちゃん。


「だって俺、最初にフィアちゃん護衛よろしくって言ったよな?それを拒否したのはアイデートちゃんじゃん」


「フィアさんのことは好きです!ただ貴方の為に働くのが嫌なんです!」


アイデート、突然の告白。


「良かったねフィアちゃん。アイデートはフィアちゃんのことが好きなんだってさ」


「アイデートさん・・・」


感激しているフィアちゃん。


「・・・フィアさんのことはともかく、私は貴方の為に働きたくありません」


「いいから働け。報酬は払うから」


「なら良いでしょう。いくらぐらい貰えるのですか?」


金払うと言ったら即座に手のひら返しやがった。この守銭奴が。


「取り敢えずこれで暫く働け」


貴族貨を5枚渡す。つまり5000万パル。


「いきなりこんなに渡されても困るのですが・・・」


「知るかそんなこと。これで数年は働いてもらうから覚悟しとけ」


5年は働いてもらうつもりです。


「働けとのことですが、私は何をすれば良いのですか?」


「知らね。自分で考えろ」


「貴方ってかなり適当ですよね・・・」


良いじゃん別に。俺は楽しくてやってるんだから。それで困ることも無いし。


「さてフィアちゃん。君のお兄さんをここに呼んでくれ」


「ええー、嫌なんですけど」


「後で素敵な男性を惚れさせる方法教えてあげるから」


「お兄ちゃん来てぇ!」


「どうしたフィア!何かあったか!」


一瞬で現れた雑用係。フィアちゃんが奴隷時代にこれをしていれば、結構簡単に助けられたんじゃないかな。


「雑用係、俺はこの国を出て行くことにしたから、その間よろしく」


「なんだいきなり。まだ奴隷から解放されてない人だっているのに、放っておくつもりか?」


ちなみにだが、ブレイカーから理不尽に奴隷にされた人には、まだ奴隷から解放されてない人も結構いるらしい。国外に行った人もいるし、完全なる奴隷解放は当分先になると思う。


「それは悪いと思っている。だから俺の代わりに、ミディルアーテに頑張ってもらうから」


「・・・なんであいつが出てくるんだよ」


「シャイニングとユナイテッドが合併する事になったからです」


「はあ!?そんなの聞いてないぞ!」


荒ぶる雑用係。キレる若者って怖い。


「今言ったからな。ボスはミディルアーテで、お前はその補佐と監視をしてもらう。大変だと思うけど頑張ってね」


「・・・は?」


あ、処理落ちしたな。あまりの急展開について行けなくなったんだろう。憐れな。


「おれはユナイテッドとの合併が一通り終わったら出て行くから、その後は君らがこの組織のトップだ。期待しているぞエイラ君!」


「は?は?」


雑用係が壊れた。叩けば治るかな。


「あの人直伝!ナナメ0度ダイナミックパンチ!」


要約すると、ただの顔面パンチ。


「がふっ!?」


吹っ飛んでいく雑用係。


「もうやだ、あいつ・・・・」


そう言い残し、雑用係は気絶した。俺の勝ちだ!


「よし、今の内に合併進めるぞ。引き返せないレベルまで進めればこっちの勝ちだ」


「アキラ、鬼ね・・・」


システィアが何か言ってるけど気にしない。


「ミディルアーテ・・・いや、ユイスさんの方が良いな。ユイスさんに合併するの頑張ってもらおう。あの人スペック高いらしいし」


「アキラって基本、他人任せよね」


だって面倒な事はやりたくないもの。みんなだってそうでしょ?


「じゃあアイデート。後の事は任せた」


「任せられても困るのですが・・・」


んなこと知るか。報酬は払ったんだから働け。


「さて、俺は出国する準備でもするか」


特にやる事ないけど。

両儀式はサーヴァントとは防戦するので精一杯とか言ってたのは何だったのか。両儀式強すぎね?

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