第5話 メイドさんと嫌われコンビ結成
メイドさんが出てきます
「初めまして水瀬様。私はあなたの世話をすることになったシスティアと言います」
広場で天職を確認した後、俺たちには一人一人に個室と、メイドや執事が与えられた。あ、もちろん男にメイドで女に執事な。
「よろしく、システィア。分かってるみたいだが、俺は水瀬明だ」
軽く自己紹介をする。
「では、なにかありましたらお申し付けください」
愛想悪いな。なら、一つ聞かせてもらおう。結構失礼なことだけど。
「システィアって嫌われてんの?」
システィアがピクリと震えた。
「・・・何故そう思うのですか?」
この反応を見るに当たりだな。
「さっき明らかに周りから差別する目で見られてただろう?」
オマケにシスティアに誰も近寄ろうとしてなかったし。
「はい、私は嫌われてますがなにか?」
あっさり認め、高圧的に聞いてくる。メイドがそんな態度とるなよ。怖いだろ。
「なんで嫌われてんの?」
システィアは銀髪ロングで、少しつり目なせいで目つきが鋭いが顔がよく整っており、かなりの美人と言える。女性が嫌うなら嫉妬とかだろうが、男性からも嫌われている理由が分からない。
「聞かないで頂けますか?」
「断る!」
だって気になるし。
「・・・私が平民だからですよ」
「それだけじゃないだろ」
システィアが驚いたように見てくる。あらやだ可愛い。
「何故、そう思うのですか?」
そんなの決まっている。
「勘だけど?」
「・・・そうですか」
システィアが残念なものを見るように見てくる。失礼な。
「でも合ってるだろ?」
システィアはじっと俺を見た後、ため息をつき、語り始めた。何その仕草。あまりに失礼じゃない?
「私は騎士官学校のエリートだったんですけど「え、なにこの唐突な自慢」黙って聞いて下さい」
怒られた。俺悲しい。
「歴代でもトップクラスの強さだったそうです。それが貴族の子女達は気に入らなかったんですよ。平民のくせにって」
ふーん。
「それだけならまだ良かったんですが、ある時とある豚貴族から妾になれと言われましてね、当然断ったのですが」
ほーん。
「それに豚貴族が怒りましてね。運悪く相手はかなりのお偉いさんで、私が騎士になるのを妨害してきて、更に他の学校の生徒も同調してきましてね。おかげで騎士ではなくメイドになり、今も嫌われ者の世話をすることになりましたよ」
なんか最後に毒吐かれた気がする。気のせいだと思いたい。
「なるほどね。なら、嫌われ者同士仲良くしないか?」
ここで一人くらいはこの世界の仲間が欲しい。流石に一人で全部なんとかするのは無理だし。
「・・・そうですね。仲良くしましょう」
システィアは微笑む。よし、ナンパ成功。
「俺のことはアキラと呼んでくれ。敬語も要らない」
「・・・分かった。よろしくね、アキラ」
これまで無表情をキープし続けていた彼女は軽く微笑んだ。何だ、結構可愛い表情も出来るじゃん。
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