第48話 私が助けられるように
感想を見て思ったこと。みんなリア充嫌いなんだね。筆者基準だと義理チョコも友チョコも有罪です。セルフ裁きしてください。
先週と今週は忙しいと言っておきながら、投稿しまくってる。いったことぜんぜんまもれてねぇ。
目が醒めると、全く知らない場所にいた。
混乱していると、お姫様みたいな人が現れた。
話を聞くと、やはり王女様だったらしい。なんでも、ここは異世界で、1年後に人類が魔王から侵略を受けるから、勇者である私達に助けて欲しい、とのことだった。
はっきり言って、腹が立った。告白の邪魔をされたと思ったら、ここは異世界で、私達が召喚しました?ふざけてるのか。私達を早く元の場所へ返して欲しい。
だけど水瀬君は、その要求に肯定的のようだ。水瀬君が良いなら、私も良いけど・・・
そのまま奥に案内され、国王のもとへ連れていかれた。
国王との交渉は水瀬君が行った。水瀬君は、条件付きで魔王と戦うつもりらしい。
そして、変な誓約書にサインを求められた。
クラスのみんなはそれにサインしようとしていたけど、水瀬君はまず内容の確認をしていたので、私もそれに倣うことにした。
やはりというか、不平等な誓約が一つあった。水瀬君がそれに気づかなかったら、私達は全員この国の奴隷のようになるところだった。
それを水瀬君が指摘すると、国王は調子の良いことを言って、それを撤回した。絶対私達を嵌める気だったな・・・
その後、騎士団長に広場に連れていかれ、ステータスというのの確認をした。私は『魔女』だった。
水瀬君に天職を聞くと、『罠師』だったらしい。なんだか弱そうに思えるけど、水瀬君の天職だしそんなことはないだろう。
と、思ったけど、騎士団長が言うには、『罠師』は非戦闘職といって、弱い天職なんだとか。
それで、騎士団長が水瀬君をみんなの前で馬鹿にする。
私は腹が立って、
「そんな事ない!水瀬君は強い!弱くなんてない!まだ何も始まってないのに、水瀬君を馬鹿にしないで!」
と、叫んだ。
その言葉に水瀬君は、
「ああ!俺は強くなってやる!見てろよお前ら!」
と応えた。
水瀬君が周りから嘲笑される。でも、水瀬君なら、きっとその言葉を実現するだろう。水瀬君は、きっと誰よりも強くなる。
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広場から出ると、私達一人一人に部屋と、男子にはメイドを、女子には執事を与えられた。当然、私にもだ。
「初めまして桐生様。私は、ユーフラステッド伯爵家の次男であるーーー」
見ててイラつく笑顔を浮かべながら自己紹介を始めたので、
「ああ、私に執事は要らないです。帰って下さい」
と、言ってやった。
「・・・はい?申し訳有りませんが、もう一度仰ってもらえませんか?」
笑顔が崩れそうになるも、なんとか堪えて彼は言った。
「目障りなので消えてください」
「・・・すみません。私が何か粗相をしてしまったのですか?」
「ここにいる事が粗相です。部屋から出て行ってください」
彼の笑顔が引き攣る。
「・・・私は桐生様に使える事が使命でありーーー」
「あの、ほんと邪魔なのでさっさと消えてくれませんか?」
良い加減相手をするのが面倒になった。
「・・・分かりました。一度出て行きます」
「二度と来ないでください」
彼は部屋から出て行った。
水瀬君以外の男性と部屋で二人きりなんて拷問以外のなんでもない。出て行ってくれて良かった。
今日は疲れたし、早めに眠る事にしよう。
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「アキラ、今のは悪手よ。相手が斬り込んで来た時でも、相手の剣だけに注意をするのではなく、相手の身体全体に注意しなさい。特に足ね。剣を防ごうとしたら足払いをされる、なんてよくある事よ」
・・・なんなんだ、あの女性は。
次の日から、私達は戦う為の訓練や、この世界についての勉強を始めたが、水瀬君だけは放置されていた。目障りな水瀬君に少しでも嫌がらせをしたいんだろう。腹立たしい。
それはともかく、水瀬君を探すと、見た事ない女性と斬り合いをしていた。誰なんだ、一体。
・・・いや、メイド服を着ているんだし、あの女性が水瀬君に与えられたメイドなんだろう。そのメイドから、訓練を受けているようだ。
特に不要な暴力を振るわず、真摯に水瀬君を鍛えようとしている。彼女は水瀬君の味方のようだ。それは良い事だ。味方が多いに越した事はない。
だが問題は、何故あんなに綺麗な女性なのか、という点だ。あんなに綺麗な女性は初めて見る。綺麗な銀の髪と目。その目はとても真っ直ぐだ。
・・・どうしよう。多分あの女性、多分水瀬君の好みのタイプだ。今まで長いこと水瀬君を見てきたので、どんな女性が好みなのかなんとなく分かる。水瀬君は、真っ直ぐな目をした人が好きなのだ。佐藤君も真っ直ぐな目をしているし、多分そうだろう。
でもまあ、水瀬君が幸せになれるならそれで良いか。大事なのは水瀬君が幸せがどうかだ。あの目をした人なら、水瀬君を幸せにしてくれるだろう。
・・・2番目とか、なれるかな。この世界は一夫多妻制らしいし、大丈夫、かな・・・?
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この世界に来てから、半年が経った。私達がダンジョンに行こうとすると、水瀬君も参加すると言った。
危険だ。ダンジョンでは何が起こるか分からない。今から行くダンジョンはレベル的には安心できるけど、それでも行かないほうが良いと思う。
それでも、水瀬君は行きたいらしい。
・・・まあ、私が守れば良いから、大丈夫、かな。
ダンジョンに入ってから暫く経つ。白河君が魔物を倒し続けているので、今のところは私は何もしていない。
一人の男子生徒が、ミステリーボックスを見つけた。珍しいな。見るのは2回目だ。
男子生徒は騎士団長の制止を聞かず、ミステリーボックスを開けると、強い光が起こり、
光が収まると、ドラゴンがいた。
まずい。あのドラゴン、かなり強い。とにかく水瀬君を守らないと!
前線に立ち、水瀬君を守る。だが、ドラゴンは強力で、とても敵いそうにない。どうしよう。水瀬君は私が守るって決めたのに・・・
気がつくと、水瀬君が背後からいなくなっていた。一体どこに・・・
「桐生さん危ない!」
佐藤君に言われ前を向くと、ドラゴンがこっちに突撃しようとしていた。
「しまっーーーーー」
そこで突然、ドラゴンの足下から大爆発が起こった。なに、あれ。魔法?いや、今いる中で一番強い魔法職は私だけど、あんな爆発は起こせない。
だったら、一体誰が・・・
「なんだ一撃か。大したことなかったな」
そんな声が聞こえた。その声の主は、
「水瀬君・・・?」
水瀬君だった。
話を聞くと、あの爆発は水瀬君がやったらしい。凄い。ドラゴンを一撃で倒すなんて。そんなの騎士団長でも出来ない。
私と水瀬君との間で、良い雰囲気が流れる。だが、それを邪魔する人がいた。
白河君だ。なんてことを・・・
水瀬君と白河君が口論をし、遂には白河君が水瀬君に向けて魔法を撃った。
防ごうと思ったけど、遅かった。しかし、その魔法は水瀬君から外れた。
あんな距離から外すなんて・・・
何度も白河君は魔法を撃ったが、それでも当たらない。水瀬君が凄く楽しそうにニヤニヤしている。・・・もしかして、何かのスキル、なのかな・・・?
白河君は斬りかかるが、それでも当たらない。間違いない、あれはなんらかのスキルだ。魔法ということはないだろう。罠師では、あんな魔法を使えるわけがない。
水瀬君が白河君を蹴り飛ばすと、白河君は吹き飛んで行った。水瀬君、強い・・・
だが、今度はクラスメイトや騎士団長が水瀬君を囲み、攻撃しようとしている。
勇者を攻撃するのは敵だ!とのこと。先に攻撃したのは白河君なのに。
必死にみんなを止める。流石の水瀬君も、この数相手はキツイだろう。
取り敢えずクラスメイト達は水瀬君を攻撃するのは止めた。
怪我人が多く出た為、そこでダンジョン攻略は中止になった。
ダンジョンから帰ると、水瀬君から手紙を渡された。明日に読んで欲しいらしい。なんでわざわざ手紙なんだろう。水瀬君は自分の部屋に戻っていくが、なんだか、その時水瀬君とは別れたくなかった。
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次の日、水瀬君は行方不明になっていた。
なんらかの手掛かりがあるのではと思い、渡された手紙を読むと、
【王城に居てもつまらないから他国に遊びに行ってくる。暫くいなくなるが、元気でいて欲しい。お土産は期待してくれ。それと、この手紙のことは佐藤以外には言わないようにしてくれ】
と、書いてあった。
水瀬君・・・なんで私を連れて行ってくれなかったの?システィアさんは連れて行ったのに・・・私のことが嫌いなの?私が一度水瀬君から離れたから、その仕返し?
水瀬君がそんな人じゃないのは分かってる。でも、なんで・・・
悩んでいると、佐藤君が色々言ってくれた。
佐藤君が考えたことみたいだけど、水瀬君なら本当にそう考えているのかもしれない。
私のことが心配、か・・・
なら、強くなって、水瀬君の隣に立てるように頑張ろう。
いつか言ったように、私も、水瀬君を助けられるように。
これで過去編は終わりです!最後やっつけですが、そのうち加筆修正するので気にしないでください!次回から2章です。別名、伏線貼りまくりま章です。今後ともよろしくお願いします。
あ、あとどうでも良いことかもしれないですけど、2章では新ヒロイン出ます。




