第44話 初デート?
月姫リメイクの発売と、Fate/HFの映画公開を楽しみに待ってるけど、未だに続報すらない。両方とも、後3年はかかるとみた。
水瀬君と仲良くなってから、3か月が経った。そして今日この日、私は水瀬君とデートをする。
・・・デート、というのは間違いかもしれない。昨日水瀬君が、幾つか足りない物があるから新調したいと言っていたので、それについていくだけだ。でも、男女二人きりなんだし、デートで間違いじゃ、ないよね・・・?
待ち合わせの時間は12時。どのくらいに着けば良いか分からなかったけど、30分前に着けば大丈夫、かな?
待ち合わせの場所はショッピングモールにある喫茶店。ショッピングモールに入ろうとすると、
「桐生」
誰かに呼ばれた。振り返ると、
「あ、水瀬君」
水瀬君がいた。
「まさか待ち合わせの場所に着く前に会うとはな」
「同じ時間に着こうとすれば、そういう事もあるんじゃないかな?」
「まだ30分前だけどな」
水瀬君が苦笑する。
「桐生。まだ時間には早いが、昼食にしても良いよな?」
「うん。行こっか」
ショッピングモールに入る。
「そうだ、桐生」
「なに?」
水瀬君は微妙に目を逸らしながら、こう言った。
「その、何だ。俺はファッションはよく分からないが・・・その服、似合ってるな」
・・・選ぶのに3時間かかったけど、この服を着てきて良かったなあ・・・
「水瀬君も、かっこいいよ?」
思ったことをそのまま言った。
「そうか・・・」
水瀬君は顔を逸らしながら言った。
照れてる・・・のかな?だとしたら、嬉しいなあ。
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「水瀬君。本当に奢ってもらって良いの・・・?」
喫茶店で昼食をとったが、会計は私の分も水瀬君がしてくれた。
「ああ、桐生には俺の買い物に付き合ってもらうからな。この位は俺が払う」
ついていきたいって言ったのは私なのに・・・。申し訳ないな・・・。
「よし桐生、まずはシャープペンを新調したい。文房具店に行くぞ」
「うん、分かった」
文房具店に向かう。
「これにしよう」
文房具店に着き、シャープペンがある所に着くと、水瀬君は一目見ただけでどれを買うか決めた。
「水瀬君、決めるの早いね」
「こういうのは、一度悩むと決めるのに時間がかかるからな。感覚でどれにするか決めたほうが良い」
そう言って、水瀬君は替え芯も一瞬で決め、レジへ向かう。
・・・えっと、このシャープペンか・・・。うん、覚えた。
「桐生、次は靴を買いたい。行くぞ」
「あ、うん」
もう会計を済ませたみたいだ。・・・あのシャープペン、そのうち買いに行こう。お揃いの物、欲しいな。
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その後も水瀬君は色々買っていたが、全て即決だった。一番時間がかかったのが靴を買う時だったが、それもサイズが合うか確認する為で、どれにするのかは数秒で決めていた。
私、ついてきた意味あったのかな・・・
水瀬君の後ろをとぼとぼ歩く。
「桐生、あれやらないか?」
唐突に水瀬君が私に言った。
あれ?水瀬君が見ている先を見ると、
「プリクラ?」
「ああ、記念にどうだ?」
「・・・うん!やろう!」
漸くついてきて良かったと思えるイベントだ。是非やりたい。
「じゃあ、やるか」
機体の側に行くと、お金を入れるところがあった。
「ねえ水瀬君。私、こういうの初めてで、よく分からないんだけど・・・」
「俺も分からん。まあ、何とかなるだろ」
水瀬君がお金を入れる。すると、
『モードを選んでね!』と、文字が出てきた。
「・・・桐生、任せた」
「えっ」
「俺はどれがいいのか分からない。桐生が好きなのを選んでくれ」
そんなこと言われても・・・。私も初めてなのに・・・
よく分からなかったので、肌が白くなるものを選ぶ。
『背景を選んでね!』と文字が出てきた。
「・・・水瀬君」
「任せる」
水瀬君、絶対、面倒臭がってるだけだよね・・・
どれがいいか分からないので、適当に選ぶ。
『中に入ってね!写真を撮るよ!』と文字が出てきた。
「水瀬君」
「分かった」
中に入ると、『写真を撮るよ!ピースしてね!』と、あった。
「何でそんなこと・・・」
水瀬君が面倒臭がってる。
「水瀬君!ピースして!」
「・・・分かった」
水瀬君がピースをする。フラッシュが焚かれ、写真を撮ったみたいだ。
その写真が、機体の画面に出てきた。
「・・・水瀬君。無表情って、どうなのかな・・・。笑顔になろうよ・・・」
水瀬君は冷めた表情でピースをしていた。なかなかシュールだ。
「いきなり笑顔になれって言われてもな・・・。自然に笑顔になれる桐生が凄いと思うが」
確かに、私は幸せそうな顔で写っていた。何だか恥ずかしいな・・・。特に意識はしてないんだけど・・・
「とにかく!取り直しができるみたいだから、水瀬君は笑って!」
「お、おう」
再び写真を撮る。
「うーん。まあ、良いかな・・・」
水瀬君、笑うと言うか微笑レベルだが、水瀬君は基本的に笑わない人だし、これでも頑張った方・・・なのかな?
「プリクラって、こんなに疲れるものだったのか・・・」
水瀬君が疲れた顔をしている。
画面に、『今度は、手を繋いでね!』と、出てきた。
手を繋ぐって・・・。恥ずかしくて、いきなそんなことーーー
「今度は手を繋ぐのか・・・。まあ、ピースよりマシか」
水瀬君が、手を握ってきた。
「み、水瀬君!?」
「あ?なんだ、俺と手を繋ぐのは嫌か?」
水瀬君が楽しそうにしている。
「我慢しろよ?そういう指示なんだから仕方ない」
慌てる私を見て、水瀬君が凄く楽しそうにニヤニヤしている。水瀬君って、Sだったんだ・・・
フラッシュが焚かれ、写真を撮る。
「なかなか良い写真だな」
水瀬君は楽しそうにしていて、私は少し俯いていた。良かった・・・肌が白くなるようにしていて。普通に撮られたら、顔が赤くなってただろうな・・・
『最後に、彼女さんは彼氏さんに抱き付いてね!』と、出てきた。
「なっ!?これ、恋人用の機体だったのか・・・?」
今度は水瀬君が慌てている。
「桐生、そんなことしなくて良いからな。そういうのは恋人同士がやるものでーーー」
「えいっ」
水瀬君の腕に抱き付く。
「はっ!?桐生、お前何してるんだよ!」
「・・・水瀬君、私に抱きつかれるのは嫌?」
「別に嫌じゃないがーーー」
「なら良いでしょ?それに、そういう指示なんだから仕方ないよね?」
さっき水瀬君に言われたことを言う。
「・・・チッ、分かった。抱きつかれてれば良いんだろ?」
「うん!」
フラッシュが焚かれ、写真が撮られる。
その写真には、恥ずかしそうに目線を逸らす水瀬君と、幸せそうに笑う私が写っていた。
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「はい、水瀬君の分」
プリクラのお絵描きも終わり、プリントされた写真を水瀬君に渡す。
「ああ・・・。ん?なんか種類が少なくないか?」
あ、やっぱり気づかれた。
「気の所為じゃないかな?」
極めて自然に、嘘をつく。
「・・・まあ、良いか」
水瀬君は疑わしそうにしていたが、見逃してくれた。・・・ごめんね水瀬君。お絵描きで、恥ずかしいこと書いちゃったから・・・。あんなの水瀬君に見せられないもん。
「用事は済んだし、帰るか。家まで送る」
「あ、うん。ありがとう」
帰り道を行く。
「桐生、今日は楽しかったか?」
水瀬君が、そう聞いてきた。
「うん!凄く楽しかったよ!」
今日、水瀬君についてきて良かった。あんな写真を撮れたんだし・・・
「そうか」
それっきり、水瀬君は私を見ずに歩く。
「水瀬君、ここまでで良いよ」
私の家の近くまで着いたので、水瀬君にそう言った。
「家まで送ると言ったが?」
「もうすぐ着くから大丈夫だよ。水瀬君が家に帰るのに遅くなったら悪いし」
もう6時を過ぎている。そんなに遅くはないが、だからと言って水瀬君にそこまでしてもらったら悪いだろう。
「そうか。じゃあ、ここでお別れか」
「うん。・・・最後に聞きたいことがあるんだけど、良いかな?」
「ああ、なんだ?」
水瀬君は私の目を見て聞いてきた。
「水瀬君。今日は楽しかった?」
そう聞くと、水瀬君は目を丸くした後、
「まあ、楽しかったな」
と言った。
「そっか・・・。じゃあ水瀬君、またね!」
「ああ、またな」
私と水瀬君は反対方向に歩く。暫くして水瀬君が見えなくなった後、プリクラで撮った写真を見る。
その一つには、『水瀬君大好き!』と、書かれていた。
プリクラのとこを書くのに時間がかかった。3回くらいしか利用したことがないので、よく分からなかった・・・
今回から過去編は要所だけやります。長くしても特に意味ないんで。
追記ですが、この時まだ桐生はアキラに対しラブではないです。ラブに近いライクです。




