第28話 世の中思い通りにはならない
執筆スピードが上がらない
何故こうなった。
「おいお前、ここのカジノの経営状況ってどうなっているんだ?」
気になったことを聞いてみた。
「え?そんなの知りませんよ。自分で調べたら良いんじゃないですか?」
「えっ」
冷たい反応。
「ねえ、私からもお願いしたいんだけど」
システィアがお願いした。
「はっ、分かりましたシスティア様!喜んでやらせていただこうと思います!」
めちゃくちゃいい笑顔で答え、何処かへと走って行った。
「・・・なあシスティア」
「何よ」
「ここのチンピラ共のボスって俺だよな?」
「当たり前じゃない。他に誰がいるのよ」
「・・・じゃあさ、何でこんなに俺の言うこと聞かねぇんだよぉぉぉぉぉ!!」
いやほんとマジで、何故こうなったんだ?
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俺がシャイニングとかっていうギャングのボスになった翌日、俺はその事務所に来ていた。
「よお」
「・・・お前か」
元ボスが居たので挨拶すると、とてつもなく不快そうな顔をされた。失礼な。
「あ?ボスに対してそんな口利いて良いと思ってるのか?一般戦闘員A」
「俺はそんな名前じゃねえよ・・・」
「俺お前の名前知らないからな。教えろ」
名前を聞くと、果てしなく嫌そうな顔をされた。
「教えたくねえ・・・」
「じゃあお前の事、今度から雑用係と呼ぼう。ほら雑用係、トイレ掃除でもしてこい」
「何でそうなるんだよ。トイレ掃除何て誰がやるか」
「は?お前ふざけんなよ?トイレ掃除がどんなに大切か分かってんのか?トイレ汚いと使う時嫌になるだろうが!」
「なんでそこにキレるんだよ。・・・はあ、エイラだ」
「え、トイレの名前が?」
「誰がトイレなんかに名前つけるか!俺の名前だよ!」
「トイレなんかだ!?ぶっ殺すぞ!」
「そこにキレんの!?」
ふむ、こいついじり甲斐があるな。よし、今度から俺のいじり要員が増えるな。良かったなシスティア、モブ。仲間が増えるぞ。
「さて、そろそろ真面目にやるか。ところでお前・・・なんだっけ、雑用係?」
「エイラだ!」
「そうそうエイ・・・じゃなくて雑用係」
「お前真面目にやるって言ったの嘘だろ!?ふざけんな!」
「煩いな・・・。まあエイラ、思ったんだが・・・多くね?」
「は?何がだよ」
「いや、ここにいる人数がさ」
この事務所にいるチンピラ共なんだが・・・多い。100人は軽く居る。昨日俺が乗り込んだ時は50人位しか居なかったよね?
「いや、別に多くはないだろ。うちのグループ総勢4000人近く居るぞ」
何それ凄く多い。
「昨日50人位しか居なかったじゃないか」
「ああ、昨日はみんな休みだったんだ。普段はこの位は居る」
何それ怖い。もし昨日じゃなくて今日乗り込んできてたら、もしかしたら傷の一つ位は負っていたかもしれない。いやまあ勝てるけどさ。
「ところでシスティアは何処だ?先に来ていたと思うが」
今日システィアは、何故か俺より先にこの事務所に向かっていた。一応システィアも女の子なので、こんなチンピラ共の巣に一人で行かせて大丈夫か心配だったが、危なくなったら連絡すると言っていたので先に行かせた。・・・それにしてもシスティア、どうやって連絡するつもりだったんだろう。この世界に携帯電話なんてないのに。
「ああ、あの人か。奥の部屋にいるけど・・・。行かない方が良いぞ」
「は?何でだよ。見られたら困ることでもしてるのか?」
もしシスティアに手を出していたら、昨日部下になったばかりのこいつらを、俺は殺さなくちゃいけなくなるんだが。
「いや、俺は別に困らないが・・・。まあ、行くって言うなら止めはしない。後悔しても知らないけどな」
「なら遠慮なく行かせてもらうぞ」
システィアが居るであろう部屋に向かう。さて、中で一体何が行われているんだ?部屋の中に入ってみると、
「ぶひぃぃぃぃぃ!!女王さまぁぁぁぁぁ!!もっと俺を殴って下さいぃぃぃぃぃ!!」
・・・なんかキモいのが何人か居た。・・・よし、見なかったことにしよう。無言で部屋を出ようとすると、
「ア、アキラ助けて!この人たちをなんとかして!」
システィアが涙目で助けを求めてきた。
えー。できれば関わりたくないんですけど・・・。まあ、システィアの為だし仕方ないので助けてやろう。あんなキモいやつらに近寄りたくないので本気出す。
システィアの前に守るように立つ。
「おら豚共!システィアに殴られたいなら、俺を倒してからにするんだな!」
「上等だゴラァァァァァ!!」
・・・うん。美人を守る為に戦うという、男としては誇るべき戦いであるはずなのに、何一つ嬉しくないのは何故だろうか・・・
微妙な気持ちになりながらも戦った。
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睡眠地雷を使ってあっさりと無力化し、一息ついていると、
「な?見なかった方が良かっただろ?」
雑用係が背後に立っていた。どうしよう、気づかなかった・・・。俺もまだ甘いな。システィアなら背後に誰かが立ったら瞬時に反応できる。実際の戦闘力はともかく、そういう技術はシスティアの方が上だからな・・・
まあ、スキル使えば簡単にわかるけどね。
「なかなかキモい事になってたけど、どうしてああなってるんだ?」
ドMが沢山いたが。
「昨日彼女を拘束しようとした奴らはみんなボコボコにされただろ?その時に目覚めたらしい」
ちょっと殴られた程度で目覚めるとか才能あるな。俺は数ヶ月殴られ続けても目覚めなかったぞ。ちょっとだけしか。
「怖かった・・・」
おお、システィアが怯えてらっしゃる。どうしよう、凄く可愛く見える。これがギャップ萌えというやつか・・・。うん、いいね!
「システィア大丈夫だよ。僕が守るから・・・」
イケメンパワーを駆使し、抱きしめようとする。が、
「今のアキラには触られたくない・・・」
冷たい言葉と共に拒否された。酷い。俺じゃなかったら心折れてる。
「はいはい。まあ、守るって言ったのは本当だから安心しろ」
仕方ないので真面目に相手してやる。システィアは俺のイケメン(笑)モード嫌いみたいなんだよね。
システィアの頭を撫でていると、
「いちゃついてんじゃねえよ。やるなら宿でやれ」
雑用係が口を出して来やがった。お陰でシスティアが顔を赤くして離れてしまった。
ちっ、折角システィアが珍しくデレたのに・・・。貴重な時間を中断させやがって。後で絶対トイレ掃除させてやる。
「私としたことが・・・。よりによってアキラにこんなとこ見せるなんて・・・」
システィアが激しく後悔していた。何もそんなに嫌がらなくてもいいのに・・・。よりによってって、幾ら何でも酷くない?俺だって傷つくことくらいはあるんだぞ?
「さて、そろそろやるか」
本来ここでやる予定だった事をだ。面倒くさいけどやるって言ったしー。
「何をする気だよ。変なことはするなよ?」
雑用係がなんか言ってきた。こいつ、新しいボスに対して口がなってないな・・・。別にいいけど。
「そっかー、折角お前の妹を助ける準備でもしようかと思ったんだけどなー。やるなって言われちゃったらどうしようもないなー」
「よしボス!俺の妹を取り返す為頑張りましょう!」
こいつ、さっきまで俺のことお前って呼んでたくせに、妹を助けてもらえるとわかった瞬間に態度変えたな・・・。昨日も思ったが、こいつ、間違いない・・・。シスコンだ。結構引きます。
「んじゃ、まずは戦力の確認するか。雑用係、このグループと・・・ブレイカーだっけ?そいつらについて詳しく教えてくれ」
その辺にあったソファにシスティアと座る。というかシスティア、いつまで顔赤くしてるんだよ。いい加減なんか喋れよ。
「戦力って、もしかしてお前、ブレイカーの奴らと真正面からやり合うつもりか?」
「んなの当たり前。頭脳プレイは面倒くさいからやりたくない」
一応、直接戦うのではなく、搦め手から奴隷にされた人たちを助ける方法もあるにはあるが、果てしなく面倒なので嫌だ。俺は楽をしたいんだよ!
だがしかし、雑用係は微妙そうな顔をした。
「いや、それはやめておいた方がいい。ウチがブレイカーに真正面から戦って勝つのは、はっきり言って無理だ」
「は?何でだよ。言っとくが俺は強いぞ?」
「確かにあんたは強い。だけど、それでも勝つのは無理だ。ブレイカーには六千人の戦力、そして・・・あの『鬼殺し』ベルゼルガと、『殺戮魔法』アイデートが居るんだからな」
人数多っ。というか何その二つ名。かなり中二臭いんだけど。
「誰だよそいつら。強いの?」
強い奴がいると聞くと、ちょっと戦ってみたくなる。俺もなかなかバトルジャンキーだな・・・。システィアのこと笑えない。
「強いなんてもんじゃないぞ・・・。なんたって二人とも、80レベに到達したって話だからな・・・」
・・・は?
「ベルゼルガは単独でオーガキングを殺し、アイデートも単独で数百の魔物の群れを皆殺しにしたって話だ・・・。こいつらとやり合うには分が悪すぎる」
うん、凄いね。でもさ・・・
それ、二つとも俺やった事あります。オーガキング?地雷でワンパン。数百の魔物の群れ?落とし穴適当に作れば勝手に死ぬけど?
というか、オーガキング殺すだけで鬼殺しなんて名乗れるのかよ。俺も今度から『龍殺し』とかって名乗ろうかな。
「そのくらい私でも出来るけど?」
ほら、システィアも出来るってよ?というかシスティア、久しぶりに喋ったな。ずっと悶えてたから、当分は話せないかと思ってた。
「な・・・マジかよ!凄えなアンタ!」
当たり前だ。システィアを舐めるなよ?なんたって俺の剣の師だからな。俺も割と最近までボコボコにされてたし。
というか俺、実は他にやることがあるんだよな・・・。この分なら、此処はシスティアに任せても大丈夫だろ。
あ、そうだ。
「システィアー。俺やらなきゃいけないこと思い出したからちょっと行ってくる」
「やらなきゃいけないこと?何よそれ」
「ヒ・ミ・ツ❤️」
「うわ・・・キモ・・・」
最近毒舌に磨きが上がったなシスティア。俺のせいだけど。
「ああ雑用係。リーダーが変わったって事は皆に知らせてるのか?知らせてないなら言っといてくれ」
「俺は雑用係じゃねえ!!」
雑用係の怒声を軽く流し、悠々と事務所から出て行く。
さて、やるかな。システィアが居る前では中々出来ず、最近あまりやっていなかったが・・・、今なら出来る。
「さて、やるか」
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「システィア様ばんざーい!システィア様ばんざーい!」
一時間程して事務所に戻って来ると、異様な連中が100人位居た。何こいつら、宗教団体か何かですか?というより、何やら聞き慣れた名前を連呼していた気がするが・・・。うん気のせいだな。よし、宿に帰ろう。
回れ右して出て行こうとすると、
「助けてアキラーーー!!」
誰かの悲鳴が聞こえた。俺を呼んでいた気がしないでもないが、多分気のせいだな。うん、俺は何も聞かなかった。
「お願い助けて!見捨てないで!」
うお!?誰かが俺の背中に抱きついてきた!・・・まあ、システィアなんだけどね。
「おい貴様!システィア様に抱きつかれるだと!?何様のつもりだ!!」
うわ、おっさんがなんか言ってる・・・
「流石にこれは面倒くさそうだから嫌なんだけど・・・」
「お願い!何でもするから!」
ん?今何でもするって言ったよな?よし、
「後で膝枕してくれるなら、助けてやらんでもない」
「その位いつでもするから助けて!」
「よし来たぁぁぁぁぁ!!かかってこいテメェ等!返り討ちにしてやる!!」
「上等だゴルァァァァァァァ!!」
その後、暴徒の鎮圧をした。大体3分位かかった。どうやったか?睡眠地雷大量使用しましたが何か?
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「で、これはどういう事だ?」
暴徒の鎮圧をした後、システィアと暴れていなかった雑用係から話を聞いていた。
ちなみに今システィアに膝枕してもらってます。素晴らしく気持ちいいです。丁度顔を赤くしたシスティアも見れて視覚的にも素晴らしいです。
「それが・・・システィアさんがベルゼルガやアイデートに匹敵する程強いって話を皆にしたら、これで家族や恋人を取り戻せるんじゃないかって大喜びしていたんだが・・・。そこから何故かシスティアさんを崇める事になったんだ。で、ヒートアップした結果ああなった」
ヒートアップするにも程があるだろ。あれじゃ完全に狂信者だぞ。関わり合いになりたくないレベルだった。
そしてシスティアが、
「ねえアキラ・・・今しなきゃダメなの?」
と聞いてきた。膝枕のことか?
「駄目だね。システィア、いくらでも膝枕するって言ったよな?だったら俺がやってくれっていたらいつでもやらなきゃ駄目だろ。一生」
「一生って・・・」
システィアが呆れているが、俺マジで言ってます。何十年経ってもやってもらう所存。
「おい、いちゃつくなら宿でやれ」
雑用係がなんか言ってきやがった。
「モテない僻みか。見苦しいな」
「煩い!良いんだよ!俺にはフィアが居るんだからな!」
「知ってる?妹とは結婚出来ないんだよ?」
「関係ないな!結婚出来なくとも夫婦のような生活を送ることはできる!」
シスコン、マジキモイです。
「まあ、お前の性的嗜好はどうでも良いか・・・。よし雑用係、そろそろ真面目にブレイカーを潰す準備をするぞ」
「準備って言ったって・・・。具体的には何をするんだよ」
「まずは金の用意だな。4000人と6000人が戦うとなれば、その分武器や医薬品とか色々必要になってくるからな。それを用意するには金が必要だ」
「なるほど。じゃあ、部下にできる限り金を用意するよう言っとく」
「ああ、よろしく」
ボスが何処かへ行った。さて、寝るか。
「システィア、俺は寝るから昼飯の時間になったら起こしてくれ」
「良いけど・・・。膝枕はいつまですれば良いの?」
「んー?取り敢えず、俺が寝ている間はやってもらうけど」
「長くない!?」
「システィアがいくらでもやるって言ったんだぞ?じゃあ、よろしく」
システィアが何やら文句を言っていたが、気にせず寝た。ああ、システィアの膝枕、気持ちいいなぁ・・・。
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数日後。
「どうしよう。部下が全然言うこと聞かない。何で?」
問題発生。俺がボスになってから結構経つが、全然言うこと聞いてくれない。理由を雑用係に聞いてみると、
「システィアさんのインパクトが強すぎたからな。アンタの強さを知っている奴ってかなり少ないし、崇拝されてるシスティアさんがボスみたいになってるんだろ」
とのこと。システィアの所為かよ・・・
「別に良いし・・・。システィアがボスでも俺が指示出せば特に問題無いし・・・」
「拗ねるなよ・・・」
拗ねて無いし。ただちょっとだけ悔しいだけだし。
何でもかんでも思い通りにいくわけじゃなかった。まあ良いよ。いつの日か絶対俺に服従させるから。覚悟しとけよシスティア・・・!
別にシスティアが悪いわけじゃ無いけどね。




