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第22話 怖いお兄さんたち

すみません。遅れました

ーーミール国の、とあるカジノでーー


「あいつ、また当てやがったぞ!」


「おいおい、これで何連続だよ・・・」


「おかしいだろ!イカサマやってんじゃねえのか!?」


「それはないだろ。コボルドレースでイカサマなんて出来るはずないし」


「だったら、あいつは一体どうやって・・・」


たった数時間で、数千万パルという大金を稼いだ男が居た。その男は黒い髪と目を持ち、不敵な笑みを浮かべ、圧倒的な威圧感を放ち、傍に絶世の美女を侍らせていた。


その男は一体誰なのか。

連続で当てるのはほぼ不可能と言われているコボルドレースで、たった数時間で大金を稼いだその男は一体誰なのかーーー


そんなの決まっている。俺だよ。水瀬明さんだよ!


「クハハハハハハハハハッ!!見ろシスティア!金が掃き捨てれるほどあるぜ!?」


「いや、その辺にしといた方が良いんじゃ・・・」


「いやいやー。もっとやっても大丈夫だって。ギャンブルってのは胴元が一番儲けるようにできてんだからさ、その中で1人くらい荒稼ぎしたところで別に問題無い」


「そうだとしてもやり過ぎだと思うけど・・・」


そうかな?1万パルが5000万パルになっただけなんだが。


「で、どうやったの?」


「んー、何が?」


「今やってるコボルドレースの順位当てよ。素人がそう何度も連続で当てるなんて不可能でしょ?」


「えー教えて欲しいー?」


「ええ」


「だが、断る(キリッ)」


「・・・そう言うと思ってたわよ」


別に大したことはしてないんだけどなあ。

俺が今やっているのは、コボルドレースというやつである。要は競馬の馬をワンちゃん(体長1.5メートル眼つき超悪く恐い魔物)に変えた騎手なしにしたものをやり、その順位を当てる、というものだ。


さて、どうやって俺がそれを何度も何度も何度も何度も連続で当てたか。答え、スキル使った。


俺が今回使ったのは、『逃走本能』というスキルだ。これは、戦う前から、その勝負に勝てるかどうか分かる、というスキルだ。

これを使って、順位を当てるギャンブルという勝負で勝てるかどうかを知った。


・・・こんな使い方をするスキルじゃないんだけどさ。本来は多分、何か強大な敵かなんかに会った時に、「こいつに勝てるのか!?」ってなった時に使うスキルなんだと思う。


実際、最初使った時はギャンブルで勝てるかどうかなんて分かんなかったし。

けど、「頑張れ頑張れできるできる絶対出来る頑張れもっとやれるって気持ちの問題だってもっと熱くなれよおおおおおおお!!」とかって思ってたら出来るようになった。


何だろうか。以前ちょっと他のスキルを試した時も思ったけど、スキルって適当なんじゃね?気持ちの持ちようによって出来ることが増えるってどゆこと?


まあ、元々それ狙いでこのカジノに来たから良いんだけどさ。ウハウハだよ。大儲けだよ。スタッフの皆さんから凄い睨まれてるけど。こんな大人数から睨まれるって久しぶりかもしれない。昔は結構よくあったけど。

・・・クラスの連中め。ちょっと軽く復讐しておいた方が良かったかもしれない。寛大な心で許しちゃう俺優しー。きっと俺の前世は天使、いや神だな。


「よし!もうちょっとやるか!」


「ああ、もう好きにして・・・」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「いやー儲かった儲かった!」


「やり過ぎでしょ・・・」


あの後、更に2000万パル程稼いできた。その間システィアが文句言ってきてウザかった。まあ確かに?こんなにあっても多分使わないけどさ。


「ん?これは・・・」


ふーん?・・・なるほど。


「ねえ、アキラ。これって・・・」


え、システィアも気付いたの?・・・マジで!?システィアってろくに気配にも気付けない脳筋じゃなかったの!?エンデス城からの追っ手には気づかなかったじゃん!・・・いや、あいつらが優秀だっただけか?


「よし、システィア。先に宿に戻っていてくれ」


「良いけど・・・。アキラはどうするの?」


「多分狙いは俺だろ?ちょっと片付けてから宿に戻る」


「分かった。気をつけてね?」


え、何言ってんの?


「俺に傷付けるなんて不可能だろ。お前でも無理なんだぞ?」


「・・・まあ確かに、そうね」


システィアは儚く微笑み、


「じゃあ、頑張ってね」


「ああ、分かった」


そう言って、去って行った。・・・どうでもいいけど、なんで死亡フラグみたいな別れ方したんだろう・・・。雑魚の相手するだけなのに・・・


「まあいいか。さてと」


連中が居る方に向かって歩いていく。暫くすると、


「おっと、危ない・・・訳でもないな。掠ってもないし」


いきなり石が飛んできた。全く、いきなり危ないな。当たんないけど。


さて、そんな物騒なことをしてきたのは・・・


「おいアンタ。ちょっと来てもらおうか?」


「普通に嫌だ」


恐いお兄さん達だった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「悪いことは言わねぇ。さっさと付いて来い。それがテメェの為にもなる」


ハゲのおっさんがなんか言ってきた。


「俺知らない人には付いていかない主義だから」


「ああ!?」


うわ煩っ。久しぶりに鼓膜攻撃を受けた。結構キツイ・・・


「おい。付いてねぇって言うなら、こっちとしても穏便には済ませられねぇ。怪我したくねぇならさっさと付いて来い!」


「嫌でーす。おっさんにヤられる趣味は無いんでーす」


「ふざけてんのかテメェ!?」


割と全力でふざけてるけど何か?


「まあとにかく、付いてくつもり無いから。俺を口説きたいなら美少女でも連れて来い」


それでも多分付いて行かないけど。


「チッ、ふざけやがって・・・。仕方ねぇ。軽くシメてから連れてくぞ」


そう言って、剣を構えてきた。剣を使ったら、軽くどころか大怪我する気がするのは俺だけなの?


・・・相手は5人か。これは勝てるか?

いや勝つんだ!生きてシスティアのもとに帰るんだ!


「俺たちに逆らったこと、後悔しやがれ!」


「上等だゴルァァァァァァ!!」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「てーい」


「ゴハァ!?」


「やー」


「ギャアァァァァァァ!?」


「とー」


「イテェェェェェ!?」


「あらよっと」


「ウワァァァァァ!?」


結果。圧勝。適当に殴ったら勝てた。


「クソッ!なんだこいつ!強過ぎる!」


手応え無いなー。よくこんなので勝てると思ったなこいつら・・・。なんか最近、まともな戦いをロクにして無い気がする。というか今まで戦った中だとシスティアが一番強い。訓練だけど。訓練相手が最強ってどうなの?


「仕方ねぇ!おいお前ら!俺を置いて逃げろ!」


「アニキ!?何を言ってんだよ!」


「こいつには俺たちじゃ勝てねぇ!俺が時間を稼ぐから、さっさと逃げろ!」


「そんな!アニキを置いていくなんて出来るわけ無いだろ!」


「バカヤロー!そんなこと言ってると全滅するぞ!良いからさっさと逃げて、ボスに伝えるんだ!ボスならきっと、なんとかしてくれる!」


「でも!」


「良いから早く行けぇ!」


「アニキ!・・・ちくしょぉぉぉぉぉぉ!!」


・・・あれ?気づいたら、俺が悪人っぽくなってる。オマケに逃げられてるし。まあ良いか。別にそれでも俺困らないし。寧ろSの俺としては中々楽しくて良い。


「おい待たせたな。一人になっちまったが・・・ここから先には行かせないぜ?」


どうしよう。アニキが中々良いキャラしてる。ハゲだけど。なんか倒すの勿体無いな・・・


「あいつらの為、このジャッカル!派手に散ってやるぜぇぇぇぇぇ!!」


「てい」


「ギャアァァァァァァ!?」


あ、ついうっかりやっちゃった。

まあ良いか。


・・・さて、


「逃げた奴ら追うか」


スキル『索敵』を使い、逃げた奴らの特定をする。『索敵』は、半径5キロ以内の知覚をすることが出来るスキルだ。隠れる為のスキルを使ってない奴らの特定なんぞ簡単だ。アニキの努力無駄だったな。ドンマイ、アニキ。


「よし、行くか」


逃げた奴らを追っていく。何が起こるのか非常に楽しみだ。ぜひ俺を楽しませてくれ。楽しませてくれたら褒めてやるよ、心の中で。

小説の構想をしていたら、何故か完結までしていました。更には後日編まで。頑張って文章にしていきたいです。

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