第2話 異世界召喚された・・・
宜しくです
「どこだ?ここ」
さっきまで教室にいたはずだが・・・
ここはどう見ても教室ではない。全体的に白く、不可解な紋章っぽいのがそこら中に描かれている。というか、俺以外クラスメイト全員寝てる。さっさと起きろ!心細いだろうが!
「あれ?ここは・・・」
女子生徒が目を覚ましたようだ。名前知らないけど。
「え?え!?」
「ここはどこ!?」
「私は誰!?」
「あーよく寝た」
他の皆も目を覚ましたようだ。皆混乱してるな。余裕そうな奴もいるけど。
「・・・あれ?水瀬君?」
桐生が眼を覚ました。
「おはよう桐生。なんだか俺達拉致されたみたいだよ」
「えっ!?」
桐生が驚く。桐生が大声を出すのは久しぶりに見るなあ。・・・あ、そういえば、
「桐生、ここに来る前に言おうとしてたことってなんなんだ?」
中途半端に聞いたので気になる。きちんときいておきたい。
「えっと、それはね」
「あんっ・・・そこはダメ・・・」
なんだか気色悪い声が聞こえた。
「なにキモいこと言ってんだモブ。さっさと起きろ」
軽く蹴って起こす。但し股間を蹴って。
「ギャアァァァア!?」
「煩い」
更に腹を蹴る。これは割と強めで。
「がふっ!?」
よし、これで静かになった。
「で、なんだ桐生」
「・・・ごめん、後でいい?」
「え、まあいいけど」
あんなキモい声聞いた後じゃ駄目か。モブめ、なんて事をしてくれる。絶対に許さん。
「うう、あんまりだ・・・」
モブがなんか言ってる。
「起きないお前が悪い」
「酷い・・・」
何だこいつ、いきなり泣き始めたぞ?どうしたんだろ。
「おいモブ。ここがどこか分かるか?」
「知るわけないだろ」
使えないなこいつ。
「でもなんとなく、想像はついた」
「へぇ?」
やるなモブ。だが、俺が分からずお前が分かるというのは結構ムカつくんだけど。
と、その時、豪奢な服を着た人が数名現れ、その人達が、
「ようこそ!勇者様方!」
と言った。
「・・・うん、間違いない。ここは」
モブは言う。
「異世界だ」
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「改めまして、ようこそ勇者様方。私はエンデス王国第一王女、ミルフィ・エンデスと言います」
ひとまず落ち着いた俺たちに、金髪の美少女はそう名乗った。
「あの、ここはどこなんですか?エンデス王国なんて聞いたことないんですが」
白河がそう質問する。よし、会話は全部あいつに任せよう。変なこと言ったらキレるけど。
「聞いたことが無いのも無理はありません。ここはあなた達が住む世界とは別の世界なのです」
モブの予想通りだな。でもいきなりそんな事言われたら普通「ああ、頭の弱い子か」って思うと思う。
「えっと、それはつまり僕たちは異世界召喚されたということですか?」
「はい。そういうことです」
何で白河は異世界召喚なんて言葉知ってるんだ?俺は以前モブがラノベを読んでいて、ウザいくらい異世界モノとやらの素晴らしさについて語られたからしっているんだが。もしかして白河もそういうの読んでいるのか?結構意外。
「そうですか・・・僕たちを召喚した理由は?」
白河がそう質問する。
「はい。今私たち人類は、魔王が率いる魔族という者たちから今から一年後に侵略をするという警告を受けました。魔族たちは強力で、今のままの戦力では負けてしまうでしょう。そこで、古来より伝わる勇者召喚をし、あなた方を召喚しました。お願いです!魔王を倒し、私たちをお助けください!」
あらやだ一気に全部説明された。
そう言って、王女や他の連中が頭を下げる。
なるほど。所謂テンプレというやつだな。この場合白河はーー
「分かりました。お任せ下さい!」
と言うと思ってたよ。このクズ。マジで死ね。腹切って詫びろ。
「ちょっと待とうか白河。なんで相談無しにそんな重要な事決めるのかな?バカなの?死ぬの?・・・寧ろ死ね」
最後の言葉だけは小声で言っておいた。が、このアホさ加減には呆れる。あの狡猾さは何処に行った。隠してんのか?
「何でだ水瀬。この人たちはこのままじゃ魔族にやられてしまうんだぞ!」
うん、やっぱりこいつアホだな。多分昔のアレは悪魔かなんかが取り憑いていたんだろう。きっとこれが、白河の本当の姿なんだ。
「あのなあ白河。こいつらはつまり『私たちのために殺し合いしてください!』って言ってるようなもんだぞ?もし俺らが死んだらどうすんだよ」
「大丈夫だよ!僕たちは勇者なんだから!」
はいバカー。やっぱり普段のコイツ凄いバカー。演技だとしてもとてつもないバカー。
「あのなあ白河。それはこの人達が勝手に言ってるだけで、本当に勇者と言われるだけの力があるかどうか分からないんだぞ?最悪囮や、特攻染みたことをさせられるかもしれない」
そんなことやりたいならお前一人でやれ。俺や桐生を巻き込むな。・・・え、モブ?あいつは良いんじゃない?悪運強いから生き残れるだろ。
「君はこの人達が嘘をついているとでも言うつもりかい?」
「飽くまで可能性の話だけどな」
「そんな!私たちは嘘などついておりません!」
王女が反論する。だが、俺は美少女相手でも甘くないぞ。
「そういうのは証拠を持ってきてから言おうか。あと今相談中だから黙っててもらえる?」
王女を黙らせておく。
「そもそも、この人達が良い人なのかも分からないだろ。もしかしたら魔族が良い人たちで、この人達が悪い人なのかもしれない」
「そんな!」
王女が悲鳴をあげる。煩い。
「仮にこの人たちがみんな良い人で、魔族が正真正銘の悪い奴らだったとしても、戦奴隷のような扱いを受けるかもしれないしな。さて白河。どうする?」
そう言って締めくくる。
「お願いします勇者様方。信じてください」
王女が涙目で懇願する。
それを見て白河は、
「・・・僕には彼女が嘘をついているようには見えない。信じてもいいんじゃないか?」
「まあ、そうだな」
まあいいかな。俺は盲目的に信用するのを止めたかっただけだし。というかそもそも王女嘘ついてなかったし。
ちなみにですが、もう30話分くらいは既に構想してます。問題はそれを文にするやる気