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僕と私のTSライフ

「おや?何だい君は。こんな人気の無い場所で。」


人目の無い校舎裏の林に面した場所に二つの人影があった。

一人は女のような顔をした幼い体付きの少年で、ピンクの花柄の弁当を開けていた。


「ちょっとばかり一人で考え事をしたかったんだけど、邪魔したかな?」


もう一人は女子にしては些か髪の短い、しかし肉付きのいい体の少女だった。


「そんな事はないよお嬢さん。腰を落ち着けるにはここはいい場所だからね。」


少年の言葉を受けて、少女が距離を取って座る。購買で購入したパンを取り出しパクつき始めた。


時刻は昼休み。カラリと晴れた空に太陽が眩しかった。


「ふふ。」


「ん?」


少女の笑う声に少年が顔を向ける。


「お嬢さんだなんて。」


「ああ、言い回しがおかしかったかい?」


「っと、ごめん。」


「いいよ。よく変だって言われるから。」


「聞きなれないからおかしかっただけ。変じゃないよ。」


「お嬢さん、嘘はよくない。ほら、また笑ってるじゃないか。」


「ふふ、……だって、これには一身上の理由があるんだよ。」


「一身上の理由ねぇ、まあ僕は心が広いからね。大抵のことは許しちゃうよ。」


「男前だなぁ。……?どうしたのさ、変な顔をして。」


「今、僕は深く傷ついた。」


「なんで!?何処に!?」


「一身上の理由だよ。」


「人をからかうの、よくないと思います。」


和やかな時が過ぎる。


「さてと、そろそろ昼休みが終わるかな?」


空になった弁当箱を閉じて、少年が立ち上がる。片手を振ってさよならの挨拶を少女に送った。

少女もにこやかに振り返す。少し話しただけだが馬が合うというやつだろう。同属のような臭いを知らず嗅ぎつけたのかもしれない。


「はぁー、次は数学かぁ。」少女もまたスカートを払って立ち上がった。


二人はこの後度々昼食を共にすることがあるが、同じ学校にTSした少年少女がいると互いを血眼になって探すのはまた別の話である。





終わり

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