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第一話 ~衛生について考えてみよう~

 第一話です。【最強の存在】を異世界から召喚します。

 ここは、ドコゾノ国の王城、その地下に極秘に設けられた「召喚の間」。

 そこに、数名のドコゾノ国の重 鎮(エラそうなヒト)達が集まっている。

 石造りの床に描かれた召喚陣の上で、触媒霊木(エグナック)が熱のない光を放ちつつ消えてゆき……

 代わりに石造りの床に描かれた召喚陣(それ)から、今、「何か」が現れようとしていた。


「今に至るまで全く紹介も説明もされとらんが、儂はドコゾノ国の王……」

 貫禄だけはある偉そうなオッサンがなんか言ってるようだが、この話でやりたい事は「召喚問題」なのでブッチさせていただく。

「あ、おい、こら! 儂の話を無視す……」


 一際激しい光が「召喚の間」を満たし、それが消えた後には、所々何か赤黒い色に染まった汚れた布でグルグル巻きにされた「何か」が召喚陣に鎮座していた。


 数人の重鎮達の一人がその「何か」に近づき、恐る恐る持っていた杖で、その「何か」をツンツン、と突付いてみるが、反応はない。

「今に至るまで全く紹介も説明も描写すらされてませんが、私はこの召喚陣を描いた魔導師で名を……」

 いやだから名前はいらんて。もう面倒だから【国王】と【魔導師】で行くな♪

「「そげなぁ」」

 ほれ、さっさと話を進めんかい!


「どういうことだ【魔導師】よ、儂は『異世界から【最強の存在】を召喚せよ』とお前に命じたはず」

「【国王】様、術式に誤りはございません、私は間違いなく【最強の存在】を召喚するように召喚陣を調整しております」

「では何故召喚した【最強の存在】は身動き一つしな……ゲバッ!」

 突然、【国王】は鼻血を吹いて口からどす黒い血混じりの何かを吐き、その上にぶっ倒れて動かなくなった。

「こ、【国王】様、どうなさ……グボアッ!」

 驚いた【魔導師】が【国王】に駆け寄ろうとして、そのまま同じくどす黒い血混じりの吐瀉物に顔を突っ込むようにして倒れる。

 周りに居た重鎮達も同様にぶっ倒れてぴくとも動かなくなった。


 そしてドコゾノ国から発生した疫 病(バイオハザード)は、この異世界(せかい)に後々まで禍根を残す被害を齎したのであった。


【被召喚先の世界でのちょっとした後日談】


「ニュースです。先日発生した【カラカサ熱】犠牲者の回収された遺体が行方不明になった事件で、政府()保健()総局()と警察は…(中略)…この【カラカサ熱】は近年発見された伝染性疾患の中でも【最強の存在】と呼ばれており……」

【最強の存在】なんて言うからトンでもないものが召喚されてしまったんです。なんちゅう迷惑な。

 ちなみに、被召喚者の居た世界が「この=我々の存在する=世界」かどうかは……どうでもいいです。物語(はなし)の本質じゃないし。

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