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序章:ある女の死

その日は雨だった。

街灯だけが明るく光る夜道を、その女は傘をさして歩いていた。

女のさしている傘は透明なビニールの安っぽいもので、強い風でも吹けばすぐに折れてしまいそうなほど華奢だった。

女の手には近くのスーパーの袋が握られている。

今日のメニューはシチューである。女の子供は、シチューが大好きなのだ。きっと喜んで食べてくれるだろう。

子供の喜ぶ姿を思い浮かべ、女は自然と頬の筋肉が緩むのを感じていた。

毎日毎日仕事に追われている女にとって、子供の笑顔が何よりの癒しであった。

きっと今頃お腹をすかせているに違いない。あの子は買い食いなんて絶対にしない子だから。

そんなことを考えながら、女は交差点にたどり着いた。

ここまで来れば、もう家はすぐそこである。

足踏みしたい気持ちで信号が青に変わるのを待っていた女だったが、なかなか信号の色は変わらない。

車の通りも少ないし、今なら信号を無視してしまっても大丈夫かも、と一瞬考えたが、真面目な彼女はすぐに首を振ってその考えを排除した。

どうせすぐに変わるのだ。そんなに急ぐ必要はない。そう自分に言い聞かせながら。

やがて信号は青に変わる。

女は軽い足取りで歩き出した。

そのときだった。

歩みを進める女に、突然まぶしい光が飛び込んできた。

その光はものすごい速さで女に迫ってくる。

悲鳴をあげる時間すらなかった。

女はその光に、一瞬のうちに飲み込まれていく。

ドン、という何かと何かがぶつかる鈍い音がしたのは、その直後のことだった。




女の手から離れたビニル傘は宙を舞い、一瞬の後に地面に落ちる。

こうして、その日1人の女が死んだ。

始めまして。この「豪雪山荘殺人事件」が人生初の自作小説となる虹宮と申します。

未熟な点も多いかと思いますが、そういう点はどんどん指摘してください! よりよいものがかけるように頑張りたいと思います。

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