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序章
今日も残業か、まあいつものことだ
後藤一 ごー 35歳 会社員
一般的には若手から中堅になることが多い年齢
だが残念ながらうちはブラック企業
名ばかりの役職を与えられて中間管理職真っ最中
自分の仕事をやりつつ後輩育成
更に上より追加での仕事が舞い込んできた
就業時間以内に終わるわけがない
後輩はどうしたかって?
定時で上がらせているさ
このご時世パワハラだと騒がれるのはまずいらしい
更に付け加えると部下が一人やめていった
なんでこの仕事続けてるんですか?だとさ
その考えが正解だ
若手はみんな賢い
社会人になり身を粉にして働いてきた
出会いなどあるはずもなくこの年齢だ
3兄弟の弟妹に先を越されてしまい
ダメ長男のレッテルが貼られてしまっている
俺はなんのために仕事をしているのか
俺はなんのために生きているのか
死んだほうが楽になるかとも思ったがその勇気すらないらしい
そんな自分がとてつもないくらい嫌いだ