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第8話〈忠猫編・ネズミ退治に挑む?猫〉 

我が家の猫が忠猫過ぎる問題!?〈忠猫編〉


第8話〈忠猫編・ネズミ退治に挑む?猫〉 

 

 

拙者にとって初めての浮遊霊狩り…それは惨敗でありました。


拙者の今の霊力では、あの浮遊霊の濃くて厚い首を断つ事が出来なかったのである。

だが、これはこれで良い教訓であるといえよう…。


早めに知る事が出来て、対策を立てられるのであれば僥倖だ(?)。

むしろ、弱いと思っていた浮遊霊に反撃をされたこと、そしてアレが追って来なかったこと…考える余地は山程あるが。 


『ニャニャ(…首筋が厚かったのか?拙者の鎌が薄かったのか?)。』


それが問題である(え)。


あの浮遊霊が特別に首が厚かったとしても、それを断つ程の霊力を維持する事が出来ていない今の拙者では、再戦したところで同じ結果になると思われる。

一方で、尻尾の方は一時的とはいえ妨害効果が証明された。


この2つの違いを考えてみるが…


『ミニャ(おい、クウ。お前、昨夜は何をしてた?)。』


うわぁ、ミー先輩があからさまに怪しんでいますね(汗)。


ここはどうやって誤魔化すべきか??


『ニャニャ(やだなぁ。いつもの霊力訓練をしていましたよぉ?)。』


『ミニャ(今やってるそれは?)。』


『ニャニャ(はい!これはネズミ人形にぎにぎ握力強化トレーニングですね!!)。』


しかも寝たまま、両手両脚の4つ同時ですからね。

奇妙に見えるかも知れませんが(?)。



ともあれ、当面の夜間脱走は禁止して、霊力と体幹トレーニングを中心に強化期間とした。

夜間は木刀の作成に心血を注ぐことにした拙者であった…。


◇ ◇ ◇


ある日、いつもの深夜巡回で拙者は、まだ脚を踏み入れていない場所に赴く事としました。

それは地下室である。


我が家は魚屋であるに、地下室には巨大な冷凍庫があるらしいのです。

と、祖母様が仰られていました(え)。


それと、ネズミがいるそうであります?


ええ、ネズミといえば猫!!

猫としての本領発揮ではありませんか?

浮遊霊に比べれば、屁のかっぱであると思うのですよ。


ですので、今回のネズミ退治は事前にミー先輩にも伝えてあります。

またぞろ、ミー先輩が怪しむので…ただこれは猫としての本能と直感力を鍛えるのに役立ちそうですし、脱走して浮遊霊狩りを行う際のカモフラージュにもなりそうです(?)。



では、1階キッチン廊下の反対側から…西側は店舗へと繋がる通路なので、東側の突き当たりに進み、トイレ横から階段室へ侵入です。


ふむ、暗いですね(え)。


まあ、拙者の猫の目を以ってすれば…降り階段は湿気があります。

そして若干、寒いですね。


階段が終わると、思いの外、広い空間が広がっていました。

天井も高いですが、蜘蛛の巣が多いですね〜?


でも蜘蛛さんは黒いGを捕食して下さるとの事で、主人殿は不殺生を貫いております。

ならば拙者もそれに従いましょう(?)。


さて、いつものように気配を殺して様子を見る。


『ニャニャ(う〜む、機械の音が大きくて、ちょっと難しいですね?)。』


これは恐らく、大型冷凍庫のモーター音でしょうか?

奥に機械っぽいものが動いているので、まず間違いないでしょう。


のちに祖母様曰く、地下室には自家発電機があるとのことで…。


『ニャニャ(おっ!?)。』


これはネズミの糞ですね!!


となると、確かにネズミが潜んでいる可能性は高いですね…。


妙に緊張感が高まりますが、ただ今回は霊力に頼らず、空気の流れや、猫の直感力で挑戦したいと思うのです…よっと!!


『ニャニャ〜(甘いっ!!)。』



バキャン!?



あえての誘いで、背後から首筋を狙っていた襲撃を、拙者は直前で回避しながらの、アッパーカットをお見舞いした!!


奇しくもこの間合いは、あの浮遊霊に拙者がとった攻撃パターンと同じ。

もしもあの浮遊霊が拙者と同じ反応をし、同時に反撃を繰り出した場合、拙者はどう回避していたのだろうか?


拙者ならば、目を活かして避ける。

もしくは相打ち覚悟の反撃、からの距離を取る。


だが、このネズミは…


『ちゅう(やるじゃねぇかぁ?)。』


『ニャニャ(拙者の攻撃を耐えたとっ!?)。』


その短い両手を交差させて、受けで拙者のアッパーカットを耐えきり、ダメージを拡散させたと思しきネズミ。

デップリと太った灰色毛並みのネズミである。


しかし、このネズミはなんだ?



両者、無言で睨み合い、互いに間合いを図る。

拙者は子猫とはいえ、体格差は1:3である…霊力を使わぬとは言っても、まさかここまで手こずるとは思いもよらず?


『ニャニャ〜(たぁあ!!)。』


バキッ!!


『ちゅちゅう(おうぅ!!)。』


バシッ!!


『ニャニャ〜ン(いやぁぁ!!)。』


ガシッ!!!


『ちゅ〜う(おりゃぁぁ!!)。』


攻めて、受けて、躱し、そしてネズミは投げの体勢!?


くっ、ネズミが猫を投げるとっ!?

拙者、猫の意地にも掛けて、こんなところで負けるわけにはいかないのであるっ!!


四肢に力を込めて、今こそネズミ人形ニギニギ握力強化の効果を見せつける。

逆に手を奪い、右足を軸にして回転、うんりゃあぁぁ!!と投げ放つ。


『ちゅう(おめぇ、やるじゃねぇかっ!!)。』


しかしてネズミは空中3回転で、ポトリと地面に着地。

全くの無傷に見える。



その後、拳を交えること数時間…痛み分けと相なった次第で(え)。


痛たたた…むしろ、攻撃を受けられた際のダメージ、拙者自身の手が痛いという結果で、これは如何なものか?まるで鉄を殴っているかのような??


『ちゅう(おめぇ、この家の猫か?子猫の癖にやるじゃねぇか?)。』


『ニャニャ(いや、ネズミ殿には驚かされました!!その武術、どこでお覚えに?)。』


何故か、拳を交えた者同士、友情が芽生えてしまったようで(汗)。



で、話しをするに、このネズミ殿には名前は無い。

あえて言えば「ボスネズミ」と呼んで欲しい、と。


なるほど…拙者はクウであります。以後、よしなに。


ボスネズミ殿は、我が家の地下室に来るまで、近くの何とか流…空手道場に住まわれていたらしいのです。


『ちゅうう(道場が潰れたんで(え)、こっちに引っ越して来たばっかだが、悪いことはしてないぜ?)。』


『ニャニャ(我が家は魚屋ですから…まぁ、悪いことをしていなければ良いかとは思うのですが…)。』


しかし、魚屋の地下にネズミが住んでいるのはイメージ的にどうでしょうか?


『ニャニャ〜(それはそうと、ボス殿は空手ですか?あの防御はどうなっているんですか?)。』


『ちゅう(おう、アレは気だな!!)。』



気…ですと?



『ちゅうう(腹の中心…丹田に気を溜めて、気を巡らすんだぜ。闘気だとか、流派によって呼び名は違うがなぁ?)。』


それは興味深いですねっ!?

拙者、体幹トレーニング中に何とはなく感じていた、あの感覚の正体なのでは!?


『ちゅぅぅ(おいぃ、グイグイ来すぎだろぉ!?)。』


構いません!!ボス殿は、もはや拙者の盟友ですからねっ!!

そして拙者、必ずやその「気」というものを習得してみせる所存であります故に。


こうして、深夜の特訓にボス殿との実戦訓練の日々が加わったのであった…



〈…続く〉


◆ ◆ ◆


クウ君♂

種族〈チンチラシルバー種〉

階級〈血統書付き〉


カテゴリー〈0.5+〉 

戦闘力 5

防御力 4

生命力 4

回避値 5

知能値 3+〈15〉

器用値 6

魔力値 7  


戦技バトルアーツ

奥義「猫鎌切り裂きの刑」

秘技「猫尻尾グルグル巻きの刑」


固有能力パーソナルスキル 

天狐の魂「9」

trigger〈繰り返す〉


能力スキル

侍猫 勇気 忠誠 初志貫徹 繰り返し 霊力 


称号

田崎家の猫


猫の首輪・子猫用(ピンク色)〈首輪〉

属性:プラスチックLV5〈通常ノーマル級〉

付与効果:物理抵抗

鈴付き

耐久値:10

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