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第6話〈忠猫編・創意工夫する猫〉 

我が家の猫が忠猫過ぎる問題!?〈忠猫編〉


第6話〈忠猫編・創意工夫する猫〉 



◎2月下旬 


夜は更けて、今夜こそは決戦日と覚悟を決めました。


とはいえ、アレは決まった日に現れるというものでもない(?)。頻度的には10日に1回ぐらいでしょうか?

 

前回、現れたのは1週間ぐらい前であるに、今夜現れなければ、祖母様の話し相手にそろそろ伺おうかな…などと思っていた瞬間。


『ミニャ(クウ、来たぞ!!)。』


『ニャニャ(お任せ下さい、ミー先輩!!)。』


拙者、まずは二足歩行で構えをとる。

身体の中心点で霊力を練り上げ、それをグググッて尻尾の先まで伸ばす…


『ニャニャ(秘技・霊尻尾グルグル巻きの刑なりっ!!)。』


伸びた尻尾が黒い霊を、文字通りグルグル巻きの簀巻きにする。


霊力をそのまま尻尾として維持したまま、これを途中でプツリと切断。

身動き取れぬ黒い霊に、一気に間合いを詰めつつ、その動きを追う。


よく観察し、動きを予測しろとミー先輩は言う。


ジタバタと暴れる黒い霊の首筋…らしき急所を狙い、爪の親指にだけ霊力を充填!!


『ニャニャ〜(奥義・猫鎌切り裂きの刑なりっ!!)。』



ドバァーーーーーン!!!



黒い霊の首が千切れて、同時に吹き飛ぶ。

それは吹き飛ぶと同時に粉々になって消えてしまった。


手応えは…あんまり無いですね?こんなものなのでしょうか…。


『ニャニャ(やりましたよ、ミー先輩!!)。』


『………。』


何です、そのドン引きした顔は?


これでも拙者、何度も何度も失敗したからこそ、霊の弱点が首を断つか、心臓部位を貫く事…が判明したわけです。

幾度、ミー先輩に助けられた事か(笑)。


『…ミニャ(お前、とんでもない奴だな(呆れ))。』


『ニャニャ(おお、ミー先輩に褒められたのは初めてですねっ!!)。』


今世も含めて、前世では一度も褒められた事もなかったですからね(汗)。

ふふふ…やる気が出ますよ!!


『ミニャ(いや、別に褒めてはいない…)。』


ええぇぇ!?



ともあれ、今回、遂に完成に至った奥義は、親指に霊力を集中することで、鎌状の形態に爪を伸ばし、霊力の刃を構成。

撫でるように切り裂き、首を刎ねましたけども…しかしこれ、とにかくリーチが短い!?


本当は刀の形状に伸ばしたいのだが、霊力の容量が足りないと祖母様が言う通り、これが限界なのです。

結局、拙者はミー先輩のように、霊力だけを外に放出するという技は習得出来なかったので、こういう攻撃方法を選ぶしかなかったのである(え)。


そのリーチを補う為の「霊尻尾グルグル巻きの刑」であります。


しかして、これで当面の課題は達成しましたし、今までの訓練が無駄ではなかった事を実感しつつ、更なる鍛錬に励む事を心に誓う拙者なのでありました!!


とりあえず、逆立ち歩き×3セットの追加であります…ええ、手の筋力が足りないですね(?)。


『…ミニャ(確かに、創意工夫は必要か…)。』


『ニャニャ(え?何か言いましたか、ミー先輩?)。』


『ミニャ(なにも言ってない)。』


プイっと行ってしまったミー先輩…どうしたんでしょう?


あ、母上様も安眠されているようで、一安心ではありますが…。


◇ ◇ ◇


祖母様に報告です。


拙者、遂に目標の黒い霊を倒したのですよ!!と、興奮しきりでお伝えしました。

そんな拙者の様子を、祖母様は穏やかな眼差しで聞いておられました。


しかし拙者、まだまだ修行が足りません(え)。

いわばこれは、対浮遊霊戦に向けた模擬戦のようなものですからね…


『ニャニャ(しかし、確かに感じたのですよ!尻尾に流れた霊力を通して、黒い霊の悪意に触れた事で、拙者の中の霊力の本質にですよっ(?))。』


拙者の中の強い魂の力、そのものが霊力であり、この感覚を忘れないようにしなければいけません!!

今ならば、はっきりと感じます…ほら、尻尾も爪もいつもより…?


『あらまぁ、子猫ちゃん。霊力には容量があるから…あらら(困)。』



…拙者、どうしたのでしょうか?


急に眩暈めまいがっ…手足に力が入らなくなったのですが??

フラフラと前後不覚などと、この拙者が…(汗)。


『ニャニャ(うっ、これは一体?)。』


『あらあら、子猫ちゃんは霊力切れねぇ。気を付けてね、私たちは霊力そのものだから霊力が切れたら消滅しちゃうけど、生き物の場合は気絶しちゃうのよぉ〜?』



そ、それを先に言って下さぁぁぁい!!??



ガックシ…しかし、相も変わらず祖母様は、そのような知識をどこから?

自身が浮遊霊なのかどうかも分からないと言っておきながら、ミー先輩ともども、まさに意味不明な御仁であられますね!?こちとら絶句です(?)。


ただ、こんな状態で気絶だとか、対浮遊霊戦で起きたら致命的ですよっ!?


早めに知れて良かったと思うべきでしょうが…その前に、この改築中の3階で倒れるとか、母上様に見付かったらどうなることかぁぁあ(汗)。


〈翌朝〉


…あ。おはようございます、母上様。


え?いえいえ、違うのですよ、これは若気の至りと申しましょうか…?


『ニャニャ〜(首を持って運ばないで頂きたいです…お助け下されぇぇ)。』


「クウ君、暴れちゃダメよ。脱走してホコリまみれじゃないのぉ〜?」


うう、朝一で向かう先は…そうですよねぇ。お風呂ですよねぇぇ?


助けてくだされぇぇぇ!!!!



〈…続く〉


◆ ◆ ◆


クウ君♂

種族〈チンチラシルバー種〉

階級〈血統書付き〉


カテゴリー〈0.4+〉 

戦闘力 4

防御力 3

生命力 4

回避値 5

知能値 3+〈15〉

器用値 5

魔力値 6  


戦技バトルアーツ

ねこ引っ掻き〈霊力装填〉→ 奥義「猫鎌切り裂きの刑」(NEW)

秘技「猫尻尾グルグル巻きの刑」(NW)


固有能力パーソナルスキル 

天狐の魂「9」

trigger〈繰り返す〉


能力スキル

侍猫 勇気 忠誠 初志貫徹 繰り返し 霊力 


称号

田崎家の猫


猫の首輪・子猫用(ピンク色)〈首輪〉

属性:プラスチックLV5〈通常ノーマル級〉

付与効果:物理抵抗

鈴付き

耐久値:10


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