表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/111

第4話〈忠猫編・アキレス腱が足りない猫?〉

我が家の猫が忠猫過ぎる問題!?〈忠猫編〉


第4話〈忠猫編・アキレス腱が足りない猫?〉



◎2月中旬

  

主人殿の部屋は3階である。


拙者は基本、2階が住処であるし、まだまだ子猫であるから出してはもらえないのだ。

手も小さいし、まだドアノブを回せない(え)。


恐らく、未来に産まれるであろう息子と娘は、主人殿と同居をすることになる。

羨ましいことだが、拙者には母上様を護るという大役もあるのだ!!



この頃合い、確か3階は祖父母様が施設?というものに入所され、空き部屋となった為、主人殿がペンキ塗り替えなどをしていた筈だ。


しかし、このペンキという物は、猫の鼻には厳しいのである(汗)。

とにかく臭いのだニャニャ!!


元々は、主人殿は屋上に増築された木造の部屋にて生活されていたが、老朽化が激しく取り壊す予定であるとか?

その引越し作業で休日は休日で忙しいのだ。

ああ、おいたわしい…。


『ニャニャ(拙者に出来ることは、日々の鍛錬だけであります!!)。』


二足歩行も随分、様になってきた。

体幹トレーニングは、今は反復横跳び×3セットも追加している(え)。


未だ子猫の身体ではありますが、日々、己の肉体の成長を噛み締めている次第なのですよ!!


拙者が思うに、ミー先輩には話しても良いのかも知れません?

自分が二度目の猫生を繰り返している事を。

そして、何を目指しているのかを…?


だが、まだ踏ん切りが付かない…

それが良い事なのか?悪い事なのかも分からないからです(汗)。


今はただ、出来うる限りに己を鍛え、主人殿と母上様の、御二方を見守り続けていきたいと、そう新たに誓う拙者なのであった。


◇ ◇ ◇


「すごい似合うわ!クウ君の首輪よぉ〜。」


あ〜。やっぱりピンク色の首輪ですかね?

しかしまぁ、ミー先輩とお揃いなので良いとしましょう(え)。


母上様が言うには、白い猫にはピンク色がお決まり?だとか。

でも拙者、あまり派手な色合いは好きではありませんけどね!!


あと、鈴ですね。

この鈴がチリンチリン♪と鳴るのはいただけません(?)。

隠密行動をする際に、この鈴は障害でしかありませんから。


そこで、鈴が鳴らないように二足歩行で移動する訓練です。

差し足、忍び足、抜き足…おお、これはアキレス腱にきますね!!

とても良い追加メニューですよ。


『ミニャ(クウ、また妙な事をやってるな?)。』


おや、ミー先輩、おはようございます。今日はちょっと遅めですね?


『ニャニャ(見て下さい、ミー先輩とお揃いですよ!!)。』


『ミニャ(…お前って奴は)。』



その日の深夜、モゾモゾとキャットキャリーから抜け出し、二足歩行の忍び足でドアに忍び寄った。


ふふふ…母上様は熟睡中であるし、ミー先輩も気付いていない。

鈴も鳴らない…状態で、ドアノブに手を伸ばす。


むむむ。あ、あと数センチなのにぃぃ(汗)。アキレス腱が足りないぃぃ(?)。


 

…ガチャリ



あれ?開いたぞ。


拙者、即座に姿を隠す。

ドア横のダイニングテーブルの脚と一体化し、気配を消して…数秒間、そのままで様子を伺う。こんな深夜ですから、父上様は爆睡中でしょうし…?


『ニャニャ(おかしいですね?どういう事でしょうか…)。』


しかし、勝手にドアが開くなどと、そんな都合の良い展開があって良いものか?

拙者、万全の警戒と共に忍び寄り、ドアの向こう側を確認する。


靴箱の棚と…階段室に置かれた扇風機。

特に異常は無いようですが…?


スルリとドアの隙間を潜り抜けて、拙者は階段室に飛び出した。

生前は(?)運動不足が過ぎた為、この階段を走り登るのにヒ〜コラしていた記憶があります(汗)。ああ、昔の自分をぶん殴りたい気分ですね!!



さて、しかしこれはチャンスではあります。

拙者は一気に3階まで駆け上がり始めました!!


霊力を手足の爪に纏う事によって、ジャンプ力も強化が可能なのですよ。

いやはや、便利なものです。


ピョンピョ〜ンっと3階に到達。アキレス腱が大活躍ですね!!


3階入り口には洗面台があります。

今の拙者ならば蛇口も捻られそうであるが(え)、今はそんな事をしている場合ではありませんねっ!!


『ニャニャ(…ここもドアが開いていると?)。』


どうもおかしい?

まるで、何者かに誘われているかのような展開?


主人殿は3階でしょうか?いや、屋上のお部屋かも知れません?

屋上の扉はステンレス製の頑丈なものなので、重くてさすがの拙者でも開けられないと思われ…それに閉まって閉じ込められたら逆に困ります(汗)。


ならば、今夜は3階を散策してみるのが吉でしょうか?



この3階は長らく主人殿の祖父母様が生活されていた部屋である。

その後、祖父母様がどうなったかは、猫の身である拙者には分からずじまいではあったのだが…


廊下…うむ、異常なし。


忍び足で侵入し、差し足で先に進む…その部屋は?


畳が跳ね上げられたまま、建材も周囲に散らばり、改築中の有様である。

勿論、主人殿はいらっしゃらないようで?


『ニャニャ(ふぅ、気のせいでしたか…)。』


誰もいない…かと思った瞬間、白い影がゆらゆらと??


『ニャニャ(怪しい奴!?)。』


でも、それがこっちに来い、こっちに来いと手招きをしているわけだが、はて?母上様の安眠を妨害する黒い霊と違い、危害を加えそうな気配はない。


とはいえ、この最強のサムライ猫になる予定の(?)拙者を騙そうというのならば、逆に痛い目に遭わせて見せましょうぞ!!

この練りに練った霊力の爪!!とくと御覧じよ。



『まぁ、お利口な子猫ちゃんねぇ〜。凄いわねぇ〜。ヨシヨシ。』


『ニャニャ(こらぁ、やめろぉぉ。拙者の頭を撫でるなぁぁ!!)。』


ああ、でも気持ちが良い…ニャニャン(汗)。

子猫の欲望に勝てないニャン…


結局、分かった事は、この方は主人殿の祖母様であるらしい?

祖母様自身、ちょっと確信が持てないらしいが…


『わたしねぇ、まだ生きてると思うのよねぇ?』


『ニャニャ(え?でもその姿は幽霊ですよね?)。』


白くはありますが、浮遊霊と同じ雰囲気なのですよ。


『う〜ん、そうなのよねぇ〜。夜しか出て来れないし、話し相手が欲しかったから、子猫ちゃんを呼んじゃったのよねぇ…』


おお、なんと!?では不自然に扉が開いたのは、やはり祖母様のお力だったのですね!?

して、それはどのようなお力なのでしょうか?正直、興味が尽きません(?)。



こうして、拙者の深夜のルーティンに祖母様とのお話し相手と、霊力を遠隔操作する為の指導練習が加わったのであった(え)。



〈…続く〉


◆ ◆ ◆


クウ君♂(NEW)

種族〈チンチラシルバー種〉

階級〈血統書付き〉


カテゴリー〈0.3+〉 

戦闘力 3

防御力 2

生命力 3

回避値 4

知能値 3+〈15〉

器用値 3

魔力値 5  


戦技バトルアーツ

ねこ引っ掻き〈霊力装填〉(NEW)


固有能力パーソナルスキル 

天狐の魂「9」

trigger〈繰り返す〉


能力スキル

侍猫 勇気 忠誠 初志貫徹 繰り返し 霊力(NEW)

 

称号

田崎家の猫


猫の首輪・子猫用(ピンク色)〈首輪〉(NEW)

属性:プラスチックLV5〈通常ノーマル級〉

付与効果:物理抵抗

鈴付き

耐久値:10


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ