第3話〈忠猫編・痛めた尻と共に成長をする猫〉
(^。^)ストックができましたので、本日は3話〜8話まで一気に投稿します!!
どうぞ、我が家の猫が忠猫過ぎる問題!?をよろしくお願いします( ^ω^ )
前作、我が家転生もよろしくです!!
我が家の猫が忠猫過ぎる問題!?〈忠猫編〉
第3話〈忠猫編・痛めた尻と共に成長をする猫〉
ミー先輩の言う霊力に関して、判明したことが幾つかある。
霊力とは、浮遊霊などを見る力とも直結しており、霊が見えるという事は、即ち絶対に霊力を持っているという前提なのだ。
また、浮遊霊などを威嚇して追い払うには、同じ次元の霊力がなければ影響力を及ぼせないのだと言う。
つまり、拙者が強くなる為には霊力は必須であり、避けては通れない道であるのです!!
だがしかし、子猫の拙者には荷が重い(汗)。
既に霊力を出す切っ掛けも掴めぬまま、数日が経過していたのだ…。
「決まったよ、君の名前はクウ君だよっ!!」
『ニャニャ(主人殿、知っていましたよ?)。』
拙者の名前の由来は、空と書いて、クウと読む。
空のように自由に…サムライ猫としては、ある意味「和名」なのでお気に入りではあります。
でも主人殿、当時のNHKの登場番組キャラクターのクウなるキャラを丸パクリとか、後で知りましたが如何なものでしょうか?
まあ、今更ではありますが…
こうして、再びクウと名付けられた拙者は、日々、モリモリと食べ、モリモリと体幹トレーニングに励み、威嚇の練習に勤しんだのである(え)。
こうなると、もはやミー先輩の目を気にしている場合ではないのですよ(断言)。
そもそもミー先輩自身が、本人も自覚していなかったとはいえ、規格外の猫だったのですからね!?
こんな事なら、大人しく子猫の真似をしていた時間を返せっ!ってなものです(?)。
『シャャャ〜(怒)。』
『ミニャ(馬鹿もん!それは怒ってるだけだ!!)。』
いやいや、そんな事を言われたところで、ミー先輩のいうような霊力なるものが出ないのですよ?
『ミニャ(だから、頭で考えるな。心で感じろ!!)。』
『ニャニャ(何ですか、そのスポ根漫画みたいなセリフわぁ!?)。』
理屈は分かっているのですが、見えない力の流れが身体の中にあって、繋がって、循環している…それを束ねて一つにする。
口笛を吹くように、細く長く引き伸ばす…はぁ?
『ニャニャ(あと、もうちょっと…なんですよねぇ)。』
その、あとちょっとが難しいわけで(汗)。
そして、母上様に忍び寄るあの黒い影の霊は、ちょくちょく深夜に姿を現し、その度にミー先輩が追い払っていたことが判明しました。
それならばと、拙者も実践経験を得ようと試みたのだが…
『シャァァァ(下がれおろぅぅ!!!)。』
くっそう。こやつめ、微動たりもしない。
霊気を出せない…でも、霊気っぽいものは漠然と感じるのです(え)。
自分の腹の中心で、熱く煮えたぎるこの思い…心が逸る、このままじゃ駄目だと、もっと早く強くならねば、と。
その瞬間、爪に火が灯った!?
まだ子猫の爪である。
針のように薄い爪に、何かがビビビッと走ったこの感覚??
だが、これならば、やれる!?
『ニャニャ〜〜〜ン!!!』
ズバババーーーーン!!!!
やった!?黒い影を背後から切り裂いた!!と思ったら、影は繋がり、あの黒い手がニョキニョキと拙者に迫り…!?
『シャアアア(下がれ、クウっ!!!)。』
ミー先輩の威嚇が、黒い影を横から吹き飛ばした!?
そして粉々に砕け散ってしまった。
あわわわ。拙者、ちょっとオシッコちびってしまったのです(涙)。
母上様に怒られる〜。
『ミニャ(無茶をするな。だが、その方法がお前には合っているのかもしれないな?)。』
うう、ミー先輩…カッコ良過ぎですね(ポッ)。
『ニャニャ(ところでミー先輩、今、クウって呼んでくれましたよねっ(興奮)!?)。』
いや、だってミー先輩、前世でも拙者の名前を呼んでくれた事がなかったんですよ!?
いつも、お前とかだったし(汗)。
『ミニャ(うるさい!!オシッコ臭いぞ(怒)!!)。』
ひ、酷いですぅぅ(涙)。
案の定、翌朝、母上様に怒られた拙者でありました(え)。
◇ ◇ ◇
その日を境に、拙者の霊力習得方針と言いますか、訓練方針が180度変更となりました。
霊力を爪の先に通して、外部に放出する…を最終目標として、まずは爪に霊力を纏わせる訓練である。
一時的には出来ても、これを常時、安定化させるとなると難易度は急上昇。
でも、やはり拙者にはこれが性に合っているらしく(?)、この爪ならば比較的に維持する事ができた。
そして判明したのは、この状態でネコの爪研ぎダンボールをバリバリやった場合、2倍弱の効果でバリバリ出来たわけである!?ただし、騒音も2倍だ(え)。
ネズミのオモチャだって、一撃で反対側の壁まで吹き飛ばせる威力である!?
ばい〜んってね!!
『ミニャ〜(うるさァァァい!!)。』
ミー先輩が怒ったぁぁぁ!?
でもそんなことを言ったって、まだ身体が子猫であるし、どうしてもそっちに引っ張られてしまうし、このやり取りが懐かしくて逆に嬉しいのである(笑)。
昔もよく、ミー先輩にひっ叩かれていましたからね!!
そうして、この頃になるとやはり、この先に重要になるのが…二足歩行です(断言)!!
…と拙者のサムライ猫としての記憶が言うのです(え)。
勿論、練習中のこんな姿を母上様や主人殿に見せるわけにはいきません。
日中はお二人ともお仕事で不在でありますし、見ているのはミー先輩と、いつも母上様がお世話している観葉植物ぐらいのもの。
『ミニャ(クウ、お前ってそれ、何をしているんだ?)。』
『ニャニャ(後ろ脚だけで歩く練習ですよ、ミー先輩)。』
ミー先輩が怪訝そうな顔で拙者を見下ろしている。
それはまぁ、子猫の身で不器用にも二足歩行の練習をしているとか、猫として意味が分からないのも納得ですが、そこは日頃の体幹トレーニングの成果を御覧じろ!!ですね。
右…左…右…左…ドス〜ン!?痛いぃ。
もう少し、脚に筋肉をつけるべきでしょうか?
やはりサムライ猫として、脚の踏ん張りはなくてはならない仕様であるに?
そして何としても「刀」が欲しい。
今は爪に霊力を通して纏わせる練習をしているが、やはりその流れが正解であり、爪から刀に移行するのが正しいと思えるのです。
これは直感であるに。
ああ、転び過ぎてお尻が痛いのです(涙)。
ミー先輩が笑っている。今に見ていろだ!!
痛めたお尻を回復させながら、再び窓の際から外の景色を眺めやる。
我が家は道路に面した魚屋だ。
車の往来は頻繁ではないけども、気をつけなければならないと思う(?)。
こうして見ていても、おそらく車に轢かれたであろう猫の霊が数匹、フラフラと出歩いている様子。
今は昼間であるし、あの子たちは悪い霊ではないと感じる。
それとは別に、悪意の強い霊もいる(汗)。
その大半は人間の霊だ。
母上様の安眠を妨害する黒い影も、おそらくは人間の霊だろうか?
ミー先輩曰く、この家の周辺には…事故死した男や転落死した男、徘徊老人や首のない男がウロウロしているらしい。
その中でも、絶対に目を合わせるな!!と警告されたのが…自転車少年とバイクに乗った少女である(?)。
『ミニャ(浮遊霊の中でも、器物と一体化した浮遊霊は、それだけでも一段階上の強敵だからな?)。』
ここでふと思ったのですが…
『ニャニャ(ミー先輩は、どこでそんな知識を?)。』
『ミニャ(…知らん)。』
ちょ、知らんて、何ですかっ!?
上手い具合に、はぐらかされた…のか?
〈…続く〉
◆ ◆ ◆
クウ君♂(NEW)
種族〈チンチラシルバー種〉
階級〈血統書付き〉
カテゴリー〈0.2+〉
戦闘力 2
防御力 3
生命力 2
回避値 3
知能値 2+〈15〉
器用値 2
魔力値 5
戦技
ねこ引っ掻き
固有能力
天狐の魂「9」
trigger〈繰り返す〉
能力
侍猫 勇気 忠誠 初志貫徹 繰り返し
称号
田崎家の猫