第6話〈闘猫編・明鏡止水する猫〉
我が家の猫が忠猫過ぎる問題!?〈闘猫編〉
第6話〈闘猫編・明鏡止水する猫〉
◎4月下旬
9体目の浮遊霊狩りは、首のない男の霊である。
ここからグンと移動範囲が広くなってしまいますが、拙者は我が家も含めて、母上様と主人殿の平穏を守る為、この地域を鎮める必要があると思うのです(断言)。
ましてや、そんな事も出来ぬようならば、拙者が夢に垣間見た「無双のサムライ猫」に至るなど夢のまた夢なのでありますよ!!
ゴン殿の情報によれば、この首のない男は小学校の校庭に忽然と出現するとか?
そこでボールを転がしている…らしいのですが。
『あらあら?それってボールで遊んでいるのかしらぁ?』
『ニャニャ(いえ、祖母様。どうも、遊ぶという程に元気は無いようですよ?)。』
むしろ、トボトボとやる気が無さげだとか?
…ともあれ、実際に目で見て、感じてみないと何とも言えません(?)。
今までも、簡単そうに感じた相手こそ、一癖も二癖もある難敵であり、原因究明に苦労しましたからね。
時には返り討ちにあったりと(汗)。
前回も、御老人の本体は身体ではなく、入れ歯だったというオチですからね…
◇ ◇ ◇
ミー先輩にも、そろそろ下見に行くことを報告しました。
『ミニャ(おい、止めはしないが、十二分に気を付けるんだぞ?)。』
『ニャニャ(あくまで下見ですから、ご安心ください!)。』
ミー先輩には、あまり迷惑を掛けられません。
それに正直、前回のような体たらくになるわけにはいかない為、拙者にも秘策があります故に(え)。
これは、やはり神社の管理人殿に相談した結果ですが…
『ポンポコ(陽の霊力消費でバランスを崩すというならば、バランスを保てば良いのではあるまいかな?)。』
『ニャニャ(…つまり、陰の霊力も消費せよ、と?)。』
しかして、陰の霊力の使い所が微妙でして…(汗)。
『ポンポコ(陰と一言でいっても、言うなればこれは静かなる心を体現する明鏡止水の心持ちじゃよ)。』
はて。明鏡止水とは如何なものか?
管理人殿はいう。静かなる心こそが全てを知ることに通ずる、と。
静かに、そして悟られること無く移動し、全てを受け入れ流し、影となり闇となる。闇は夜の帳を呼び、夜の総てを支配する…
『ニャニャ(な、何ですとぉ!?)。』
しかし、思い返してみれば、拙者の「隠密モード」は陰の霊力に質を変化させる事で、風のようにしなやかに移動し、攻撃を受け流すという特性を持っていました。
あまり深く考えずに、移動特化として使用していたのですが、まさか陰の霊力にそんな使い道があったなどと!?
そんなやりとりがあり、数日、神社での修行により、陰の霊力の真髄を垣間見た拙者は、風の流れを感じ、風の心と一体となりました(?)。
これ即ち、陰の霊力特化「明鏡止水モード」に覚醒したのであります!!
この「明鏡止水モード」は「隠密モード」の上位互換であり、あらゆる面で性能が上昇しています。
無論、神社が陽の気に満ちていたからこその、自分の中の陰の霊力の変質を理解出来たきっかけになっていますが、まるで見守るかのような神社の息吹が、拙者の心を支えてくれた…ような気がするのは気のせいでしょうか?
気のせいじゃないよ〜?氏子の為に頑張って〜。
『ニャニャ(はっ!?…耳鳴り、でしたかな?)。』
深夜、駅前道路から脇道にそれ、路線電車の踏切を潜り抜ける…誰も拙者に気付かない…
この周辺を住処にしている野良猫も、彷徨い歩く野良犬も、拙者はスイスイっと車の下を潜り抜け、まるで時が止まったかのような感覚…これが拙者の「明鏡止水モード」である。
結局、管理人殿が言うような、影とか闇とかそういう方向性にはならず、風のように流れるような動きを習得したのは拙者特有のものだろうと?
それは拙者に言われても分かりかねますが…。
そして、あっという間に、ここが目的地の小学校ですね?
この辺りは白黒のブチ猫一族のテリトリーだとか。
確かに、白地に黒ブチの猫が多いように見受けられます。
トラ一族とは違って、どうも少し、やさぐれた印象が強いですねぇ…。
土地柄のせいでしょうか(え)。
さて、校門とやらをひとっ飛びで、音もなく着地しました。
これもまた「明鏡止水モード」の良い点で、陰の霊力は受け流すことにも特化しているので、あらゆるダメージ負荷を拡散することで、拙者の二足歩行は更なる高みへと進化したのである(?)。
と、ここで「明鏡止水モード」を解除し、拙者は姿を現した。
小学校の校庭に、突如に出現した二本脚で立つ子猫と、グラウンドに佇む首のない浮遊霊が対峙…1対1で睨み合う構図。
何ともいえない緊張感が走る…
しかしこれは、期待感?
え?そんな妙にワクワクされても、拙者に出来ることは、やはりこれしかないのです。
背から木刀を引き抜き構えての…「陽霊力剣モード」の発動。
『あすぅぅりぃぃとぉぉ…(ガックリ)。』
なんと、いきなりのやる気なし!?
首のない男は、さっきまでのワクワクは消え去り、急にガックリとして、ボールを力なく蹴りながら、あらぬ方向へと去ろうとし…
『ニャニャ(いやいや、ちょっと待たれよ!?)。』
何なのであろうか?
この浮遊霊の行動原理が拙者には全く理解出来ないのだが、あのボールが関与している感じはします(?)。
むしろ、あのボールも霊体っぽいのです。
逆に、あのボールが本体である可能性もあるのでは?
『ニャニャ〜(猫霊剣・短冊斬り!!)。』
隙は有り余るほどにあった。
なにしろ、去り際の背中であるし、必中でボールを切り裂き…
パァァァァーーーーーン!!!
破裂したぁぁぁ!?えっ?破裂ぅ??
〈…続く〉
◆ ◆ ◆
クウ君♂
種族〈チンチラシルバー種〉
階級〈血統書付き〉
カテゴリー〈1.2+〉
戦闘力 12
防御力 10
生命力 11
回避値 11
知能値 5+〈16〉
器用値 14
魔力値 13+〈15〉
風属性 5(NEW)
戦技
奥義「猫鎌切り裂きの刑」
秘技「猫尻尾グルグル巻きの刑」
固有戦技
「隠密モード」→「明鏡止水モード」(NEW)
「襲撃モード」
「陽霊力剣モード」
固有戦技
猫霊剣Level 1
「撫で斬り」
「短冊斬り」
「銀杏斬り」
「十字架斬り」
「乱斬り(未完成)」
固有能力
猫目
天狐の魂「9」
サムライ猫
trigger〈繰り返す〉
能力
猫目 侍猫 木刀 勇気 忠誠 初志貫徹 繰り返し 霊力 闘気
称号
田崎家の猫
猫の首輪・子猫用(ピンク色)〈首輪〉
属性:プラスチックLV5〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
鈴付き
耐久値:10
木刀〈刀〉
属性:擬似霊木LV50〈特殊兵装級〉
付与効果:物理特化
霊力浸透〈猫霊剣〉
背負い紐〈霊力護符〉
耐久値:100




