第16話〈忠猫編・追いかけっこを開始する猫〉
我が家の猫が忠猫過ぎる問題!?〈忠猫編〉
第16話〈忠猫編・追いかけっこを開始する猫〉
『あらぁ。それは、うつ病の正反対の、そう病なのかも知れないわねぇ〜。』
そう病とな?
それは常にハイテンション状態の病気なのだと祖母様は言う。
はて?ハイテンションなのは良いことなのでは?
しかして、確かに昨夜のそう病の浮遊霊は、楽しげだったものの、傷付いたと同時に逃げ出す臆病さもありました。
少し、警戒させてしまったかもしれません(汗)。
そこで、そう病の浮遊霊の捜索をトラ一族の皆さんにお願いしてみたら、『俺に任せろ!!』とトラ殿が大きい顔で言い切るもので、トラ殿って何者なんでしょうか?
ともあれ、果報は寝て待てです(え)。
拙者は日々、ミー先輩の疑惑の眼差しから逃げつつ、昼間は体幹トレーニング、夜間は魔力操作のトレーニングに励むのでありました…
『ミニャ(クウ、今は何をやってるんだ?)。』
『ニャニャ(そうですね…陽と陰の霊力の融合技ですかね?)。』
闘気に陽と陰があるのならば、霊力にもあるのでは?
…という発想を得て、ただいま考案中なのですよ(え)。
これが完成の暁には、拙者の攻撃の幅も一気に広がる気がするのです!!
なにせ、未だに拙者、闘気の方は苦手でありまして、習得の見込みが程遠く…?
◇ ◇ ◇
そして数日後、逃走した浮遊霊が発見されたとの情報が入ってきました。
トラ一族さんに感謝ですよ。
『ミャ〜ゴ(今日はお前に紹介したい子がいてだな!!)。』
『ニャニャ(は?そう病の浮遊霊はどうしました…?)。』
どうも雲行きが怪しいですね…
『ミャ〜ゴ(まあまあ、話だけ!!話しだけだからっ!!その木刀を俺に向けんなってぇぇ(汗))。』
トラ殿は何なんですか?
え?拙者と同じぐらいの年頃の雌…?
その茶色と三毛の子猫は何なのですか?
なるほど、拙者の猫霊剣の錆になりたいようですね…?
『ミャ〜ゴ(違うってぇぇ(汗)。案内はこいつらがするんだってぇぇ!!)。』
トラ一族と思しき茶色のチャトラと、三毛猫のミトラである。
雌猫ですが…この名前はニュアンス的に、主人殿が名付け親でしょうか?
『チャ〜ゴ』『ミ〜ゴ』
ふむふむ。ちょっと先に行った場所の…民宿?ですか。
それは分かったのですが、このような雌の子猫に拙者の浮遊霊狩りを手伝わせるわけにはいかないのですよ(断言)。
拙者、とくとくと説教を行いました。何よりも、危険なのですよ!!
『チャ〜ゴ♡』『ミ〜ゴ♡』
『ニャニャ(む?拙者、色恋沙汰には興味はないのですよ)。』
それに拙者には、いずれ出逢うであろうフクさんがおります。
彼女こそが拙者の運命の人なのですから(断言)。
拙者の頭の中には地図が記録されています。
二足歩行で走り出しつつ、霊力を四肢に押し流し、一気に加速する。
塀を駆け上がり、壁に飛び移り、クルリと一回転で屋根の上へ!!
チャトラとミトラは唖然。
トラ殿もドン引きの顔ですか?
拙者、霊力の総量はあまり変わらぬものの、ピンポイント的な質の変化「隠密モード」でここまでの身体機能強化を手に入れたわけで。
しかしこれは、日頃の地道な体幹トレーニングが不可欠なのであります。
霊力だけでは、翌日、筋肉痛で動けなくなるでしょうな?はっはっはっ。
おっと、そんな場合ではありません(汗)。
目的地を目指して、屋根伝いに疾走を開始する。
『ニャニャ(…話にあった民宿とやらは、ここですね?)。』
その横の敷地、駐車場に…いた。スキップするそう病の浮遊霊だ。
拙者が斬った右手も元通りである。
拙者は頭の中で地図を思い浮かべ、ここから歯医者さんまでの距離を計算しました。
むしろ、この駐車場からなら前回よりも距離が近い。
『ニャニャ(ある意味、これは好機!!)。』
咄嗟に「隠密モード」から「襲撃モード」に変更…木刀を構えたまま、屋根の上からの急降下!!
と同時に猫霊剣を発動する。
『ワクワク…ワクワク…アッ、猫チャ〜〜ン!?』
気付かれた!!だがもう遅い!!
『ニャニャ〜(猫霊剣・撫で斬り!!からの…猫尻尾グルグル奪取の刑!!!)。』
この一連のスムーズな流れ、とはいかない…。
なにせ、モード変更で霊力を絶っての着地で、少し膝にダメージを受けました(汗)。
それでもこの機を逃す訳にはいかず、再び断ち切った浮遊霊の右手を、霊力の尻尾で絡め取ったのだ(え)。
これはグルグル巻きの刑の亜種である。
『ワクワァァァア…猫チャン、手ヲ返シテェェェ(歓喜)!!??』
見れば興奮状態の、そう病の浮遊霊だ。
かなりのハイテンションである!?
『ニャニャ(返して欲しくば…この拙者を捕まえてみるがよかろう?捕まえられたらの話しですがね(ニヤリ))。』
拙者、人を煽るのは苦手です(え)。
ニヤリと笑うなんて、顔の筋肉が引き攣ってしまうのだが、これはボス殿が親身になって(?)、徹夜で指導してくれた成果なのである!?
そんなボス殿曰く、修行とは身体を鍛えるだけではなく、心と精神を鍛える必要がある!!との格言。
拙者、心に迷いがあったのです(?)。
サムライ猫たるもの、正々堂々が常と思い込んでいましたが、目から鱗が落ちた思いがしました。
それはさて置き、こうして拙者と浮遊霊の、深夜の追いかけっこが始まった次第でありました…
〈…続く〉
◆ ◆ ◆
クウ君♂
種族〈チンチラシルバー種〉
階級〈血統書付き〉
カテゴリー〈0.9+〉
戦闘力 10
防御力 8
生命力 7
回避値 8
知能値 5+〈16〉
器用値 10
魔力値 9
戦技
奥義「猫鎌切り裂きの刑」
秘技「猫尻尾グルグル巻きの刑」
固有戦技
「隠密モード」(NEW)
「襲撃モード」(NEW)
固有戦技
猫霊剣Level 1
「撫で斬り」
「短冊斬り」
「銀杏斬り」
「十字架斬り」
固有能力
天狐の魂「9」
trigger〈繰り返す〉
能力
猫目(NEW)侍猫 木刀 勇気 忠誠 初志貫徹 繰り返し 霊力
称号
田崎家の猫
猫の首輪・子猫用(ピンク色)〈首輪〉
属性:プラスチックLV5〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
鈴付き
耐久値:10
木刀〈刀〉
属性:擬似霊木LV50〈特殊兵装級〉
付与効果:物理特化
霊力浸透〈猫霊剣〉
背負い紐〈霊力護符〉
耐久値:100




