第15話〈忠猫編・夜道を駆ける猫〉
我が家の猫が忠猫過ぎる問題!?〈忠猫編〉
第15話〈忠猫編・夜道を駆ける猫〉
解決策が見出せない、うつ病の浮遊霊。
浮遊霊狩り、3体目にして早くも壁にブチ当たったわけである。
『ニャニャ(…自分の力の無さを思い知ったのでありますよ)。』
『……(無視)。』
九官鳥のハチャさん…いや、ハチョさんでしたか?
今夜も拙者を無視と決め込んでいますね(汗)。
やはり鳥さんと意思疎通を図るのは、猫にとっては難しいのでしょうか?
しかし諦めたくはないのも事実…
ふぅ。深夜の店舗内で、思わず溜め息が出てしまいました。
地下室に戻り、ボス殿と今日も今日とて三面鏡に向き合います。
そうそう、この三面鏡は3階にあった主人殿の祖母様の家具であるらしいのです。
こうしてよく見れば、この地下室には様々なものが置かれています。
ちょっとした個室風に区切られている棚は、お刺身を乗せる発泡スチロールの容器が沢山、積んでありますね。
主人殿は、まだ3階のリノベーション中でありますし、不要なものはここに持ち込んでいる様子なのです(え)。
『ちゅう(むしろ、その浮遊霊は諦めた方が良いんじゃねぇかぁ?)。』
『ニャニャ(いやいや、まだ浮遊霊狩りを始めたばかりですよっ!?)。』
果たして、内部爆発系の「銀杏斬り」であれば効果はあったのか?
だが客観的に見て、微妙と思われ…
『ちゅ〜(そうさなぁ。気で例えると、陽の気と陰の気があってだな…)。』
ボス殿曰く、身体を巡る気には2種類あり、この二つは対極のものであり、陽の気を攻撃に、陰の気を防御に使用しているとか何とか…
『ニャニャ(ちょ、それは初耳ですよっ!?)。』
『ちゅう(そらまぁ、お前さんみたいなけったいな子猫、妖怪の類いだと最初は警戒してたからなぁ(笑))。』
笑い事ではありませんよっ!!
侮辱ですねっ。妖怪とやらが何か知りませんが(え)。
ともあれ…陽と陰ですか(思案)。
◇ ◇ ◇
地図に書き足した情報は…郵便局前でスキップする元気な浮遊霊である。
泣く泣く3体目を繰り上げし、4体目を標的にして、あわよくば同時に狩るべし!?計画なのであります。
『ミャ〜ゴ(郵便局はちょっと遠いぞ。大丈夫なのかぁ??)。』
『ニャニャ(ご心配なく、トラ殿。拙者、こう見えても脚力には自信がありますので)。』
日頃の体幹トレーニングの成果を見せる時が来ましたね。
特に拙者、今も普通に二足歩行をしていますが(え)、サムライ猫にとって、脚力は刀術を極めるに必要不可欠な要素なのですよ。
踏ん張りが大事なのです!!
そして今回、郵便局は2区画通りの向こうと、ちょっとした冒険にはなりますが、案内役をトラ殿が買って出てくれたのです(?)。
『ミャ〜ゴ(この辺りは俺たちトラ一族の縄張りだから、安心しろって!!)。』
…だそうです。
鼻高々でゴン殿が先を行きます。
ふ〜む。ちょっと一言いわせてもらえれば、もうちょっと車の往来に気を付けていただきたいですね(汗)。
トラ殿は非常に危なっかしいです。
野良猫とは、車が怖くないのでしょうか?
そして、遠巻きに野良猫たちが見ているのを感じます。
二足歩行で駆ける拙者が物珍しいようで?
まあ、危害を加える様子はないので、良しとしましょう(え)。
そうして、遂に目的地に到着…結構、迂回したような気もしますが(?)、気のせいでしょうか?
そんな郵便局の前に標的を発見しました。
確かにこれは…とても陽気そうにスキップをしていますね。
『ニャニャ(しからば、トラ殿はお下がりください!!)。』
『ミャ〜ゴ(おう、期待してるぜ!!)。』
しかし拙者、自分の出来ることしかできぬのです。
不器用なサムライ猫であるに(?)。
構え、からの抜刀。
木刀を構えたまま…全神経を集中する。
浮遊霊の動きを猫目で観察しつつ、駆け出しながらも、自身の尻尾を霊力で伸ばす!!
『ニャニャ〜(秘技・猫尻尾グルグル巻きの刑!!)。』
牽制、と同時に身動きを封じ…むむ、動きが激しい為か、そこまでは無理ですか!?
ならばと足首を狙うも、転倒までは無理と…それでも巻き付けに成功しました。
『ワクワク…ワクワク…楽シィィィィ!!!』
喜んでいると!?
ブチブチッ!!!
拙者の尻尾の霊力が、スキップの力技で破られたっ!?
こんなにも早く拙者の「猫尻尾グルグル巻きの刑」が破られたのは初めてですよ(汗)。
しかし、既に霊力を木刀に充填済みの拙者は…
『ニャニャ〜(猫霊剣・短冊斬りっ!!)。』
『ワクワァァァ…手ガ取レタァァァア(歓喜)!!!』
切れた!!
むしろ、奴の右手は細切れて、消滅し始めている…と思ったら、それを拾って逃げ出したぁぁ!?
『ワクワク…生キテル実感…生キテル…死ニタクナァァァイ(歓喜)!!!』
『ニャニャ(あ、待てぇぇ!!)。』
しかし、なんと言うスピードか!?
奴はあっという間に走り去って行った…大通りの方向に。
あっちは駅の方だとトラ殿は言う。
駅と言うと、電車ですか…危険ですね(え)。
『ミャ〜ゴ(凄ぇじゃねぇか!?あれを追い払っちまうなんて、やっぱりとんでもねぇ子猫だぜっ!!)。』
そうトラ殿は仰るが、取り逃した時点で拙者としては失敗の部類なのであります(汗)。
手応えとしては、もう一歩踏み込んでいれば討ち果たせていたのだと思えるが、それでは意味がない?
あの妙に生きることに固執した浮遊霊は、まさしく「陽」の塊りであり…あれを上手く使えば何とかなるのでは?と密かにほくそ笑む拙者なのであった…
〈…続く〉
◆ ◆ ◆
クウ君♂
種族〈チンチラシルバー種〉
階級〈血統書付き〉
カテゴリー〈0.8+〉
戦闘力 10
防御力 7
生命力 6
回避値 7
知能値 4+〈16〉
器用値 9
魔力値 8
戦技
奥義「猫鎌切り裂きの刑」
秘技「猫尻尾グルグル巻きの刑」
固有戦技
猫霊剣Level 1
「撫で斬り」
「短冊斬り」
「銀杏斬り」
「十字架斬り」
固有能力
天狐の魂「9」
trigger〈繰り返す〉
能力
侍猫 木刀 勇気 忠誠 初志貫徹 繰り返し 霊力
称号
田崎家の猫
猫の首輪・子猫用(ピンク色)〈首輪〉
属性:プラスチックLV5〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
鈴付き
耐久値:10
木刀〈刀〉
属性:擬似霊木LV50〈特殊兵装級〉
付与効果:物理特化
霊力浸透〈猫霊剣〉
背負い紐〈霊力護符〉
耐久値:100




