第14話〈忠猫編・霊力が足りないと嘆く猫〉
我が家の猫が忠猫過ぎる問題!?〈忠猫編〉
第14話〈忠猫編・霊力が足りないと嘆く猫〉
フラフラになりながらも、居合わせたゴン殿の肩を借りて我が家に戻った拙者は…またしても泥水のように眠りに落ち、そして当然のように寝坊しました(汗)。
眠りに落ちる寸前、ミー先輩が霊力で鎖みたいなものを出していたような気がするが、あれは夢だったのだろうか?前世か?過去の記憶が混じっていたかのような?
『ミニャ(クウ、お前、危ない事をしているんじゃないだろうな?)。』
翌朝、真面目な顔でミー先輩が言いました。
『ニャニャ(いやだな、霊力の訓練をしていただけですよ、ミー先輩)。』
ミー先輩も霊力が切れると、こんな症状になる事は知っている筈ですからね…
『ミニャ(…本当か?)。』
『ニャニャ〜(拙者、まだまだ子猫ですから、霊力がもうちょっとでも欲しいところですね!!何とかなりませんかね?)。』
だが、これは性急な解決事案である。
そもそも、霊力を増やすにはどうしたら良いのか?それは祖母様も知らないという難題なのですよ!?
『ミニャ(…普通、成長するにつれて霊力は増えるものだぞ?)。』
それはそうでしょうが…それでは遅い、遅いのですよ!!
毎回、浮遊霊狩りを行うたびにクタクタになるのでは、クーリングタイムが長過ぎます。効率が悪すぎるのです(?)。
そしてその回答を、ミー先輩もまたご存知ないのです…むむむ、前途多難なのですよ。
◇ ◇ ◇
ボス殿と相談をして、次の標的を歯医者さんの前に出没する浮遊霊に決定しました。
位置的にも、比較的に近い場所であるので。
ゴン殿の情報では、非常に暗い表情で常に泣いており、トボトボと歩いているそうな…
『ニャニャ(それは、何か悲しい事があったのでしょうか?)。』
『ニャフ(浮遊霊は生前の行動をそのまま、なぞっているだけだからね)。』
なるほど、ヒッチハイクの浮遊霊も、障害者の浮遊霊も、確かに同じ行動を繰り返しているだけのように見受けられました。
ともあれ、ゴン殿に夜道を案内されて、拙者は歯医者さんの敷地に向かいます。
そこは通りを一つ越えて、横道すぐの場所。
灰色猫のゴン殿は、なぜか積極的に拙者の浮遊霊狩りに協力をしてくれるのですが、その理由というのが…
『ニャフ(僕は気配を消せるけど、あいつら浮遊霊にとっては影のように見えてしまうんだよね)。』
はて?ちょっと意味が分からないですね。
しかるに、浮遊霊にちょっかいを掛けられる事が多くて、迷惑をしていると言うのです。
ならば拙者に狩らせてしまおうという魂胆らしく(汗)。
『ニャフ(ほら、見えてきたよ。あれだね)。』
『ニャニャ(…女性ですか!?)。』
それは、俯き、シクシクと滂沱の涙を流し続けるだけの女性の浮遊霊で。
前の2体に比べれば、全く攻撃性が無さそうには見えますが、それだけで判断するのは危険極まりないといえますね。
ゴン殿をその場に残して、拙者は少しだけ接近してみました。
『シクシクシク……シクシク(涙)。』
何だか気の毒な気分になりますね(?)。
こちらの気配も察知していない様子で、無防備な後ろ姿に、いっそ攻撃してみますかな?
となれば、拙者は木刀を静かに抜き去り、構えたままにじり寄る。
木刀に霊力を充填し、一気に地面を蹴り上げる!!
『ニャニャ〜(たりゃぁぁぁ!!!)。』
一閃!!撫でき……あ、スカッ!?
へぁあ!?思わず変な声が出てしまいましたが、拙者の猫霊剣が空振ってしまったのであります。
いや、空振りをしたわけではない(?)。
木刀の剣先は確かに、その首筋を捉えたというのに、素通りしてしまったのだ??
つまりは、この浮遊霊は影が薄過ぎる?
『シクシク…死ニタイ…消エタ…イ(涙)。』
『ニャニャ(な、何ですとぉぉ(汗))。』
むしろ、自ら消えたいと言うものの、既に消え掛かっているからこその、拙者の剣では斬れないという異常事態なのである!?
『ニャニャ〜(なれば、猫霊剣・十字架斬りっ!!)。』
これしか手がない!!消費霊力は大きいものの、悪意を浄化する奥義の剣光を浮遊霊に向け、返す刀で叩き付ける。
『…アア…消シテェェ…モット(涙)…モット消シテェ(涙)…。』
へぁぁあ(汗)!?
当たりはしたものの、拙者の十字架斬りで消え去るどころか、ちょっとだけ濃くなったようにも見えて、更にそれを求めるかのような言動??
これはどうしたものか?妙に背筋がザワザワとするのだが…(え)。
これを主人殿はなんと言ったか…そう、マゾだ。
マゾ的に拙者に迫る浮遊霊に、またしても遁走する事になろうとは、拙者の不覚である!!
そんな事もあり、翌日の夜、拙者は祖母様に相談していました。
唯一、多少は効いたと思しい「十字架斬り」も、あれは連発出来ないのです。
霊力がフルの状態で1日に2発が限度なのですよ。子猫の身体が口惜しいですねっ!!
『そうね〜。女心は難しいものよねぇ(?)。』
え?いや、それは…どうなんでしょう(汗)。
『女心を射止める為には、日数を掛けるものと相場は決まっているのよ〜?』
なんてこったぁ(?)。
あの浮遊霊を退治するのに、あと何日かかるものやら?
『ニャニャ(困ったものです…しかし、泣き続けて自分から消えたいなどと、奇妙な浮遊霊ですね)。』
『失恋なのかしら〜?でも、もしかしたら、うつ病なのかもねぇ?』
うつ病…でありますか?
うつ病とはなんぞや?
またしても難問が拙者の前に立ちはだかろうとしていたのである…。
〈…続く〉
◆ ◆ ◆
クウ君♂
種族〈チンチラシルバー種〉
階級〈血統書付き〉
カテゴリー〈0.8+〉
戦闘力 10
防御力 7
生命力 6
回避値 7
知能値 4+〈16〉
器用値 9
魔力値 8
戦技
奥義「猫鎌切り裂きの刑」
秘技「猫尻尾グルグル巻きの刑」
固有戦技
猫霊剣Level 1
「撫で斬り」
「短冊斬り」
「銀杏斬り」
「十字架斬り」
固有能力
天狐の魂「9」
trigger〈繰り返す〉
能力
侍猫 木刀 勇気 忠誠 初志貫徹 繰り返し 霊力
称号
田崎家の猫
猫の首輪・子猫用(ピンク色)〈首輪〉
属性:プラスチックLV5〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
鈴付き
耐久値:10
木刀〈刀〉
属性:擬似霊木LV50〈特殊兵装級〉
付与効果:物理特化
霊力浸透〈猫霊剣〉
背負い紐〈霊力護符〉
耐久値:100




