第12話〈忠猫編・情報収集に励む猫〉
我が家の猫が忠猫過ぎる問題!?〈忠猫編〉
第12話〈忠猫編・情報収集に励む猫〉
◎3月中旬
『ニャフ(うん。僕、見てたよ)。』
ゴンと名乗る灰色の野良猫さんはそう言った。
え?何をですか??
『ニャフ(君が、あのヒッチハイクの浮遊霊を退治するところをね…)。』
え??ヒッチハイクとかよく分かりませんが(え)、あれを見ていたんですかぁ!?
『ニャニャ(…まったく気付かなかったのですが(汗))。』
『ニャフ(僕、気配を完全に消せるからねぇ)。』
何とも、これまた奇妙な御仁ですね!!
灰色の毛並みでコロコロと笑う丸顔のゴン殿。
トラ殿とは違い、別の意味で人懐っこいところが主人殿の目に止まったのでしょうか?
そんなゴン殿と深夜の密会であります(?)。
拙者は頑張って書いた地図を広げて、ゴン殿の指摘する場所に印を記入していく。
浮遊霊というだけあって、あっちこっちをフラフラと移動する霊が多いものの、この辺りにいつもいるよ…とゴン殿は言う。
笑い続ける霊、泣き続ける霊、スキップする元気な霊…などなど、比較的に近場にいる浮遊霊はこの3体であると判明です。
『ニャニャ(いやぁ、とても助かりましたよ、ゴン殿!!)。』
『ニャフ(うん。君は、見た目は子猫だけど…ちょっと違うよね?まあ、魚屋さんにはいつもお世話になっているから気にしないけども)。』
へあぁ!?ゴン殿、丸顔笑顔だけども、目が笑ってないですよっ(汗)。
◇ ◇ ◇
ボス殿とミーティングを行い、2体目の標的を本屋さんで立ち読みをしているだけの浮遊霊に決めました。
この浮遊霊はゴン殿曰く、常に笑い続けている霊であり、行動もかなりおかしい(?)とのことで…
『ちゅ〜(本屋は駅前の通りの下側、この家から3軒隣だぜぇ)。』
想定よりも近かった(笑)。
『ニャニャ(では、まずは視察ですね)。』
敵を知り己を知る。
初見で攻撃を仕掛けるなど愚の骨頂ですよ(え)。
ええ、拙者も成長したものである。
早速、次の日の深夜、こっそりと我が家から抜け出した拙者は、隣の家の駐車場を抜けて、塀を軽々と乗り越えて本屋さんの敷地に忍び込んだ。
『ミャ〜ゴ(二本の脚だけで普通に塀を飛び越える猫なんざ、見たことないぞ??)。』
『ニャニャ(おや、トラ殿?)。』
ここもトラ殿のテリトリーですかな?
ちょうど良いので、怪しい霊が出入りしていないかを尋ねてみました。
『ミャ〜ゴ(ああ、あのモヤモヤしてウネウネしているやつか?)。』
ちょっと待ってください。
モヤモヤは分かるのですが…ウネウネ??
しかし、直に確認してみれば、確かにウネウネしていますね(汗)。
シャッターの閉じた本屋さんの前で、その浮遊霊は笑いながら歩き、歩きながらウネウネと身体を捩りながら進む。
どう表現したらよいのでしょうか?かなり不気味な存在ですね…
『ミャ〜ゴ(おい、それ以上近付くなって!!危ねぇぞ!!)。』
危険なのは百も承知ですよ(?)。
拙者、身体を屈めて、いつでも背から抜刀できるように構えながらも、密かに標的に忍び寄る。
本屋さんは閉まっていますが、店前の本の自販機の照明に照らされて、ウネウネとしている浮遊霊をとくと観察します。
ふむ。動きは妙ではあるが、あのヒッチハイクの浮遊霊とさほどに差があるようには思えませんね?
それにしても、この浮遊霊は何をしているのでしょうか?
ゴン殿がいうには、昼間は本の立ち読みしかしていないとのことで…そんなに本に執着が?
『しょ、しょ、しょ、しょうがぁぁぁ…(笑)。』
しょうが?あの苦い野菜の事ですか(?)。
『しょうがぁぁぁあ〜いぃぃぃ(笑)。』
『ニャニャ(何とっ!?)。』
気付かれていないと思っていた矢先に、その浮遊霊はグルンと身体を捩り、これは俗に言うブリッジという姿勢でしょうか?
その妙な形状のまま、拙者に迫って来たのであります。
まるで骨格を無視した動きで、不気味な昆虫のような速さで手を伸ばして来たのですよ!!
迫る手を、拙者は「猫霊剣」で切り落とす。
『ニャニャ(これはイケますか!?)。』
勢いに任せて、拙者は「猫霊剣・撫で斬り」を首筋に叩き込み、脱兎の速さで離脱する。
『しょしょしょ、しょうがぁぁぁあい(笑)。』
嫌な直感がして、離れて正解でしたね(?)。
その浮遊霊は首が落ちても尚、おかしげに笑い転げているではありませんか!?
これは一体、どういう事でありましょう?
今までの前例であれば、首を断つか、心臓部位をひと突きさえすれば、悪い霊は消滅した筈なのであるが…
『ニャニャ(不可解過ぎますね。一時撤退です!!)。』
拙者、戦略的撤退で我が家の敷地に戻ったわけで。
『ミャ〜ゴ(お前、すげぇぇな!?)。』
トラ殿、どうやら見ていたようで。
しかし、ついて来るのは構いませんが、そんなにはしゃがれても困りますね…
『ニャニャ(いえ、今回は痛み分けですよ)。』
しかし口惜しい。
予想外の展開となった為に撤退してしまいましたが、あの場面で「短冊斬り」にしていた場合、どうだったのでしょうか?
ただし、短冊斬りを連発しただけで霊力がすぐに尽きてしまいますので…(え)。
…ああ、今夜もまた思案が尽きぬのですよ。
〈…続く〉
◆ ◆ ◆
クウ君♂
種族〈チンチラシルバー種〉
階級〈血統書付き〉
カテゴリー〈0.8+〉
戦闘力 9
防御力 7
生命力 6
回避値 7
知能値 4+〈16〉
器用値 9
魔力値 8
戦技
奥義「猫鎌切り裂きの刑」
秘技「猫尻尾グルグル巻きの刑」
固有戦技
猫霊剣Level 1
「撫で斬り」
「短冊斬り」
固有能力
天狐の魂「9」
trigger〈繰り返す〉
能力
侍猫 木刀 勇気 忠誠 初志貫徹 繰り返し 霊力
称号
田崎家の猫
猫の首輪・子猫用(ピンク色)〈首輪〉
属性:プラスチックLV5〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
鈴付き
耐久値:10
木刀〈刀〉
属性:擬似霊木LV50〈特殊兵装級〉
付与効果:物理特化
霊力浸透〈猫霊剣〉
背負い紐〈霊力護符〉
耐久値:100




