第10話〈忠猫編・リベンジを果たす猫〉
我が家の猫が忠猫過ぎる問題!?〈忠猫編〉
第10話〈忠猫編・リベンジを果たす猫〉
『ニャニャ〜(たあぁぁぁ!!)。』
『ちゅう(甘いぜぇぇ!!)。』
霊力は御法度として、ボス殿との稽古を繰り返す拙者。
木刀を用いて、攻撃パターンを思案しつつ、ボス殿直伝の格闘術も織り交ぜながら挑むも、どうしてもどっち付かずになってしまうのである(汗)。
今もまた、木刀の大振りの隙を突かれ、ボス殿の鉄拳に叩きのめされたわけであります。
ああ、これではダメなのですよっ!!
しかし拙者、まだボス殿がいう「闘気」なるものに開眼することが出来ておらず、体幹トレーニングにも限界を感じつつある日々。
霊力を鍛えようにも、操作方法ばかりが上達し、出力は幾ばくか上がった気はしなくもないのですが…。
いかんせん、小猫の身体ゆえに霊力の総量が少ない…気がします?
そんな不甲斐ないまま、疲れ果て、今夜もキャットキャリーに潜り込んで眠りの中へ…
…これは折り鶴を追いかける夢でしょうか?
白い折り鶴は、拙者の前をフワフワと飛んで行きます。
拙者、子猫ゆえか、やんちゃにその後を追っていました。
『ニャニャ〜(待て待てぇ〜)。』
後もうちょっと、手を伸ばすも、折り鶴はスルスルと拙者の手から逃れてしまう。
そんな事を繰り返すうちに…あ、行き止まり?
そこは白い空間。何もない?
いや、これは真っ白で巨大な折り鶴の中ではあるまいか!?
そして、戸惑う拙者に語りかける柔和な声?
『ニャニャ(どちら様でしょうか?)。』
『時渡りの精霊…千寿と申しますわ。』
折り紙が解けて、拙者はかの女性の手の平の上で佇んでいました。
つまりは、追い掛けていたつもりの折り鶴の中にいつの間にか迷い込み…これは何とも奇妙な夢でありますね?
目が覚めてみれば、千寿と名乗った黒髪の女性の清廉な美しさばかりが思い出され…
『ニャニャ(はて?夢の中で何か話していた気がするのですが…?)。』
しかし、何も思い出せないですね(汗)。
『ミニャ(寝ぼけてるのか、クウ?)。』
失礼ですね、ミー先輩は!?
ともあれ、本日もいつものように主人殿と母上様をお仕事に送り出しました。
一安心ですね。
◇ ◇ ◇
深夜、拙者は意を決して走り出しました。
背中には相棒の「木刀」を背負ったまま。
あの日から、必ずやリベンジを果たすと心に決めて、未だ未熟ながらも修練に励んできました。
窓から見やるに、あの浮遊霊は車が止まるのを待っている雰囲気があります。
もし仮に車が止まったら、勝手に乗り込んで移動してしまうのでは?
故に拙者、一刻も早く決着を付けねばならぬと心がはやるのです!!
『子猫ちゃん、無理しちゃダメなのよ〜。』
『ニャニャ(祖母様、御心配なく!!)。』
ニャン!!と窓際から屋根に飛び移り、そそくさと屋根伝えに移動する。
そうして、例の雨樋を伝って地面に降りた。
ふむふむ。今の所、拙者の危険察知能力に引っ掛かるものは…無い。
道路の先の車に最大限の注意を払う。
しかし、深夜の外出はこれが2度目なので、心なしか余裕があると言うべきか?
拙者自身、これからリベンジを果たそうというのに、そんな落ち着いた平常心である事にビックリするくらいである(え)。
そして今回は、背後からの奇襲なんていう、せこい手段は使いません。
あの松の木の下で、正々堂々の真っ向勝負でありますよ!!
『ニャニャ(という事で、いざ尋常に勝負であります!!)。』
『…ひっ…ちぃ〜?』
木刀を背から抜き放ち、両手で握る。
四肢に力を込めつつ、柔軟な反応を維持できるように力を抜く。
これがボス殿直伝「我流最強拳」の極意である(?)。
と同時に、霊力を木刀に浸透させ、収斂させ、鼓動の如きリズムを生み出す。
まるで木刀そのものが生き返ったかのような息吹が迸り…これぞ「猫霊剣」である!!
対峙した浮遊霊は、不意に拙者に肉迫した。
そして青白いその両手を伸ばす!!
『ニャニャ〜(やはり守りは性に合わないのですよっ!!)。』
むしろ、拙者の身体はそれよりも早く動いていた。
動くと同時に、浮遊霊の両手を切り飛ばす!!
『ひっち…はぁ…い、くうぅぅぅう!?!?』
愕然とし、動きを止める浮遊霊。
そんな事で動きを止めるとは、まさに致命的な隙…。
いや、これは誘いか?
『ニャニャ(むっ…!?)。』
案の定、切られた両腕が動き出し、拙者に迫る!?これは挟み撃ち?
しかし…遅い!!そんな動きで猫である拙者の動きを止められる筈もなく、逆に格好の標的なのである(?)。
『ニャニャ〜(猫霊剣・短冊斬りぃぃぃ!!)。』
木刀の切れ味で、浮遊霊の右手を短冊切りにせしめた。
細切りにされた霊体は薄煙を上げて消滅…
『ひぃ、ひぃっちぃぃ!?はいぃぃぃくぅぅ!!!』
右手が無くなって驚愕の浮遊霊。
残った左手を…左腕につけようと悪戦苦闘するも、それはくっつかずにポトリと落ちるばかり。
ここで判明したのは、切断面に木刀の霊力が残存し、浮遊霊の霊体と反発し合っているということ。
なるほど…そういう使い方もあるわけですね(え)。
しかし今は、逃げようとする浮遊霊を打ち倒すのが先決。
先日の、拙者の「猫鎌切り裂きの刑」に耐え抜き、効きはしないと嘲り、迫って来たあの浮遊霊が、今やこの体たらく?
拙者、未熟なれど鍛錬に鍛錬を重ねて、祖母様に調理技法を伝授して頂き(?)、そうして編み出した「猫霊剣」でありましたが…何とも拍子抜け。
肩透かしとなってしまいましたな。
『ニャニャ(…ていっ!!)。』
奥義を使うまでもなく、撫で斬り一つで浮遊霊の首が切り落ちた。
『ひひひぃぃぃ…ちぃぃぃ…はぁぁぁあいく!!!』
浮遊霊は悲鳴とも怒りとも、また安堵ともつかぬ声を上げたまま、全身を煙のようにして消滅してしまいました…
『ニャニャ(これにて、リベンジ終了である…)。』
…とカッコ良く決めたものの、おっとっと、足元がフラつきますね(汗)。
思ったよりも霊力の消費が激しいのが、やはりまだまだ問題点として残ります。
こうして拙者、一目散に我が家に帰ったのでありました…。
〈…続く〉
◆ ◆ ◆
クウ君♂
種族〈チンチラシルバー種〉
階級〈血統書付き〉
カテゴリー〈0.7+〉
戦闘力 8
防御力 6
生命力 6
回避値 7
知能値 3+〈15〉
器用値 8
魔力値 8
戦技
奥義「猫鎌切り裂きの刑」
秘技「猫尻尾グルグル巻きの刑」
固有戦技
猫霊剣Level 1
「撫で斬り」(NEW)
「短冊斬り」(NEW)
固有能力
天狐の魂「9」
trigger〈繰り返す〉
能力
侍猫 木刀(NEW)勇気 忠誠 初志貫徹 繰り返し 霊力
称号
田崎家の猫
猫の首輪・子猫用(ピンク色)〈首輪〉
属性:プラスチックLV5〈通常級〉
付与効果:物理抵抗
鈴付き
耐久値:10
木刀〈刀〉
属性:擬似霊木LV50〈特殊兵装級〉
付与効果:物理特化
霊力浸透〈猫霊剣〉
背負い紐〈霊力護符〉
耐久値:100




