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第1話〈忠猫編・序章〉

( ^ω^ )毎週土曜日12:00 (2話づつ)投稿開始。

猫好きな方、よろしければ見てください。前作?我が家転生もどうかよろしく(え)。

我が家の猫が忠猫過ぎる問題!?〈忠猫編〉


第1話〈忠猫編・序章〉

 


俺をジッと見つめるネコ。    


起きるまでジッと見つめ続けるネコ。


起きて!!とかそういう仕草もせず、ただジッと俺の顔を見続けるネコがいた。

毎朝、起きると彼は必ず俺の枕元に立っているのだ。


いや、別に幽霊ってわけではない。

彼はちゃんと実在しているし、生きている(汗)。


そんな我が家の愛猫である彼の名前は「クウ君」だ。

まぁ、主にお世話をしているのは母さんだけどねっ(え)。



クウ君の朝は早い。



朝…朝というか深夜?主人が眠りに落ちたことを確認した上で、彼はコソコソと活動を開始する。


寝室を抜け出し、彼は廊下の途中にある窓の錠を器用に前脚で跳ね上げ(え)、窓開け〜の、網戸開け〜の、そこからジャンプして隣家の屋根に飛び移る。


気配の確認…ふむ、OK?


一目散に屋根伝えに走る!!我ながら、見事な走りっぷりだと惚れ惚れしますね(?)。


そして、建物の端にある雨樋あまどいを伝って下に降りる。

まだまだ、今現在では肉体的に一般の猫どころか子猫に過ぎない為、あまり無理は出来ないのです。

ある程度は我慢するしかないのは口惜しいですね(汗)。


だがこのような姿、主人殿には見せられません…などと反省してみる。

しかし必ずや拙者、かつての力を取り戻してみせますぞ!!などと思いながら、アスファルトの地面を駆け出していたのであります。



向かう先は目と鼻の先です。

道路を挟んだ隣の区画ですね。


おっと、危ない!?


この道路は車の流れが非常に速い…今は亡き先住犬のタロ殿やシマ殿も何度か跳ねられたとか(え)。

しかしシマ殿はヘッチャラ顔で脱走したとかしないとか??


それはさて置き、拙者は物陰に隠れて移動する。

と言いたいところですが、何せ猫の種類がチンチラシルバー…白くて長い毛が特徴なので、目立つ事この上無し。厄介なものですね(汗)。


そして辿り着いたのは、ここはちょっとした神社であります。

小さいながらも御神木もあるし、一通り揃った小規模ですが、霊験あらたかな「八幡神社」と言います。


こうして見ると、やはりこの神社のただならぬ存在感をひしひしと肌に感じますね(?)。

そもそも前々世では一度も家から出た事もありませんでしたが…。


さてさて、もうひとっ走りで御神木の麓へ…

麓に埋めたモノをゴソゴソと掘り返し…うむ、これですね。


とても拙者の手に馴染む木刀…これはこの御神木の枝から削り出した木刀なのである!?

勿論、拙者自身の手で削り出したモノであるに(え)。


やっぱり、これを拙者の猫の爪でもう一度削り出すのはシンドいし時間が掛かるので、本当に師匠には感謝しかありませんね。


ぎこちないものの、木刀「南無八幡」を両手で握り締め、両脚に重心を置いて地面に立つ。

ああ、まだ身体が慣れていないですね…おっとと、フラついてしまいますが、両脚に闘気を集中すれば…?


くっ。まだ霊穴が開き切っていないのでダメですね…。

修行が足りないという事です(汗)。


それでも、木刀を振るい、型を模倣する。

 

引いては押して、押しては返す。

木魂こだまのように浸透する波紋のような無駄のない力。

さざ波のような木刀の流れに霊力を乗せて、悪しき霊を断つ…その名も「猫霊剣」!!


何事も一足飛びで習得など出来る筈もない。

ましてや拙者は鈍才。

修行あるのみ!!鍛錬あるのみ!!サムライたるもの、そうであるべし(断言)!!


とは言え、前世の記憶と経験が積み重なっているからこそ、霊穴の調整もそれなりに出来ている(?)。

この霊穴の開眼にどれ程の苦労をした事か…もう思い出したくないくらいであるに。



空を見上げる。ああ、もう夜が明ける。

ふぅ…毛並みがボロボロですね(汗)。


だが、さて、そろそろ…?



『…子猫が木刀を持って修行しているとか…これはどう言う冗談なんや?』



神社の屋根の上、そこに1羽の白い鳩が鎮座していた。


そしてその声は、紛う事なくその鳩から発せられているという事実!?

だが拙者は知っている…むしろ待っていたと言っても過言ではない(?)。


「ニャニャ(ああ、師匠。待ってましたよ)!!」


『はぁ?誰が師匠やねんっ!?』


でも師匠なんだなぁ(笑)。


でもとりあえず、時間がないのでそそくさと木刀を再び御神木の麓に埋め戻し…


「ニャニャン(では師匠、今日のところはこれで失礼します!!また今夜来ますので、よろしくお願いしますね)!!」


『は?いや、ちょっと待てって!?』


拙者は一目散に神社から飛び出した。


とにかく、このボサボサの毛並みであると、母上様に叱られてしまうのであります(え)。

帰ったら速攻、毛繕いをしなければいけません。


元来た道を辿り、雨樋あまどいを器用に上り詰め、屋根の上に移動。

屋根の上からスタコラサッサと我が家の3階の窓際にジャンプ!!


ふぅ。何んとか間に合いそうですね。

我が主人殿はまだ熟睡している様子で、その隙に毛繕いをしておきましょう。



ペロペロ…埃っぽいですね(汗)。



そうこうしているうちに、起床のベルが鳴り響き、主人殿がモゾモゾと動き出す。


「ニャニャ(主人殿、お勤めの時間ですよ。おはようございます)。」


イモムシみたいにモゾモゾしていますが、このお方こそは、ゆくゆくはこの世界の盟主となられるお方であります(?)。

必ずや、いついかなる時代、世界であろうとも、拙者は「猫八部衆」の1人として、その元に馳せ参じる覚悟であります!!


その為の修行…一刻も早く、再びこの手で悪霊狩りを開始しなければなりませんが、焦りは禁物です。

今度こそは、あの動物霊化した邪悪な生臭坊主を討ち取らねば…と。


今はまだ、爪を研ぎ力を蓄える時期なのです(?)。



主人殿を送り出し、主人殿は夜勤なるものもあるので?あまり無理をして頂きたくないものの、今の拙者に出来ることは少ないのです。

歯痒いものですね…。


さて、本来の住処である2階に戻るとしましょう。

猫としておかしな所はあるまいか?うん、大丈夫でしょう…平常心だ。いや、平常心だニャン(?)。


我が家は1階で魚屋を営んでおられます。

父上様も母上様もお元気に働いていらっしゃりますね。

なので、飼い猫としてご迷惑をお掛けするわけにはいきません…。


2階のキッチンの上、キャットフードをカリカリといただき、しばらく寝るつもりでしたが…おお、これはミー先輩、おはようございます。


ミー先輩は我が家で1番最初に飼われた猫先輩であられます。

真っ白でとても長い尻尾、そして美しい青い目の美男子であられますな。

そして拙者の同居猫であります。


「ミニャ…?」


おお、そんな疑いの目で見ないでいただきたいであります(汗)。


拙者、普通の仔猫でありますよ?

ほらほら、ちゃんと4つの脚で歩いていますぞ?



ふぅ…何とか誤魔化せたようで(?)。

でもミー先輩はアルビノで身体が弱いので心配なのですよ。ただの白猫ではないのです。

これは母上様も主人殿も気付いていないし、ミー先輩は我慢強いですからねぇ…。


はぁ。それも今回は何とか手立てをつけたい所でもあります(え)。


しかしながら、今は今夜に向けて体力を養わなければ…申し訳ありませぬが、しばらく夢現ゆめうつつに…


◇ ◇ ◇


夢を見ていた。


それは見事なまでに安穏とした飼い猫の一生だった。


ペットショップで主人殿と目が合い、母上様と主人殿に抱かれて我が家に招き入れられた。

先住猫のミー先輩は既に体調が悪く、拙者、そうとも知らずに甘えさせて頂いた。


何不自由のない生活であった。


成長し、ミー先輩が亡くなって幾数日後、ある日突然、拙者と同じ猫種のお嫁さんがやって来た。

拙者よりも毛質が長くてフサフサのチンチラシルバーの美人さんであります。


彼女の名前はフクちゃん。拙者はフクさんと長らく仲睦まじく暮らしました。

暑い日も寒い日も、母上様と主人殿に囲まれ、父上様は肩身が狭いのが今だに心配でありますが…(え)。



そして誕生した我が娘と息子。

やんちゃで可愛い子供たち。


おしゃまで行動力に溢れる娘…ロン。

物静かで理知的な息子…ハッピー。



ああ、幸福な猫生だったと本当に思う。

年老い、フクさんよりも先に逝く。


主人殿が泣いている…あとの事は頼んだぞ、息子たちよ。

お前たちなら立派な猫として生きていけるだろう。



だって、後悔は無い………



それは強烈なフラッシュバックであった(?)。


無数に枝分かれする並行世界の記憶が交差する。

あえて、ここを選んで生まれてきた筈だ?


何の為に?


平和な猫生だった?



「ニャニャ(そんな馬鹿なっ)!?」



こんな筈じゃなかった!?


我が家はこれから大変な事に巻き込まれるというのに、ここで拙者がドロップアウトだと!?

この最強無双のサムライ猫たるこの拙者がっ(怒)!!


多次元を渡り歩き、無双せしサムライ猫としてのプライドが拙者を奮い立たせる。

そして意識を覚醒させる。



「ニャニャ〜(もう一度!!もう一度だけチャンスを与えて下されっ)!!」



手を伸ばす。


光のその先に…この命、何度尽きようとも、必ずやあの場所へ!!

凍てついたあの場所で、もう一度、主人殿と再会できるのであれば、と。


その瞬間、光が瞬く。


その光が言う。



『…ならば我が氏子が為、その秘めたる九つの魂を使い、並行世界を繰り返すが良い』と。



ならば返そう、おうと。


拙者は走り出した、その光の果てに向かって全力で…。



〈序章終わり〉


◆ ◆ ◆

 

クウ君♂

種族〈チンチラシルバー種〉

階級〈血統書付き〉


カテゴリー〈0.3+〉 

戦闘力 3

防御力 2

生命力 2

回避値 5

知能値 5

器用値 2

魔力値 0  


戦技バトルアーツ

ねこ引っ掻き


固有能力パーソナルスキル 

天狐の魂「9」

trigger〈繰り返す〉(NEW)


能力スキル

侍猫 勇気 忠誠 初志貫徹 繰り返し(NEW) 

 

称号

田崎家の猫


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