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オーバーツーリズム

 コロナが一段落し観光客は増える一方で、この頃になって漸くオーバーツーリズムの問題が表面化してきた。ニュースで有名になった、背景に富士山があるコンビニや、富士山での登山客の迷惑行為も、多くの人々の知るところとなった。


 でも、オーバーツーリズムは今年になって始まったことではない。他の地域のことは分からないが、京阪神の主な観光地は、コロナ禍前から常に外国人観光客でごった返していた。新型コロナが流行る前から、観光客が増え過ぎたことによる弊害は、既に発生していたのだ。


 その頃、観光客の迷惑行為は、ローカルニュースで取り上げられたこともあった。例えば京都のあるお店では、食べ歩きをしていて食べ物で汚れた手を、店頭に置いてある商品で、拭いて去って行く人がいると言っていた。


 また、実際に京都や神戸、大阪などの有名な観光地へ行くと、観光客の多さに毎回うんざりしたものだ。それも日本人より外国人の方が遥かに多い。あの頃に比べると、最近はまだましな方だと思えるのは私だけだろうか。それだけ6,7年前は酷かった。


 あの頃の事で憶えているのはデパートの靴売り場で、外国人と思しき二十歳代前半くらいの女性が、並べられている靴をあちこちから持ってきては試着し、試着が済むとそれらを辺りに置いたままにしていた。足元に置かれた靴は十足以上あったと思う。普通はお店のスタッフが対応しながら一足ずつ試着するが、言葉が通じないからなのか、スタッフは少し離れた場所で見ているだけであった。こちらが何か迷惑を被ったわけではないが、その光景が異様だったので印象に残っている。


 また別のデパート内の飲食店が並ぶスペースで、老齢の男性が小さい女の子を肩車して走っていた。デパートの中での肩車はあまり見たことがない。ましてやその体勢で走ることも。女の子は喜んで叫ぶし、男性も大声で女の子に話しかけていた。日本語ではなく、英語でもなかった。その場には大勢の人が居たが、大声で喋っている人は他にはいなかったので、二人の大声は奇異に思えまた不快だった。


 一、二か月に一回ほどは通っていた人気の飲食店は、いつ行っても外国人観光客による長蛇の列で、その人数の多さに圧倒され、次第に足が遠のいていった。そんなお店が何軒もある。時々訪れる近隣の客と、遠くからはるばる来る外国人とでは、落として行くお金の額も違う。当時はインバウンド景気に沸くあまり、マイナスの面には殆ど関心が向けられなかったようだ。


 その後、コロナ禍になると観光地は一変した。最初は感染症への対応に追われ後回しになっていた商売も、いつまで続くとも分からない状況に、ずっと休み続けているわけにもいかなくなった。それで開店してみても、外国人は勿論日本人も全く来なかったという。日本人はコロナよりも前に、外国人でごった返しているその辺りへは、行かなくなっていたようだ。それで、日本人向けの商売を始めたようだが、すぐに軌道に乗ることはなかったみたいだ。


 最近では北海道の有名な青い池で、泳いだ外国人がいるというニュースもあった。また、富士山への登山の仕方や奈良公園の鹿への暴力など、国が違えば常識も少しは違っても仕方がないと思うが、日本人の感覚からすると、あまりに想像を絶する行動である。私たちにとっては、富士山にしても奈良公園の鹿にしても、日本人として神聖化して考える部分もある。


 日本だけでなくスペインなどでも、デモが行われるほどこの問題は深刻化しているようだ。初めて訪れる国では、自分の行動が常識から外れているかどうか分からないこともあるかも知れないが、周りの人々を見習えば良いだろう。「旅の恥は掻き捨て」との諺があるが、少数の人による悪意がなく人に迷惑をかけない恥は掻き捨てられても良いが、悪意があったり、また悪意がなくても大人数による恥となる行動は止めるべきである。行こうとする国の伝統や文化、習慣などを理解し、「郷に入れば郷に従え」の精神の元に、マナーを守って行動できる人達だけに、日本を楽しんでもらいたいものだ。私たちが外国へ行く際にも肝に銘じたいことでもある。


 


 


 


 


 

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