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気が休まらない

  通勤途中のバスの窓から、雑木に交じってビワの木が見える場所がある。その木に実が沢山生っていることに、先日初めて気がついた。びっしりと生った実の半分ほどは黄色く色づいていたが、まだ緑色の部分もあって、食べ頃になるにはもう少し日にちがかかりそうだった。ふと木の下に目を遣ると、一羽の鳥が落ちているビワの身を啄んでいる。スズメやメジロよりは少し大きな鳥だ。皮が硬いと見えて、鋭い嘴でも果肉が食べにくそうだった。でも、コロコロ転がる実を追いかけては啄んでいた。その様子を眺めながら、これだけ生っていれば、野鳥達も暫く食料に困らないだろうと思った。


 次の日、少しは色付きも進んでいるだろうかと考えながら、ビワの木が見える場所まで来た。そこでびっくり。そしてガッカリ。あれだけ沢山生っていた実が、一つも残ることなく姿を消していた。木の下にも落ちていない。あれだけ沢山の実を、鳥達が大挙して押し寄せても、たった一日で食べつくすことなどできはしない。しかも鳥が食べたのなら、地上に何らかの残骸が残っていても良い筈だ。これは明らかに人間の仕業に違いない。といっても木がある土地の所有者が処分したのかも知れないし、文句を言える筋合いはない。あの実は何処へ消えたのだろう?疑問ばかりが残った。


 地球上で生きる全ての生き物の食料について心配していると、なかなか気が休まらない。

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