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言葉の重み

 大谷翔平選手の通訳に関する事件(?)はとても残念だった。大谷選手自身による説明は、個人的にはかなり納得できる内容だった。しかし、納得できない人もいるようで、中には彼が英語を話すことなく通訳を使っていることに、問題があるような取り方をしている人もいるみたいだ。また、最初にMVPを取った頃から、彼は英語を喋るべきだと主張する現地の人々の声もあった。


 そのようなことを言っている人に対して、声を大にして言いたい。だいたい自分の口から出る言葉や話す内容について、御座なりに考えている人が、そんなことを言いがちだ。あらゆる場所において、言葉を大切に考えている人は、各人が自国の言葉で話すことにケチをつけたりしない。野球に限らず、外国から日本へ来て活躍している選手も多いが、私はその人達に無理に日本語を話して欲しいとは思わない。日本での生活が長くなったとしても、挨拶や短い言葉を日本語で言う程度で、正式なインタビューなどでは無理に日本語を使わなくても良い。


 大谷選手もアメリカでの生活が長くなるにつれ、練習や試合中には同じチームや対戦相手チームの選手達と、英語でコミュニケーションをとっているようだ。だから、日常会話では不自由がないと思われる。


 ところが、試合後のインタビューでは、通訳を介してだが毎回言葉を選んで、時には回りくどいと思われるほど丁寧に説明をしている。その日の試合で良かった点や課題となった点をしっかり頭に入れて、良かった点についてはどこがどういう理由で良かったとか、課題についても今後どのようにすれば克服できるかなどを、懇切丁寧に話している。彼の話をイメージしてみると、とてもしなやかな曲線をなしているようだ。しかし、日本語では曲線のようだが、もしもうろ覚えの英語で話すとしたら、同じような曲線にするのは難しく、どうしても直線的な表現になってしまいそうだ。そうなると、自ずと言葉足らずになりがちで、それがちょっとした誤解を生みださないとも限らない。言葉によるちょっとした誤解や行き違いを避ける為に、彼は飽くまでも日本語で話しているのだろう。あれだけの懇切丁寧な話ができるほどの英語力を身につけようとするには、毎日の練習や睡眠時間のどれかを削らなければならないだろう。一日は二十四時間しかないのだから。


 彼は自分の人生の目標を将来まで見据えて、日々野球に励んでいる。選手として何歳までやれるか、ピークは何歳までかなどを考えながら、体力づくりもしているようだ。野球だけに限らず家庭や家族についても、十代の頃から何歳までに結婚などと具体的な目標を定めていたようで、その目標からは少し遅れたみたいだが、誰もが想像だにしていなかった結婚にも、そつなくゴールしてしまった。日ハム時代の先輩に当たる選手などは、野球ばかりやっている彼は、結婚はできないのではないかと考えていたようだ。できないとまでは思わなくても、時期的にもっと遅くなるだろうと考えた人は多かったみたいだし。


 何と言っても、彼自身が以前にも質問に答えているように、アメリカに行った目標が英語の勉強ではなく、野球をする為なのだ。そんな彼には、英語を勉強する時間など勿体ないと、全く関係のない第三者でさえ考える。日々のチームメートとの日常会話さえできていれば十分だ。英語が上手に喋れても、野球でヒットやホームランを打てなかったり、二刀流で活躍できなければ意味がない。


 エンジェルス時代のファンで、大谷の日本語を理解する為に、日本語の勉強を始めたという人がいた。また、今年のオープン戦の頃だったと思うが、「ワンチャン、ゲンキ?」と話しかけていたメディアの人がいた。訊きたいことがあれば、普段英語で話している人の方が、日本語を勉強するのも良いのではないかとも思う。何しろ、前人未到の二刀流で活躍する彼には、野球以外のことに費やす時間はそんなにない。


 過去に賭博問題で野球界を追放されたメジャーリーグの元選手が、大谷選手が彼の通訳に罪を着せたかのような発言をSNSでしているらしい。自らの恥の上塗りまでして、他人を批判しようとするその人間性には幻滅した。元メジャーリーガーとしての矜持などはないのだろうか。

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