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手強い相手

 クセ毛なので、毎朝髪をまとめるのに苦労する。誰しもそうだと思うが、髪型がピシッと決まった日は、気分よく家を出ることができる。また、朝のみならず、一日を快適に過ごすこともできる。ただ、髪質が普通の人にとっては、ショートボブのどこをどうまとめるのか、との疑問を持っても不思議ではない。

 特に私のクセ毛の場合、なかなかまとまってはくれない。技術不足もあるのだが、何度やっても、意図しない方向へピンピンはねてしまう。はねて欲しい時にはテコでもはねないのに。結局時間切れとなって、見切り発車せざるを得ない。そして、一日中髪を気にしながら仕事をすることになる。

 先日、自分でもびっくりするぐらいに、短時間でしっかりとまとまった日があった。そんなことは恐らく、一か月に数回くらいしかない。大抵思い通りにできたとしても、かなり時間がかかるものだ。それなのに、奇跡的に短時間で決まったので、その日は上機嫌で出かけて行った。

 生憎朝から曇っていて、天気予報では一時雨となっていた。駅から歩き始めたのだが、早くもポツポツと雨粒が落ち始めた。雨予報ではあったが、降るのはもう少し時間が経ってからだろうとの、勝手な予想が見事に外れたのだ。折り畳み傘は持っていたのだが、職場までは数分なので、傘を出すまでもないだろうと速足で歩き始めた。思った通り大した降り方ではなかったので、そのまま歩いて職場に着いた。

 職場の玄関には、壁に大きな鏡が備え付けられた場所がある。その横を通る時に、チラッと見えた自分の姿にびっくりした。なんと、あんなにピシッとまとまっていた筈の髪が、見る影もない形になっていたのだ。全体がボワッと膨らんで、部分部分がチリチリしていたりウネウネしていたり。いつものクセ毛のすごいバージョンになっていた。家を出てからほんの一時間余りの間に、変わり果てた髪の様子にガッカリしてしまった。残念ながら湿気や水分は、クセ毛には大敵だった。それは頭の中にあったけど、たったあれだけの雨でまさかあそこまでになるとは、想像もしなかった。自分の髪ながら手強い相手だと、今更ながら認識を新たにした出来事だった。

 時間があったので、少しでも手直しをしようと洗面所へ行ってみたが、ドライヤーでもない限り、手の付けようがないことに気づいただけだった。

 

 

 

 

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