傍目八目
先日の会見を見て、持ちつ持たれつの関係でやってきた、言わば同じ穴の狢である筈のテレビ局等が、一転して糾弾する様子には、容易に受け入れられない雰囲気があった。そのうえ的を射てなかったり、ここぞとばかりに弱みに付け込むような質問や、勘違いによる発言は見苦しかった。
「最も愚かな事件」だとか「鬼畜の所業」などの言葉を並べるよりも、社名を変える方が罪を犯した人を憎むという意味では何倍もインパクトがありそうだ。口先でどんなに犯罪者を恨んでみても、名前をそのまま背負って進むのでは説得力に欠ける。会社名について「今後入所してくる人達にどのように説明するか?」という質問に対して「説明したくない」という答えだった。答えたくないような会社でやっていけるのだろうか?
名前をどうするかについては、所属するタレントの意見を聞いたとテレビで言っていた。多数決なのかどうかは言わなかったが、変えない方が良いという意見が多かったのなら、考えが甘いのではないだろうか?気持ちのどこかに、これまでのままでやって行けるとの思いがありそうだ。確かにこれまでは、名前の恩恵を受けてきた部分もあったかも知れない。でも、今回の一大事が、そんな生易しい気持ちで乗り切れるものだろうか。早速CMに使わないとする企業が発表されたりしているのに。
第三者にとって今の社名は、忌まわしいというイメージしかなくなりつつあり、今後は益々それが強くなっていくだろう。悪い印象を払拭できるように頑張ると新社長が言っていたが、社名がそのままでは「頑張る」という気概が伝わりにくい。名前を変えて新しい会社として出直すくらいの気持ちがなければ、乗り越えられないほどの壁だと考えるべきではないのか。
この事件については、加害者が一人で被害者が多数だった。でも、これが何十年も見過ごされてきた背景には、業界全体に男性・女性の別なく仕事と性加害とが繋がることを、暗黙の了解としてきた面があるのではないだろうか?何かのきっかけで時々出てくるその類の話から、そんなことを考えてしまう。そうだとしたら、表に出てくることなく辛く悔しい思いをしている人は、いったいどれくらい居るのだろう。それが今回の件で少しでも変わることがあるのだろうか……。




