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おしどり夫婦

 「おしどり夫婦」という言葉がある。私は長年この言葉の意味を「長年連れ添っている仲睦まじい夫婦」と解釈してきた。しかも、長年とは最低でも十年以上くらいと考えていた。

 ところが、世間では結婚して二年目や三年目の夫婦に対しても、「おしどり夫婦」と呼ぶことが多くなったような気がする。最近子どもを巡ってトラブルになっている有名人夫婦の場合も、テレビやネットなどで取り上げられる際のタイトルに「おしどり夫婦」が入っている。この夫婦も婚姻期間が五年足らずのようなので、私の解釈には合致しない。

 そこで、改めて「おしどり夫婦」について調べてみると、その意味は「仲睦まじい夫婦」となっている。ということは期間は関係なく、仲が良ければ「おしどり夫婦」という訳だ。でも、そもそも仲が良いから結婚するのだろう。ということは最初はどの夫婦も「おしどり夫婦」ということになる。私の解釈は間違っていたようだ。

 言葉に使われているオシドリは、さぞかし仲の良い夫婦なのだろうと思い、オシドリについて書かれているものを読んでみると、この鳥の夫婦は共同作業で巣を作り、オスはメスが居心地よく卵を産めるように、巣に羽毛を敷いて準備をする。メスは卵を産みオスはメスを守る為に傍に居る。ここまではたしかに「おしどり夫婦」なのだが、オスの方はメスが卵をかえして子育てしているのに、妻と子を捨てて他のメスとつがいになるーーとある。

 しかも、驚いたことにおしどりは一夫多妻制で、メスが抱卵期に入ると夫婦関係はおしまいなのだそうだ。私が持っていた「おしどり夫婦」のイメージと全然違う。

 

 尚も興味が湧いてくることが書いてあって、オシドリに限らず一夫多妻制の鳥は、オスが派手でメスは地味なのが特徴らしい。そしてメスはきれいなオスを相手に選ぶのだそうだ。その理由はきれいなオスの息子は父親に似てきれいなので、多くのメスに選ばれて遺伝子を残すことになるからだそうだ。


 よくよく読んでみると、「おしどり夫婦」という言葉のイメージとは違い過ぎるオシドリの生態だが、人間の場合も「おしどり夫婦」でも離婚してしまうし、いつまでも仲が良いとは限らない。似ているのではないだろうか?ただ、一夫多妻制ではないし、だからというのでもないだろうが、見かけの良さだけでは相手を選ばないという点が全く違う。

 容姿端麗でモテモテのオスのオシドリからすれば、勝手にイメージを決めつけられて、迷惑な話かも知れない。

 






  











 


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