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千早振る

 奈良県の川の水が、緑色に染まっているというニュースがあった。緑色に染まった竜田川という名前には聞き覚えがあるなあと思いながら見ていると、アナウンサーが百人一首にある在原業平の歌に詠まれている川だと言っていた。


「ちはやぶる 神代もきかず竜田川 から紅に水くくるとは」

 (不思議なことがたくさん起きたという神代の昔にも聞いたことがない。竜田川の水面に紅葉が真っ赤に映って、まるでくくり染めにしたように見えるなんて。)という意味のようだ。


「ちはやふる」と聞くと有名なマンガがあるが、私はこの業平の歌を面白く解釈した落語「千早振る」が真っ先に頭に浮かぶ。

 (昔、竜田川という力士がいて、千早という花魁に一目惚れをした。ところが千早は力士が嫌いだったので、竜田川は振られてしまう(「千早振る」)。振られた竜田川は次に千早の妹分である神代に言い寄るが、こちらも言うことを聞いてくれない(「神代も聞かず竜田川」)…… という具合に。これが可笑しい。


 受験勉強の時にも、本来の解釈よりも落語の解釈の方が頭から離れなかったのを思い出す。



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