表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】会社を辞めて不死身のフェニックスとのんびりスローライフ&ダンジョン配信生活!  作者: 菊池 快晴@書籍化決定


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/123

16話 幸せのんびり生活と初スパチャあざす!

「ぷぃにゅー」

「たどちゃん、魔物スルメが食べたいの?」


 温泉あがり、俺たちは館内着に着替え、食事処のテーブルを囲っていた。

 結局、英雄さんとゴブちゃんは見つからず、御崎はショックを受けていた。

 ただ、同じ探索者ならばいつか会うだろうと慰めておいた。


「おもち、お腹は空いてるか?」

「キュウキュウ!」


 机の上に置かれたメニューには、人間用と魔物用がそれぞれ記載されている。


「さすがマモワールド……ってか、すげえ豊富だな」


 既に新作のちゅおチャールも載っている。ほかにはカリカリフードの魔物用、魔力補充が出来るジュースなど。


「御崎、決まったか? 俺はこのミノタウロスのバーガー風にする」

「んー、じゃあ私はオーガのステーキ風カツレツにしようかな」


 注文は今どきのスマホで頼むスタイルだ。

 ちなみにおもちは、きつねうどんが良いらしく、大盛を頼んであげた。

 田所はスルメとカレーらしい。どんな組み合わせだ?


 注文を待っている間、今後のことについて話し合う。


「法人化の手続きは終わったから、税金関係は私のほうで処理しとく。とりあえず以前の魔石分は経費ってことでいい? もちろん、おもちゃん達の食費はそこから出す予定だけど」

「問題なし。今すぐに必要なものもないし、利益は後回しでいいよ。ただ、いつかは田舎ででかい一軒家を買いたいなあ。そこでおもちや田所と暮らして……ゲーム三昧! 最高だ……」


 机に突っ伏しながら未来の妄想をしているとつい笑顔になった。

 社畜のときに比べたら、今の生活はストレスフリーだ。けれども、夢を捨てることはしたくない。


「私は考えたこともなかったけど、そういうのも楽しそうね」


 御崎は田所をひょいと持ち上げながら笑みを浮かべた。こうしてる時は、ほんとただの美人なんだよなあ。

 てゆうか実際、今も周囲の男たちからもささやかれている。


「なあ、あの人めちゃくちゃ美人じゃないか?」

「すげえな……前にいる人は彼氏か? いや、兄弟?」

「てか、フェニックスだよな? それになんだあの赤いスライム?」


 どうやら俺のことは誰の眼中にもないらしい。いいもんいいもん、俺は必殺技を思いついたんだからな! いつかびっくりさせてやるから!


 ◇


「こんにちは、アトリです。そしてミサキもいます」

「はーい、今ここはマモワールドからお送りしてまーす。おもちゃんとたどちゃんもいまーす」


『ミサキちゃんダッー!』『水着姿は!?』『デートとか羨まけしからん』

『マモワールドって噂の魔物と混浴が出来るところか』『施設が広いって聞いたことがある』


 料理が届くと同時に、俺たちは生配信をはじめた。「温泉以外の施設内は配信が出来るらしいよ」と、御崎が言ってくれたのだ。

 俺の新ネームに誰も反応してくれないのは悲しいが、すぐにコメントは埋まっていく。

 

「あと、前回のスライムが僕たちの仲間になってます。名前は『田所』に決定しました」

「キュウ〜!」

「ぷいにゅう?」


『おもちのお風呂上り感カワ(・∀・)イイ!!』『田所って何w』『共通点がなさすぎるw』『おもちと田所』『個性的だなw』


「え……たどちゃんってそんな変かな?」


 御崎は悲し気に田所のほっぺをぷにぷに。

 どちらも可愛いのでコメントは大盛り上がり、名前はまあ……言及しないでおこう。


「温泉には入って来たので、今からご飯を食べるところです」


 御崎に料理を映してもらったあと、きつねうどんを食べるおもちを、めいいっぱい楽しんでもらう。

 もちろん、田所のスルメをしゃぶりつくす姿もだ。


『癒される〜〜〜』『飯テロ』『おもちの食べっぷりはいつもいいね』『田所から哀愁を感じるw』


 その時、チャット欄の右上に見たこともない赤いコメントが表示された。

 10,000円と書いている。


「いちまんえん……?」


『太客だ』『初スパチャ?』『盛 り 上 が っ て ま い り ま し た』


 直後、これはスパチャだと思い出す。

 先日無事に収益化の審査が通ったので、出来るようになったのだ。


 所謂、投げ銭というやつだ。


「ええと、『USM』さん、初スパチャありがとうございます! コメントは『おもちと田所が欲しい』ですか? そう言ってもらえると、二人も嬉しいと思います!」


 短めだったが、実に好意的なコメントだった。

 手に入れたくなるほど可愛いのは、俺だってわかる。猫とか犬の動画を見ているとそんなコメントばかりだもんな。


 しかし驚いたことに、再びスパチャが送られてくる。

 またもや『USM』だ。


 次は、御崎が読み上げる。


「『USM』さん、『おもちがかわいい』ですね! 確かに可愛いですよね。でも、たどちゃんも——」


 10,000円『たどちゃんもcute』『USM』

 10,000円『触りたい』『USM』

 10,000円『モフりたい』『USM』

 50,000円『揉みたい』『USM』


 続くスパチャに、流石に焦り始める。最後はなんと5万円だ。

 コメントも驚きを隠せないらしく、『USM』について話題は持ちきりに。


「キュウキュウー?」

「ぷいにゅっ!」


 二人が画面いっぱいに映ると、更にスパチャは加速。一般コメントも『USMやばすぎw』『これはパトロン』『石油王かな?』

 と、興奮気味だ。


 しかし突然、『待っててね』と、最後のコメントで唐突に終わる。一体どういう意味かわからなかったが、ひとまず大成功だ。


「おもちの可愛さは世界共通かもしれないな」

「キュウキュウ♪」

 

 ————

 ——

 —


「それでは配信を終わります。突発だったけど、集まってくれてありがとうございました」

「はーい、皆さん、またねー!」


 俺たちに続いて、おもちと田所が手も振る。

 田所は手を擬態してリアルな感じで振っている。いやそれ怖いぞ!?

 

『お疲れ様でした。まさか、魔物カラオケ大会を見れるとは思いませんでしたw』『良い物を見せてもらったぞ、アトリ! ミサキ!』

『おもちのコブシの聞いた歌が、今も心に染みわたってる』『田所DJが最高だった』


 結局あの後、魔物カラオケ大会が始まって配信は大盛り上がりだった。

 おもちと田所の歌は多くの人々を魅了し、スカウトまでされてしまった。もしかしたら、来年は黒白歌合戦に出てるかもしれないな。


「さて、帰ろっか! 今日もいい日だったね」

「そうだな。こういう日がずっと続けば最高だな」


 俺はおもちを抱き抱え、御崎は田所を抱き抱えた。

 こうして俺たちの人生初のマモワールドは、笑顔溢れる一日となったのだった。



 ただ一つ気になるのは、『USM』って、なんかの略称な気がするんだよなあ……。

 

【 お礼とお知らせ 】


「USMって誰だだろう」

「おもちと田所可愛すぎるんだけど」

「この話の続きが気になる!」


そう思っていただけましたら


ぜひとも、フォロー&☆☆☆☆☆で応援をお願いいただけますでしょうか?


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

-


会社を辞めて不死身のフェニックスとのんびりスローライフ&ダンジョン配信生活!

☆書籍版、ご購入はこちらをクリックで確認できます☆

-

会社を辞めて不死身のフェニックスとのんびりスローライフ&ダンジョン配信生活!
― 新着の感想 ―
[良い点] 宇佐美貴史か!(え)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ